投稿元:
レビューを見る
特殊能力を持つ高校生が悩み苦しむ青春ミステリー私の世代では、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆などNHK少年ドラマシリーズのオマージュに思えて読んでしまいました。そして犯人謎解きを読んで挑戦してみて下さい。君嶋彼方のデビュー2作目を読んでぜひ応援して下さい。
投稿元:
レビューを見る
前作のインパクトと世界観が好みだったため、本作も手に取りました。特殊能力というSFチックな設定ではあるものの、能力を使う描写をほとんど入れず、特殊能力を持った人たちが抱える社会的マイノリティ性を書こうとしていた挑戦が見えつつも、王道青春モノとしてまとまった作品だったと感じました。
中でもこの作品に出てくる登場人物たちが抱える「特別でありたい」という気持ちと、「普通でありたい」という気持ちにはとても共感できましたし、社会で生きていくうえで他人の目を、どうしても意識せざるを得ないのだなぁと感じました。
投稿元:
レビューを見る
超能力を持つ主人公”旭”の葛藤、成長が描かれた青春小説。夜がすごくキレイに描かれていて、真夜中の散歩に出たくなりました。
友人との距離感や将来への不安に悩む姿は現実味があって、SF感は少ない印象。ミステリ要素もあって面白かったです。
登場人物それぞれの、葛藤や強さや弱さが描かれ、何処かに共感する部分があります。篠宮さんの「人の言葉を信じたい。」という一言がよかった。
旭の成長を感じ、勇気をもらえるラスト。見ないふりをした方が、楽だしリスクは少ないけど、行動した方が後悔は少ないし、人との関わりも違ってくる。難しいけれど、旭みたいな強さが欲しいと思います。処世術は本気で羨ましい。
投稿元:
レビューを見る
君嶋さんの「君の顔では泣けない」がとても良い話だったので、読んでみようと思った。
この本は、特殊能力ストーリー。
時間を止める能力は父親ゆずり。
様々な能力者がいる世界の話。
普通の人は能力者を、怖がる。
違う。
能力があろうとなかろうと、
誰も同じで、色々な悩みにもがいていたりする。
頭が良くてイケメンの天ちゃんだって、悩みはある。もがいている。
心の中に黒いものがモヤモヤしている。
本心は口に出した言葉だけではわからないこともある。
読後は爽やか。
前作よりもこっちの方が好き。
ミステリ要素もあり面白くて一気読みだった。
投稿元:
レビューを見る
Amazonの紹介より
高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。
前作「君の顔では泣けない」では、ありがちな男女入れ替えの物語かと思いきや、ずっと元に戻る事なく、それぞれが自身を受け入れていくという物語に衝撃を受けました。
今回の作品では、ある人達にだけ特殊能力を持つという世界。SFな設定ながらも、あまり特殊能力を使った描写はなく、特殊能力を持つ人と持たない人、それぞれの立場での葛藤や嫉妬など赤裸々に表現されていました。
個人的に特殊能力を持っているというだけで、すごい憧れを持つのですが、あったらあったで、様々な弊害や苦悩が描かれていて、色々考えさせられました。
心理描写もあるないに関わらず、共感した部分もあり、共生していくことの難しさを感じました。
なんとか平穏な暮らしをしていた矢先に起きた怪事件。ミステリーな要素も加わりますが、事件を解明していく面白さよりも、その事件に翻弄される特殊能力を持っている人達の心理描写を重点的に描かれています。
本当に事件に関わっていないのか?疑心暗鬼される「普通」の人達。その苦悩に胸が痛いばかりでした。
好きで特殊能力を持ったわけではないのに、「持っている」というだけで差別されるという状況は、現実でも似ている部分もあるなと思いました。
憧れがある一方で、自分にないから嫉妬するといった心の陰な部分も描写されていて、正直自分もそういった意味では共感する部分もあり、広い心を持たなければいけないなと思いました。
前作もそうですが、斬新なストーリーなのに若者達の心理描写がとても丁寧で現実的に捉えられているので、とても心に響きました。
事件の方ですが、なんとなくわかるかもしれませんが、意外な展開でした。犯人の「表」と「裏」の顔が曝け出された時の瞬間は、ショックがデカかったです。
これで物語は終わりかと思いきや、ラストの展開がとても印象深かったです。表紙の絵に繋がっていると思いますが、主人公の一生懸命さが伝わり、ミステリー要素があったのに結果として、青春小説として終わりを迎えたかのような清々しさがありました。
「その人」との仲が、良い方向へ向きますように。
投稿元:
レビューを見る
とても独特な表現が多くて、詩的な感じがする始まりだった。ときどき文中に出てくるその独特な表現は、現実離れした作風に合っていると思う。
設定は現実離れしているが、ストーリー自体はよくある青春のひとコマを描写している。
自分は読みながら頭の中で天を山田涼介に演じさせていた。このキャスティングには自信あり(笑)
投稿元:
レビューを見る
時間を止める特殊能力を持つ高校生の冴木旭。数万人に一人の割合で特殊能力を持つ人間が存在する。同級生に他に二人、人の心を読める能力と瞬間移動できる能力を持つ生徒。そういった能力を持ったせいで感じる孤独。周りからの奇異の目、偏見。友達はいても疑いの目は捨てれず苦しむ。学校でなにか事件があると能力者が疑われる。それを晴らそうとする旭。そこから終盤に至るまでの展開と終盤の様々な感情が溢れてくる流れがいい。一瞬にして空気が変わる。前作『君の顔では泣けない』と同様にとても読み応えのある作品。
投稿元:
レビューを見る
「四角い窓に夜を眠らせて閉じ込めた」まるでJ-Popの歌詞のように始まるのは君嶋彼方さんの第2作目の小説だ。一万人に1人の割合で特殊能力を持つ者たちがいる世界。主人公の冴木旭も「時間を止める」という能力に苦悩しながらも普通の高校生活を送っていた。事件が起こるまでは。読んだ感想としてとても真っ直ぐに誠実に書かれてある、と感じた。遊びのある小説が好きだったりする自分なのだが、この誠実さに胸を打たれた。旭の普通に幸せに生きることの滑稽さがこの誠実な文章と相まって読み手の心を動かしてくる。いやあ、君嶋さん凄いな。
物語のラストではニクいくらいに伏線が回収されていってそのカタルシスで泣かせる。この後、旭が話す言葉はどんなものなのか。ついつい想像してしまう。
投稿元:
レビューを見る
だろうな、と思ってた人が犯人で「でしょうね」でおわった。ストーリー的には捻りがない。
でも、最初と最後の描写は丁寧でイメージしやすくてよかった。
投稿元:
レビューを見る
君嶋彼方さんの2作目。「君の顔で泣けない」がすごく良かったので新作を楽しみにしてた。今作もとてもよかった!特殊能力をもつ高校生が主人公で、学校を舞台にした作品なのだけど、誰にでも当てはまる、共感できる物語だと思う。本当に何も考えずに生きてる人なんていないよね。誰もが誰かのために、自分のために、必死になって生きてることを教えてくれる登場人物たちがとても愛しく思えました。
投稿元:
レビューを見る
十代特有の青臭さが全開で、その頃に読んでいたら刺さりそうな内容。
特殊能力持ちがアドバンテージどころかハンディを負わされてる感じで描かれているのが面白かった。時を止める能力なんて某漫画のスタンド能力であれば最強の部類なのに。この作品の主人公は朝が来るのが怖いからって時を止めてしまうけど、最後は良い使い方をしてて、この能力持ちであった意味を見せてくれたのがよかった。
投稿元:
レビューを見る
初 君嶋彼方作品。
高校2年生の11月 友人たちと期末テストやクリスマスのパーティーの話題でワイワイと会話が弾む日常。
フツーの学生生活を送っているはずの主人公 冴木旭。
彼は「時間が止められる」特殊能力の持ち主だった。
特殊能力者は10万人に1人といわれ 一般の高校に条件ありで特別教室を備えていた。
在籍者は3人。それぞれの能力は違えど「他の人とは違う自分」に葛藤とあきらめを持ちつつ 普通に生きていくことにもがいていた。
異質なものに対しての警戒や恐怖は「人間の生きのびるための本能」だが ファンタジーの世界だけでなく 現実でも 出る杭は打たれ、自分とは違う考えや生き方は煙たがられる。
学園ファンタジーとして手に取るだけでなく
自分の内面を見つめていた 青春時代の青い悩みや葛藤を思い出しながら
主人公 旭とともに 不確かな答えに向かって 一緒に疾走して欲しい。おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
時間を止められる特殊能力を持った高校生が主人公。
世界には少しばかりの特殊能力のある人がいるという世界のお話。
思春期に読んだらまた楽しそうだなぁって感じる。
誰かのために夢中になるのは世界を変えるよね。
投稿元:
レビューを見る
初作家なので期待せずに読む。最初は淡々と学園ものとして話が進み、超能力で事件解決するのかなと思いながら。
それが全然違う旭や篠宮、天、様々な人物の心の葛藤。そして心が読める篠宮の人はいつも同じ気持ちではないの言葉に私自身救われる。感情の起伏が激しくどうしようもない時に思い出したい。
そして榎本の旭が仲間はずれになったら自分は助ける事が出来ない。みんなと同じように旭を除け者にする。と旭に言う場面も心の弱さを理解できていてそれをきちんと旭に伝えれるのもすごいし、旭も最初は諦めるがそれでも自業自得で仲間はずれになった友人の元にかけつける。登場人物全て教訓となる話で前半の緩さからどんどん加速していく感じがした。
投稿元:
レビューを見る
『時を止める能力よりも大切にしたい…素直であること』
情景描写がとても綺麗な初読み作家さん。
特殊能力を持った3人を含む高校生たちが、周囲から特別視されることに苦悩し、もがく姿を描く青春群像小説。
悩みの中身は違っても、みんな悩んで大きくなった!
よね…