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テレビのクイズ番組決勝戦の最後の問題を一文字も言わないうちから正解し、優勝。
この事実を対戦相手だった主人公が解き明かそうとする。
読み進めるうちに自分の過去、対戦相手の過去が出てきて、さらには「クイズとは」という本質を考え始める。
クイズとはただ知識を蓄えているだけては勝てない。そしてクイズに勝つのが目的なのか、クイズを何のためにしているのか、クイズで何をしたいのか。そこを考えているのかいないのか、また考えて次の行動にうつすのかうつさないかなのだと考えさせられた。
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4月末頃に図書館で予約したものが、この時期に順番がきてて、ほかの予約と重なって超忙しい。そのうちの1冊。
生放送のクイズ番組「Q-1グランプリ」
優勝者には1000万円の賞金が用意されていた。
ファイナリストは本庄絆と三島怜央(れお)。
早押しで7問先取したほうが勝者となる。
最終問題。問題文はひとことも読まれてないのに本庄はボタンを押して正解してしまう。
「ママ、クリーニング小野寺よ」
ヤラセではないのか、と憤る参加者たち。
三島は、ヤラセなのかそうでないのか、
独自に調べ始める。
三島がビデオやデータから、冷静に論理的に可能性を検証していくのが面白かった。
番組MCや視聴者が「すごい」と思うところと、
クイズプレイヤー達が「すごい」と思うところが
違ってるのが面白かった。
わかったと思って押すのではなく、わかりそうと思って押して、制限時間内に必死に糸を手繰り寄せて回答しているのは、私もクイズ番組を見るのでわかる。
でも、ほんの一文字から指す意味が分かれる、確定ポイントがあって、それを見極めているというのは、本当に彼らはすごいと思った。
また、問題をつくる人達もすごい緻密な作業をしてるんだなと知った。
たしかにこれは、ただ知識があるだけでは勝てないと思う。
この本に出てくるクイズ問題は、全部実在する本当のことらしい。
伊沢拓司さんやQuizKnockを参考にして書いたらしい。
クイズというものを、eスポーツと同じように、
確立した地位に押し上げたのは、伊沢さんや東大王の功績が大きいよなあと思う。
サクッと読めました。明日返却してこなきゃ。
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小川哲さんの作品は以前に何か(すいませんタイトルを忘れました)読もうとして途中で挫折したことがあり、この本はすらすら読めるけど一体何の話なのかと思いながら読みました。
三島玲央と本庄絆は第一回『Qー1グランプリ』でクイズのファイナリストを争います。
賞金は1千万円。
しかし、最終問題で三島の対戦相手の本庄は問題が読まれる前に解答ボタンを押して優勝してしまいました。
三島は本庄と出題者の坂田泰彦がグルでやらせをしていたと疑いをもち、真相を考えていきます。
これも、ミステリーなのかなと思いました。
最後に三島は本庄がなぜ問題が読まれる前に解答ができたのかを明らかにします。
最後、三島の頭の中に「問題」という声が聞こえます。
「ずばり、クイズとはなんでしょう」
三島は答えます。
「クイズとは人生である」。
そういう人もいるのだなと思いました。
さて、余談ですが。
本庄が最後に問題が読まれる前に答えた問題は
「Q 『ビューティフル、ビューティフル、ビューティフルライフ』の歌でお馴染み、天気予報番組『ぷちウェザー』の提供やユニークなローカルCMでも知られる、山形県を中心に四県に店舗を構えるクリーニングチェーンは何でしょう?A 『ママ、クリーニング小野寺よ』」でした。
個人的にこのCMは私の地元で流れているので、この作品全体に親しみをもつことができました。
結構、耳について離れないメロディーで、時々歌っていました。
ちなみに続きはこの作品には書いてありませんが「はやくて、きれいな、ママ、クリーニング小野寺よ」です。
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クイズ大会で問題が読み上げられる前に解答した本庄絆。なぜ彼は問題を聞かずに正答することができたのか?という魅力的過ぎる謎に、対戦者だった三島は調べ始める…。
なんだこの小説は。読んだことない部類だ。しかもフェアに答えが提示されるあざやかさ。
クイズを通して人生が問われる様に痺れさえ感じてしまった。急にクイズについて興味を持ってしまった。
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クイズに対する気持ち、その考え方、捉え方……クイズ番組で勝つということは努力の上に成り立ってるなぁと思った。イメージって自分で作る過程で、人がその通りに思ってくれたら成功なのかも。ミステリーかと思ったら、そうではなかったかな。
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普段からQuiz Knockの動画とか大好きで見てるんですけど、、クイズプレイヤーさんの思考凄すぎる。。。。あんな短い時間に、こんなことまで考えてるのか!!と思いました。
自分の人生で触れたものに関する問題が出る。正解する→ピンポン!となる!自分の人生を肯定される。この感覚ってなかなか他では味わえないですよねー!
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競技クイズの仕組みを分かりやすく学べました。クイズ番組を作る制作者の意図や、解答者の思考というのを初めて知ったので、これからクイズ番組を見る目が変わると思います。「確定ポイント」や「読ませ押し」などといった、クイズの特性と攻略法もストーリー上で知ることができるので、非常にためになります。
とても分かりやすくて面白かったのですが、帯分がかなり煽りすぎていたかな…という印象です。
まあ、それに騙されて読んだので結果良かったのかもしれませんが、物語根幹の謎解き部分はあまりハードルを上げすぎない方がいいかと思います。
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問題文が一切読まれていない段階、すなわちゼロ文字でなぜクイズに答えられたのか?
その答えを探す主人公の検討過程を通じて、クイズプレーヤーの思考の流れを少し覗き見ることができる、面白い作品でした。
クイズプレーヤーが取り組むクイズは「競技」なんだと改めて認識しました。
ミステリーだと思って読み始めましたが、読み終えてみると、青春小説だったような気もします。
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「0字早押し」の真相をたどり着くために、三島玲央は考えた。クイズについて、色々考えた。
さあ、君にとって、クイズはなんでしょう。
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王様のブランチで紹介されて、「新しさ」を求めていた僕は必然的に購入しました。
1,400円もした本を数時間で使い切る。
確かに今まで感じたことのない感覚。「クイズ」というジャンルでミステリーが完成してしまうという驚き。
現在の世界観すら取り入れられ、かつリアルで引き込まれました。
5点をつけなかったのは、期待が大きすぎただけで、読了直後に登録していなければ、5点を付けていたかも知れません。
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クイズが人生を変えた二人の戦いとその先のそれぞれの方向性の違いが生み出すクイズの回答戦術がこのクイズ大会の結果に繋がる。クイズに回答する人の経験、クイズを作る人の思い、そこから無回答のクイズは放送カットされ、完成されるエンターテイメントとしてのクイズ番組。それらを全て包括し回答者の人生がクイズの端緒とするストーリーに感心。最後に涙しようとしたが、それも裏切られる。最後まで痛快でした。
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てにをは1文字、しかも先読唇述で正解へたどり着く思考述なども驚くし、
謎解き哲学が散りばめられてている感じ。
背理法でクイズと人生の記憶を追って検証していく演出部分も面白い。
他人の思考の旅に付き合うのは楽しかった。
ラストの盛り上がりもいい。
TLや作品紹介で見知っていたけれど、やはり斬新で面白いし、ラストもある意味納得。
人が死なない謎解きなのも好きです。
小川哲さんのSFも読みたい!
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テレビに出演しているクイズプレイヤーが主人公の物語なんて思いつくだろうか。
しかも対戦相手に
一文字も問題が読まれないのに
回答して優勝を攫われる。
ストーリーはそこからはじまるのだ。
それは誰だってイカサマを疑いたくなる。
敗戦者はこの番組を一から見直していく。
何故こんな回答をしたのか。
クイズプレイヤーの頭の中の心理を描きながら。
小川哲さん、本当に凄い作家ですね。
こんなお話し、よく思いつきましたね、
一気読みしてしまいます。
別の作品も読みます。
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YouTubeでクイズノックさんのチャンネルを登録していたこともあり、本作に興味を持ちましたが、クイズを題材にした作品でこんなにも面白いものがあるとは思いませんでした!
設定はシンプルで「問題が読まれる前になぜ対戦相手は正解出来たのか?」を主人公が探るという設定です。
そしてクイズの成り行きを振り返る中で、主人公のクイズに対する思い、対戦相手の特徴などが浮き彫りになっていくといったお話なのですが、とにかく主人公のクイズに対する熱い思いが刺さりました!
また、このストーリーの展開の仕方が少しズルいなと思えるくらい読者を引き込む力があり、一度読み出したら一気に読まざるを得ないように感じました。
個人的には最後の問いに対する主人公の解答が印象的で、クサイ台詞ではあるけれど、スッと腑に落ちたような不思議な感覚がありました!
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Amazonの紹介より
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。 読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!
読み終わっても、早押しの音が鳴り響くくらい、クイズのオンパレードで面白かったです。
どことなく展開が、映画の「スラムドッグミリオネア」に似ている印象がありました。現在と過去を行き来しながら、2人で対戦したクイズ問題を振り返っていき、その奥に秘められた2人の過去を解き明かしていきます。
やらせなのか?といったミステリーの面白さもあるのですが、クイズにおける考え方や情熱などといったものも垣間見ることができました。
もはや職人芸を見ているようでした。そんなにまで、こだわりがあるんだと感心するばかりで、クイズの奥深さを知りました。
出題する問題も登場し、「へーそうなんだ」といった豆知識を得られるのですが、多分一週間後には忘れているような内容ばかりで、正直あまり頭には入ってはいないのですが、雰囲気だけでも味わえたので、面白かったです。
ミステリーとしては、「うーん、どうだろう・・・、偶然すぎない?」といったモヤモヤ感はあったのですが、これはこれとして、一応解決したので、スッキリ感はありました。
クイズの奥深さやエンタメを交えての作品は、初めてでしたが、新鮮味があって面白かったです。