紙の本
過去に学ばぬ文部行政
2022/09/22 01:12
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語教育の在り方を巡って、現代においても
議論の対象となっている主要な論点は、
ここ100年で既に出尽くしていることを、
それについての論争の歴史に徴して
例証してくれている本です。
著者は英語教育法や英語教育史を
専門とする研究者。
近頃珍しくなりつつある、文法的な破綻のない
文章にも大いに好感を持ちました。
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この年になっても、日々英語に悪戦苦闘しています。血のにじむような努力までやってないと言われるとそれまでですが。
一方、Google の翻訳の近年の進化の凄まじさを目の当たりにすると、本書の末尾に、リマインドされている、そもそもなぜ英語を学ぶのか? の目的は、脳トレを除いて、突然違うルートが現れて、Google に頼むことで、それぞれ目的達成が出来る日は近いようにも思ったりしてます。
これからは、英語教育論争史の指摘する繰り返しではなく、大きな転換が起こる、必要である、と思いました。
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面白い。
が、しかし固い。半分論文半分一般書ぐらいの感覚だろうか。論文の引用も多数あり、興味深い論文はネットで調べる事も出来るため興味のある読者には非常に有益である。また参考文献、索引まであり、本書を孫引きして本を執筆出来そうだ。
上記の通りのような適切な引用方法は、一般書として本書を読む際にはカッコ書き、引用元記載、原文引用入り乱れており、正直読みにくい。興味を持った読者も論文的に斜め読みするしかないだろう。
終章は半分おまけだろうが、「なぜ英語論争は延々と繰り返されるのか」という問いに対して、論争にけじめをつけない日本人として切っている点も面白い。が、本書テーマと少し逸脱しているために軽く触っているだけに留めている。個人的にはここをもう少し膨らましても楽しめたように思える。
本書は論争史として扱っているが、その中身は現代でも変わらない。再読して更なる知見を得たい。
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明治以来から同じ問題が何度も何度も蒸し返されては、何らの解決にも至っていない様子が丁寧に跡づけられている。数年前に「toeic不要論」がネット上で論議された。これもまた本書で解説されている、結論が出されずに曖昧に終わった論争のひとつであり、明治以来の論争の範疇のささやかな変奏にすぎない。