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夫のことが嫌いなまり
最初はまりのことを傲慢でプライド高い嫌な女の人だと思って全然好きになれなかった。
突然最愛の夫を亡くす実日子
中々前に進めずにいるが、亡くなって一年、元々やっていた料理教室を再会させる。そこで元々通っていた友人の紹介でまりも入ってくる。
もっと2人は親密になるかと思ったらそんなことはなく2人の心情がメイン。
その中でも2人が2人きりで初めて話すシーン
まりは実日子にどっちのほうが不幸かしらねと問う。その答えは最後分かるのだけど。
まりはこのとき余裕もあった、実日子はまだ立ち直れずにいるので、絶対に私の方が不幸だと思っている。
その後、まりは夫のほうから離婚を言われ
ここからまりのことを理解出来る様になる。
結局は嫌いになっているのは私の方で夫の方ではないと保険をかけていたと思う。だから夫からあなたが嫌いですと突きつけられ、本当はまりはまだやり直したかったと思う。その今までの気持ち何となく分かってすごく切なかった。
結局は愛されてこの世からいなくなるより
愛されず会える場所にいるけど、もう交わることもなく自分の存在を見てくれることもないことが分かる方が切なく、中々前に進むことができない気がする。
まりのいっていた前より夫の存在があるっていうのがきつい。
実日子は最愛の亡き夫を忘れることなく受け入れ、そして新たに前に進んでいって幸せを見つけようとして良かった。
2人の幸せをすごく祈った本だった。
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「あちらにいる鬼」と同じく女2人それぞれの視点から語られていて、お互いが相容れない関係ながら必要な存在でもあったのかな、と感じた。
料理がどれも美味しそうで、こういう料理教室なら通ってみたいな。
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夫を大きらいになったまま結婚生活を続けるまり。
大好きな夫を突然喪い、悲しみから抜け出せない実日子。
料理教室の生徒と講師という立場で知り合った2人は、夫の不在(現実的な不在と心理的な不在とでもいうべき)について考える。
あるとき、自分たちのうちどちらがかわいそうなのか、偶然行き合ったバーでまりが問う。印象的なシーンだ。
「好き」という気持ち(もしくは「きらい」という気持ち)の正体を考えさせられる。
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前半、期待外れだったかなぁなんて思ったけど、全てを読み終えたら面白かったと言える。
料理の描写はとにかく毎回美味しそう。
主人公の気持ちになると、何だか切なくて虚しくて胸が苦しくなる瞬間が何度もあった。
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めちゃくちゃ面白かった。
ふたりの対照的な女の話。
どっちの方が可哀想なのか?
2人とも自分だと思っている。
そこにはいない男との
夫婦生活の詳細が語られる。
ひとりは全てが眩しい程の
思い出として語られ
もうひとりは、嫌いなのだからと
距離を置いて暮らす理由と詳細が。
女々しさ満載のあるあるな女。
女ってこうゆう生き物かもな。
鎧で隠したい内面が語られて
ザワザワするのがわかる【解説】
2人ともそこにはいない男のために
手間ひまかけて作る料理の数々。
どれもめちゃくちゃ美味しそうで
完璧な献立の組み合わせ。
想いがなければ、たった1人の男のために
こんな料理は作れないだろ。
人には見せない女々しさが
詳細に描かれていて、ちょっとの笑いと
刹那さが残る一冊。
女による女のための話。
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久々にミステリーじゃないものを読んだ。
状況は違えど、恋愛のことで悩んでる同士だと「どちらの方が不幸なのか」と比べてしまうけど、最後どうなるかはわからないなあと。
マリの気持ちはすごくわかった。今一緒にいる相手のことほんとに嫌いなはずで浮気もするけど、それは相手は自分のこと嫌いじゃないだろうとどこかで信じたいからそうしてしまう。慣れから嫌いになって、いざ手を離れるとなると惜しくなる。終わりが近づくにつれて今こう言えば終わらないかもと思うけど、もう遅いこともわかっているし、今まで嫌いだったぶんの意地も張ってしまう。そんな感じなのかなと、自分と重ねて考えてしまった。
マリの気持ちにすごく入ってしまったぶん、実日子には少しイラついた。確かに最愛を人を亡くすというのは辛く悲しいことで、次に好きな人が出来たとしても必ず最愛の人を思い出してしまうから、余計に辛いのはわかる。まだ身近な人の死を経験してないからかもしれないけど、どこか他人事のように感じてあんまり感情移入はできなかった。
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ざわざわして、わーと読んでしまった。
通り過ぎると、もどれない。
いないけどいるは、苦しい
こころが落ち着いたころに、また読みたい。
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そこには夫はいない
と感じる2人の女性の視点を比べて進む様は、共通点として新鮮でした。
料理は声に出して音読してみたくなるワードばかりで圧巻でした。
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すごく期待していたけどちょっと期待外れ。
期待が大きすぎたのかも。
夫を亡くした実日子と、結婚生活は続いているけれど夫が嫌いなまり。
実質的に夫の「いない」実日子と、心の中に夫の「いない」まりの対比がおもしろいといえばおもしろいけれど。
自分が相手を嫌いなのに、相手から「嫌い」の意思表示をされると傷つく感じはわかる。なんか悔しいっていうか傷つくっていうか。
電話でケンカして先に電話を切られると腹が立つみたいな。
p184
(おいしい料理を習っても、夫が嫌いな食材であれば作れない。だけど離婚すれば存分に作れるようになる。なのに)
当分の間は自分ひとりのために、自分の食べたいものだけを作ることができるようになる。それが私の望みだったはずだ、とまりは思う。そうできないことに苛立って、光一を疎んじていたのではなかったか。それなのにどうして今、これは光一がきらいだから作れないと思うことがもうできないことに傷つけられているのだろう?
↑
ここ、実にうまいと思う。さすがな感じ。
p187
必要なときに必要なことを、話したいときに話したいことを、まりは光一に話しかけるようになっていて、会話の分量は新婚の頃に匹敵するくらいだったが、それでもまりは、光一とほとんど喋っていないと感じた--私たちはちっともちゃんと喋っていない、と。真面目な話をしていない、先行きについて真剣に話していない、というようなことではなくて、何をしゃべっても言葉は本来の質量を持ちえないまま空気中に散った。ふたりが交わす言葉や相手に向ける微笑みもまた、霧だった。
p206
(離婚したまりと実日子が酒場で出会う)
「私、わかったんですよ。~どうしてあんなにきらいな夫と別れなかったのか。私は夫のことをずっときらいでいたかった。だから別れなかったんです」
~
「不思議なんですよね。離婚してからずっといるんですよ。同じ家に住んでないのに。幼児があるときはメールで、電話もろくすっぽかかってこないのに。ずっといるんですよ、彼。いる感じがするんです。どう思いますこれ?最悪なのは、いなかったときよりこっちのほうがダメージがあるんですよね。いやがらせですかね」
p212
「ええ、ちゃんと寂しかったわ。あなたがいなくて寂しかった」
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結婚後夫に関心を持たれない女性と、夫を亡くした女性。
空いた心の穴と同じかそれより大きな物で埋めてくれる人と出会えるように自分が変わっていくしか方法はなくて、その過程の物語を2組の女性の主人公と比較しなが進んでいった物語だった。
私はより悲しい方は死別した方だと思う。
相手がまだ生きていたら、最後の望みにかけて行動する事ができるし、それが自分の理想通りに進まなくてもやれるだけやったと納得できる気がする。
相手がこの世にいなければ、まず自分から行動する事も無意味になるし行動出来ない事で諦めがつかない。
亡くなった夫の両親と会う機会がありまた思い出してしまったり、ふとした瞬間に亡くなった夫の記憶が蘇ったり、そこにはいないのにずっといる。これがとても辛いことなんだと感じた。
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夫への愛情を失ってしまったまりと、夫を亡くしてしまった実日子。
まりの、自分勝手な不安定さはなんだか少し分かるような気がする。
どうしようもない。
*
あたたかい光が灯ったマンションの一部屋一部屋。そのすべてが幸せで満ちているとは限らないのだ。
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そこにいないのに「いる」、いるのに「いない」
そう感じることは度々あってそういうときは共通して寂しいし辛い
人と人はそうやって少しずつすれ違うけど、そこを繋ぎ止めようとするその空間に愛らしさと美しさを感じる
「ちょっとずつ違う」というのを大切にする
でもその差が広がらないように沿っていくこと、
に意味があるんだと思った
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まりと実日子の話。
どちらも存在しない夫。どっちが幸せか、、みたいなテーマだけどどっちも同じタイプの自己中心的なイヤな女でシチュエーションが違うだけであまり対比になってないかも。
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人間寂しいとおかしな行動を取ってしまうとどこかで呼んだのを思い出した。もういない人には期待できないけど、一緒に住んでいると期待してしまうから、その分孤独に感じると思った。
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一緒に生活してるけど大嫌いで、いない様な夫と、心の中にはずっといるのに現実世界にはいなくなってしまった夫。
これからの人生でどっちも起こり得るから、他人事とは思えない。
女性側からしか語られてないから、いったい何でそんなことしようと思ったのかわからないし、何なら聞いてみたい位だけど、まりの夫の突然子供を作ろうと言い出す→関係が良くなった様な態度→離婚というこの行動が嫌すぎた。
あとがきで原田ひ香さんが書いてる通り、出てくる料理はメニュー名見ただけでとっても美味しそう。