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元々はTwitterに掲載していた作品を纏めたものなのかな?その為か、一つ一つのエピソードは短く時系列も度々入れ替わる
ただ、その分だけ大局的な世界観よりも場面単位の心情描写に集中できるようになっている気もするよ
荒廃した世界でアンドロイドと暮らす人間、機械を駆り戦いに明け暮れる人間。時間変化を覚えにくい世界だからこそ、その時々に何を思っているか、何を感じたかが重視されるのかな
中心となるのはアンドロイドとそれに拾われた親なし子か
アンドロイドはただの機械であって、性別も家族もなかったはず。けれどレイニーの為に「母親」と成った事でアンドロイドは彼女となり感情も垣間見えるようになるとは面白いね
子供であるレイニーはアンドロイドに育てられた形だから、それから多くを与えられたと考えられる。けど一方でアンドロイドはレイニーによって多くを与えられても居る
その大きな一つが感情と言えるわけだね
無表情の「母親」と家族を知らない「子供」
その日々は過酷であっても変わらない日常も含むために穏やかに、そしてニヤニヤ出来るものになっているね
本作には他にもアンドロイドや機械と交流する人々の姿が描かれているね
中でも面白く感じられたのはメイドとお嬢様の話かな
戦うメイドなんて昨今の作品では珍しい話ではないけれど、メイドの方が人間でお嬢様がアンドロイドですか
アンドロイドであるお嬢様の方が圧倒的に強く、人間であるメイドはそれに比べれば弱い
でもその歪な関係こそ二人共が守らなければならない本物のお嬢様の願いに基づいている
難儀な話だ
それだけにアンドロイドに感情を見出だせるレイニーが関わりを持ったのはお嬢様とメイドにとって転機となり得る事態か
…まあ、当初はメイドとくっつける筈が何故かお嬢様の方に惚れてしまうのはそれはそれで難儀な話なのだけど(笑)
本作の大部分で描かれたのはアンドロイドや機械、人々の心温まるようなエピソード
それは相手を理解しよう、相手と関わり続けようとの想いがそこにあったから、生じる感情も温かいものになる
けど交流の仕方にはそれ以外も存在して。それが描かれるのがこれからの物語になるということなのかな?