紙の本
贅沢な本です
2023/04/26 23:39
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投稿者:一式観測機 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言うなら好きなものが詰め込まれた推理小説です。
歴史が好きで、本が好き(古本屋も好き)で推理小説が好きな人からしたらとても楽しめるのではないでしょうか。
こうゆうミステリー小説が増えたら良いのにな〜て思ってしまうくらい面白かったです
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前知識まったく無しで購入したので、日常的な書店ドラマと思っていた。読み始めたらドンドン話しが大きく展開していき、ワクワクしながら読めた。
戦後の風俗もわかり当時の生活感も想像できた。
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終戦から1年後の神田神保町。古書の町は復興の息吹を感じつつあった。その中で古書店主、芳松は本に押しつぶされて死ぬ。芳松を弟分として可愛がっていた琴岡庄司は芳松の死に疑問を感じる。そんな中、芳松の妻、タカが失踪。庄司は些細なきっかけで知り合ったGHQの少佐から、ある依頼を受けることになる。
面白かった。古書業界のお話、ということで「ビブリア古書堂の事件手帖」を思い出した。途中で読むのをやめちゃったんだよなあ。
庄司の実直な人柄が好ましい。子孫がいるから、命に別状はなく、大丈夫だったのは分かっているのだが、暮らし向きは平気か?と心配になってしまう。
徳富蘇峰はもちろん青森 五所川原で津島=太宰治が出てきている、伏線があるのでは…と読み進めた。
やっぱり太宰、出てくる。かなり重要なところで。少佐に売って売って売りまくっているように見えたから、これでどう古典を守るのだろう?流出じゃないか、と思ったが、庄司の相場師のような感覚が生きてきたのか。
日本は文化を蹂躙された経験はあまりないが、してきた経験はある。それを考えれば少佐のやり方はかなりソフトなやり方だ。日本の日本らしい文化が海外で評価されることをうれしく思うが、日本人である自分がそれをしっかり語れるか、と言われると、自信を持って「はい」とは言えないのが辛い。勉強せねば。
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敗戦まもない時期の神保町が舞台のミステリー。とても好みの設定なので手にとった。当時の神保町の様子などは興味深いもので、参考文献として挙げられている反町茂雄の著作も手にとってみようという気にさせられた。一方で、時代設定上やむなしと判断されたのか、著者自身の思想の反映なのかわからないが、日本スゴイ的な記述がプロローグからすでに充満しており、読みすすめるうちに無視しきれないほどに溢れかえり出し、GHQの将校らがまさに鬼のような人物像として描かれるのには閉口した。ひ孫は日本スゴイにとらわれずのびのび育ってほしい。
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久しぶりにミステリーを読んだ。神田古本まつりの前に読めてよかった。内容はやや右寄りな記述があったが、ストーリー自体は面白かった。
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神保町行ったことがないので是非一度は行ってみたいです。
読中、敗戦後はこれ以上のあれこれが起きていたんだろうな〜敗戦国になっても日本国、文化を守って頂いた先人方に思いを馳せながら読了。
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いやぁ、良かった。
なんだか後半は胸が熱くなってしまった。
望月不欠とは?芳松を殺したのは?貴重な古典籍をそんなにGHQに売ってどうなっちゃうの?
と謎が謎を呼ぶし、ドキドキわくわくした。
あの人が太宰治って!って驚きもあり、ラストまで本当に面白かった。
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途中から壮大な話になって、思想のぶつかり合いが強くなる部分を読み「あら?」と、ちょっと心配してしまった。
だけども読みやすく、謎に引かれてスラスラ読んでしまった。謎もあっさりと解決かと思いきや最後まで気が抜けなかった…
終戦から一年後の神保町
あるの書店主の死を、友人であり同業者の琴岡が追う。
古本ではなく「古典籍」と言うジャンルがあるんですね。日本の古典には詳しくなく有名な作品の名前を知っているくらいでしたが、話が壮大になり困惑しつつも古書店主達の矜持の熱さが沁みました。
こういう本を扱った話に弱い。
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ビブリア古書堂シリーズと『本を守ろうとする猫の話』を読んできた流れで、こちらも古書かしらと思い読みましたが、古典籍という別区分があるのですね、初めて知りました。
テンポよい展開で面白く思いましたが、巻末の対談で触れられていた、モデルとなった実在人物がいるという点、興味惹かれました。本を守ろうとする、というか文化を守ろうとする、という意気込みは混乱期にあった、のでしょうね、、
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定価のない本とはそういう意味か。なんとなく図書館で目についた本だったけど、歴史的な背景のわりに読みやすく面白かった。井上ひさしと似た感じかな。神保町はたまに仕事で行くけど、今度ゆっくり古本屋巡りでもしてみよう。
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推理小説読んでてこんなに熱くなることはない
戦後の日本人の「日本の文化」離れに悲しい気持ちと腹立たしい気持ちが生まれたけど、結局は再興したし、それに実際自分が戦後すぐの世で生きてたとして文化を守ろうって気になれるのかな...私も玲奈同様、果たして日本の文化を守った彼らと同じ「日本人」と自信を持って言えるか自問自答したくなる
フィクションでもこの琴岡庄司と神保町を初めとする日本中の古本屋店主の志はかっこいい
それと庄司がファイファーとの闘いの中で相手に同志意識を感じたところがやっぱり熱かった
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終戦から1年。神田神保町の古書店の主人が、本に押しつぶされて死んだ。彼は殺されのか。直木賞作家が描くミステリ。
こういう題材にはどうしても惹きつけられてしまう。ミステリなのだが、後半では、日本の「歴史と文化」を守るための戦いとなる。何やら右寄りの思想が来るのかと身構えたが、日本人の「心の原点」を守ると解した。
この本で、古書"Old Book"と古典籍”Antique Book”違いを知ることができた。また、太宰治がちょっとだけ登場するが、あまり意味がないような気がする。
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終戦から復興を遂げつつある古書街・神田神保町の一隅で、一人の古書店主が人知れずこの世を去る。同業者だった琴岡庄治は事後処理を引き受けるが・・・。書を愛するすべてのひとに贈る、著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。
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本にまつわるストーリー
想像していた時代とは違ったが、その時代の古書にまつわる歴史や神保町という町について知ることができた。この時代、治安の悪さがあるなか、主人公の行動が大胆で、こういう人が時代を作っていくんだろうなと思った。
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定価のない本、つまりは歴史的価値の高い、古典籍という、歴史研究に使うような文化財みたいな本のことだった。日本には歴史があるから変な自尊心があって駄目なんだ、歴史を奪ってまっさらにしてやらないと、という米国の考え。
ちょうど少し前に読んだ、加藤陽子著「それでも日本人は戦争を選んだ」でも話していたことだなと、内容を思い返しながら読んでいた。
日本の古典籍を片っ端から購入し、日本から奪うという米国。米国の金庫vs日本の古典籍という構図だったが、戦後の情勢による相場の変化は勿論だが、やはり日本の歴史の長さから、最初から結果は見えていたのではないかと思う。
太宰治が少し出てきたが、その役割は太宰治でなくてもよかったし、謎だった。ゲスト出演のような感じで、面白くはあったが。
メインは大量の本で圧死したのが自殺か他殺かなのだろうが、そこはあまり驚きはなく、やはり米軍との古典籍の商談のやりとりが1番面白かった。