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AI時代に必要な能力である「創造性」をつけるため、著者なりのヒントを言語化した一冊。「価値基準」「衆知」「加賀気的手法」「ずれ」「マネジメント」の5カテゴリについてイノベーションの生み出し方が解説される。「マネジメント」のイノベーションは(なかなか想像しにくいが)、ソフト面が重視される現在・未来のインターネット時代にこそ必要な要素であると認識できた。ユーモア交えた独特の文章で全体的に読みやすい(定期的に挿入される挿絵も○)。ジャンル限らずあらゆるクリエイターの方におすすめの一冊。
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競争させられると発送の転換は難しくなる。
どうせ、と見下されている商品は、どうせなら、と考えると化ける可能性がある。
できる人の視点ではイノベーションは生まれにくい。できない人ができるようにするにはどうしたらいいか、と考えるとイノベーションが生まれる。
謙虚さは学びの好循環を生む。ソクラテスの産婆術=無知の者同士が話しているうちに新しい知を生み出す=否定しない、新たな視点を歓迎する、提供された視点から連想を展開する。
査読システム=自律分散で規律できる。ウィキペディア、ネイチャー、サイエンスなど。中央集権より多数の視点を取り入れられる。
シーリーの「ミツバチの会議」全員発言するまで次の発言はできない。
理論科学=ホモエコノミクス、実験科学、観察科学=行動経済学、ゲーム理論など。
アイデア実現のために汗を掛ける人がイノベーター。
アイデアの実現には面倒くさい作業が必要。
結束点を牛耳る=鴻海。スマイルカーブの一番低い処を集中してやるので、結束点になれた。
目利き力=オランダのカカオ、フグの下関、昔の大阪の米、売り手買い手双方に便利。
群衆は虚に向かって動き出す。ないものを探して求める。切り株の周りに肥料をまくと、切り株の炭素を求めて微生物が集まる。
集団を動かすには、無いものを選択して自発的に埋めるように仕組む。
制限の中の自由を好む。サッカー、法律の中の自由など。虚をデザインする。
イノベーションは、期待しないこと、驚くこと、面白がること、から生まれる。
教える、は劣化コピーしか生み出せない教育。
共感を持つと話を聞きたくなる。
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発想術の指南書。例示や実例が豊富でかなり面白い。タイトルは謙虚に「ひらめかない人」となっているが、こうした本を書ける篠原信氏は相当独創的だと思う。と思ったら、あとがきで「実は最初の目論見は哲学書だった」と述べられているのをみると、そこからこれだけ面白い発想術本が生まれたのだから本書自体が立派なイノベーションの実践だ。
「こういう視点だったら」「こういうマインドで」といった一捻りして柔軟に物事を捉える、そこからイノベーションは生まれる。
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作者さんの感覚に納得できました。
1人の天才のアイデアより、よくできた体制で大勢が考えたアイデアの方が多面的で大勢の役に立ちやすい。
最近の事例も挙げてくれるので「いま何が起こっているか」も軽く知る事ができました。
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自分自身、ぽんぽんアイディアがひらめくタイプではないと自覚しており、お勉強のため購読。真面目な人向け、地道な人向け、アイディア発想の留意点を真面目に説明してくれる本。「早く解決しようと焦らずに、問題から一旦離れてよく観察してみよう」「思考の枠組みをずらすこと」「甘いトマトは売れない」「できない人をできるようにするところにイノベーションが生まれる」「議論より築論」「ネゴシエーションができなければ一歩も実現しない」「思考にも並列回路と直列回路がある。なぜかわからないと動けない人と、何に役立つのかわからないと動けない人がいる。思考回路のバラエティーを念頭に置く」
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ところどころ「おっ」と思うような話もあるが、よくあるような話が多い。思想や哲学を学ぶ重要さについて強調されているのは良いが、引用対象も散発的だ。「散らばっているように見えるが一貫したテーマがある」ような印象もないので、単に雑然としているだけである。
先に進むための参考文献リストがあれば入り口としての評価もありえようが、そういったものもないので、入り口としても不適格だろう。
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この人なりに頑張って書いたんだろうなというのは感じられるものの、イノベーションというにはちょっとはばかられるものが多い。わりと表層。「あー飲み屋でこういう事言うオッサンいそう」っていう印象の本。
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p25 私達は問いを発せられると、問いの裏に暗黙のうちに当然視されている価値基準を受け入れてしまうことが多い
焦って解決策を早く見つけようとせず、課題をよく観察することでそもそもを問い直してみる
p26 ホセ・オルテガ・イ・ガセット 大衆の反逆 信念とは、こうだと信じて疑わない思い込みのこと
p69 賢い人はすべてから学び、平均的な人は経験から学び、愚かな人はすでにすべての答えをもっています。 ソクラテス
謙虚さは学びの好循環を生むが、他者をバカにする心は学びの劣化を招く
p199 カルロス・ゴーン 何をすべきかは誰もが知っている。実行していないことが問題なのだ
p236 囲師必闕(いしひっけつ) 城攻めで包囲網を築く時、必ず一箇所を手薄にする、というもの。もし包囲網を完全にし、逃げ道を塞いでしまうと、城にこもる人間は逃げられないから最後まで戦ってやると覚悟を決めてしまう。すると、どれだけ攻めても城はなかなか落ちない。けれど、包囲網の一部を手薄にしておくと、城兵はあそこからにげられるかもと思い、徹底抗戦する意欲を失う
p238 集団を動かすには虚のデザインが重要だ。そのデザインが巧みであれば、虚の中にほうりこまれた人々は虚を埋めようと自発的に動き出す
これまでの問題解決の手段はプラスα、つまり陽圧が多かったが、集団を動かすにはむしろ陰圧をデザインすることがふさわしい
p241 人間はルールや法律に対し、ネガティブなイメージを持つことが多いが、その制限の中に自由があれば、創意工夫を始めるという面白い性質をもっている
p253 教えるという行為は、基本的に劣化コピーしか生み出せない教育法だ
p254 若い人が嫌いなのは、お説教というより自慢話だ
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図書館で借りた。
どうもしっくり来ない本、というのが読み終わった感想。
「専門家の話を聞くと、新たな発想を閉ざしてしまい、イノベーションの邪魔になる」まぁよくある話だが、この本自体が「専門家による事例集」ではないのか。
ひらめかない人がこの本を読んでひらめくようになるとは思えず、技法を体系的に学べるかと思ったが、「求めてたものと違ってた」印象。
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技術革新をするための「種」「気づき」がどういったところにあるかという事例や場面が列挙されている本。
こんな風に言われればそうだなと思うけど、いざ考えてみようと思うと結局自分の思考は凝り固まったままで、周りからの一言の助け船がないと、こういった広い視野というか既成概念を覆す思いつきはなかなか出てこなさそう。
自分1人では難しいので、周りがその環境になるよう努力しようかなと思いました。
イノベーション【innovation】
①刷新。革新。新機軸。
②生産技術の革新・新機軸だけでなく、新商品の導入、新市場・新資源の開拓、新しい経営組織の形成などを含む概念。シュンペーターが用いた。日本では技術革新という狭い意味に用いることもある。
広辞苑 ページ 1379
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2020年5月刊。この筆者の本は初読み。「阪神・淡路大震災の時、支援物資の整理・配給を任された、大工の見習いの青年が、その職歴と地頭の良さを活かして、誰にでも直感的に分かりやすい配給の仕組みを構築した」という実話を、筆者がツイッターで公開。そのツイートがあまりに面白かったので、著作にも当たってみたくなり、本書を手に取った。
あと2022年4月から創作講座を受講するので、発想に関する本はとにかく読んでおきたかった。
本書は「クリエイティブな才能のない人間が、イノベーションを起こすための発想を得るには、どんなアプローチを取ればいいのか?」を指南する一冊。
全5章からなり、それぞれ、1)価値基準、2)衆知、3)科学的手法、4)ズレ、5)マネジメント を端緒としたイノベーションを起こすための発想法を例示する。
発想法に関する本というと、とかく抽象的になりがちだが、本書は説明が具体的で、古今の事例も豊富、随所にイラストも入っているので、するすると内容が頭に入ってくる。
個人的に一番、琴線に触れたのは、ソクラテスが得意としていた「産婆術」という発想法。無知の者同士が未知の事項について、対話をしている内に、新しい「知」を生み出してしまうという発想法だ。 無知だからこそ、既存の知識に囚われず、かえって斬新な発想が生まれるというプロセスが大変刺激的だった。「知識がなければダメ」という知識偏重の思いこみが、自分にはあったので、「産婆術」の存在には救われた思いだ。
本書で紹介された発想法は数々あれど、とにかく共通するのは、新しい発想を生み出すには「固定観念、先入観、専門知識が邪魔」ということ。固定観念などを振りかざして、若者に立ちふさがる「老害さん」に、自分がならないよう、心がけたい。
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202205/
ミツバチの手続きに着想を得て、教授会での発言ルールに応用した。「全員が発言し終えてからしか次の発言はできない」としたのだ。それまでは、声の大きな教授が「あ、それはね」と別の意見を遮り、自説をまくし立てるシーンが多かったのだけれど、「みなさんが意見を言い終わったら、あなたの番が来ますから、それまでは黙っていて」と制止する。
このやり方だと、会議で普段黙っている人の意外な意見にハッとさせられたりして、雰囲気がガラリと変わる。そうなると、声の大きな人も雰囲気の変化を認めざるを得ない。自分の番が来て大声で首長しても、また次の順番までは全員の意見を黙って聞いていなければならない。すると、自分の意見を押しつけるのではなく、みんなに聞き入れてもらいやすい内容に修正せざるを得なくなる。/
観察⇒推論⇒仮設⇒検証⇒考察
「人気のカフェを開店したい」
①観察:人気店をたくさん訪問する。
②推論:人気店にはこうした秘訣があるのではないか。
③仮設:こうした店づくりをすれば人気店になるかも。
④検証:若者に人気の素晴らしいお店なのに、お客が少ないお店があることに気がつく。
⑤考察:街並みをよく見てみると、高齢者が多い。若者向けの店構えと、住民構成のミスマッチに気がつく
/
「使い手論理のものづくり、説明書の要らない操作性」というコンセプト自体は、「アイディアマン」なら思いつくかもしれない。しかし、それが叶うまであきらめず、最後までネゴシエーションする粘り強さ(GRIT)を発揮しないと、実現にはこぎつけない。その粘り強さが、当時の日本企業にあったかどうか。
『やり抜く力 GRIT』の著者、アンジェラ・ダックワース氏は、成功者に共通して見られる特徴として、まさに「最後までやり抜く力がある」と指摘する。知能指数でも、豊かなアイディアでもない。一つのアイディアを実現するまで諦めないこと。諦めずにやり遂げる道を探し続ける粘り強さこそが、物事を実現させるのに重要だとしている。/
子どもに限らず、大人でも「なぜかが分からないと先に進めない人」と「役立つことが分からないと先に進めない人」の違いがあるらしい。/
「なぜかが分からないと先に進めない人」には、理屈や、メカニズムを丁寧に教える指導のほうが納得しやすく、内容を習得しやすい。「役立つことが分からないと先に進めない人」には、理屈やメカニズムは後回しにして、何に使えて役立つのかを先に説明したほうが内容を習得しやすい。/
イノベーションを促すには、「期待しないこと・驚くこと・面白がること」だ。/
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信念は思い込みという言葉が印象的だった。こだわりや絆は良いようで実はそうではない。人を不自由にする鎖のようなものだと別の本で読んだのを思い出す。
発想のためには、いかに固定観念を打ち壊し、新たな価値を作るか。使い手の声を聴き、寄り添えるか。
ナイチンゲールが「どうせ」を「どうせなら◯◯しよう」と取り組んだことが患者の死亡率を減らすことにつながったなど、エピソードや哲学者の言葉を交えながら色々なイノベーションについて紹介されており読み進めていくのが楽しかった。実話は面白い。
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・感想
図書館で読んでアイデアの思考法や発想の生み出し方を学ぶにはとても良い入門書籍だと思いました。
・Todo
・イノベーションを起こすには前提条件をそもそもから疑うことが必要。
・どうせ〜 ではなく、 どうせなら〜とプラス転換すること。
・高価なものをあえておちょくるくらいのもので描き直す
・高い技術部がなくても技術者と同等の仕事をするにはどうするか。
・賢い人は全ての人から学ぶ。
平均は経験から学ぶ。
1:否定しない
2:新たな視点提供を歓迎する
3:提供された新支店から連想を展開する。
★1人では狭い視点しか持てないので複数でたくさんの視点を持つことが大事。
★一人当たり30秒〜から1分の話す時間を繰り返し回していくことでいろんな人の視点を考え築論を作り上げていく。
※ミツバチ会議
★観察〜推論〜仮説〜検証〜考察
★知っていることと知らないことをはっきり区別する
→マインドマップを使って洗い出してみる
誤解は発明の母
余計なこと、遠回りをひたすらすることで正解を学ぶ。
★アイデア実現の為には汗をかくこと。
それがイノベーションのきっかけになる
誰もが諦めそうになっても最後までやり遂げること。
★部下の話をよく聞き、失敗する前提で挑戦することを推奨する。
→部下思考は柔軟性を増し、挑戦意欲を高める。
結節点は常に誰からも見向きされていないところで発生する。
スマイルカーブの谷で目利き力を研ぎ澄まし、世界の結節点となる。
なぜかわからないと先に進めない人はメカニズムを。
役立つことがわからないと先に進めない人はメリットを。
★ちょっとしたことでも面白がり、驚く。
★若い人はヒントを聞きたがる。
若い頃から常に悩みっぱなしであることを共有する。
なんなら今も悩みっぱなしであることで心を共有する。
若い人の悩みに近い自分の体験談を話し、観察して情報をかき集めることの重要性、正解はわからないけど仮説を立ててみることの重要性と仮説に基づいた挑戦をしてみることの大事さを説くこと。
君の置かれている状況はどんなもの?
それらの情報を総合するとどういうことになる?
そういう状況だとすれば、君はどうしたらいい?
と問いを発することで若者の思考を刺激し、仮説を立てることを助け、挑戦することを勇気づける。cx