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100年以上前に生きて戦った、金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダーという3人の女性に関しての伝記。雑誌の連載を単行本化したもの。3人の物語が交互に書かれ進んでいくので、話の筋を追いかけるのが少し大変。なかなか壮絶な物語なのであるが、残念ながら3人ともに知らない女性であり、心を寄り添わせることは難しかった。
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金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー、壮絶な生き方をした三人の女性たち。でも、獄中で死んだのは金子文子だけ。自死とされているが、それも確証はない。最期の3ヶ月の文章は残されていないらしい。やはり国家に殺されたようなもんだ。金子文子関係をもっと読んでみようっと。
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3人とも初めて知った女性。いまの女性の権利があるのも力で戦う勇気のあった女性たちの努力があってなんだなぁと実感。
金子文子は私より年下の23歳で自殺?らしいが、若いのに強すぎる。尊敬。
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「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がとても面白かったので、ブレイディみかこさんの著書のものを図書館で探して読んでみました。女性の権利のために戦った三人の女性について、彼女らしい視点、論調で綴られています。この本を手にしなければ三人のことを知ることはなかったと思うので、よい機会になりました。
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金子文子も、エミリー・デイヴィソンもマーガレット・スキニダーも知らなかった。金子文子は瀬戸内寂聴の小説でも出てくるそうな。エミリー・デイヴィソンは女性の参政権を求めて活動したサフラジェットの人で、ダービーでイギリス王の持ち馬の前に立って死んだという。そこに至る過程も、その知的印象に対して行動が過激でマッド・エミリーとの異名があったとか。だけど読んでいくと、マッドなのはエミリーではなく、そのまわり、特に男社会の対応にあったのではないか、とも思う。マーガレット・スキニダーはスコットランド人でありながら、アイルランドの過酷な状況に怒り、独立運動に参加した狙撃の名手だった。いずれも世界史の教科書には出てこないし、近現代史でもなかなかトピックス以上の存在感はないだろう。ただ、そういう人たちがいたというのは、何か考え込むところがあるなぁ。
そういえば先日読んだ政治家の本棚、なかで小泉元首相は、戦争になることを思えば、不満なんて言っていられない、なんだってがまんできる、と述べており、佐藤優、池上彰からたとえが極端だ、と批判されていたっけ。
本書を読んで、この女性たちのことを思えば、現代を生きる不安に対して不満を言うことはできない、とまず感じた。ただ同時にそれは、なんでもがまんできる、ではないのだ。まだなにか考えられること、行動できることがあるのではないか、と思えたのだ。絶望的な環境の中で、それでも自分の生きる道を求め、行動したのが彼女たちだったわけだからね。
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究極に自立?自律?していた金子文子の記録です。
他にあと2人、武闘派サフラジェット、エミリー・デイヴィソンと
イースター蜂起のスナイパー、マーガレット・スキニダーが出てきますが、
もう金子文子しか心に残らなかったです。
彼女が死なないでいたら、どんな仕事を残しただろう。
少なくとも今よりは、日本の女性の地位はマシだったんじゃないか。
男に従属するようなことは、無くなってたんじゃないか。
もっと彼女のことを知りたい、と思った。
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主に女性の選挙権もしくは参政権についての話
先人達がどのような苦労を乗り越えて
それを手に入れたのかがわかる本
女性である自分に繋がるお話
これを読んだら、なんとなく投票しない
なんて事はできない
選挙では必ず投票してきたが
選挙券を握りしめる手の力がより強くなる
金子文子について知りたい人にも、おすすめ
しかし、少々痛々しい表現も含まれているので
注意が必要です
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金子文子を中心にした話。両手にトカレフ、を読んだあとにこちらも手に取った。
書きっぷりが面白く、重いテーマにかかわらず最後まで楽しみつつ読めた。
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金子文子、エミリー・ディヴィソン、マーガレット・スキニダー、3人の女たちの生き様。
破壊力のある文章でえがかれた、まさに生き様。
章末の文章のキーワードが、次の章の初めに生かされていて、別の人の話なのに、まるで一つの話であるかのようだった。
エミリーが、馬のレースに飛び込んだ時の衝撃は、すごかった。それまでも壮絶な留置所生活を、送っていて、それでも立ち上がり前に向かう姿は、エネルギーそのものだと思った。
しかし、時代とはいえ昔の人はえげつないなと感じてしまった。このような時代を経て今の世界が存在する。今の私たちも未来のために、正しいことは正しいと思って生きていきたいと思った。
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100年前のパンクス。
金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー
3人が国を越えて共鳴しているような展開にワクワクしてくる。
そして、その呼びかけに時代を越えて誘われた著者のエッセンスも相まって、一世紀以上前の不条理や理不尽と戦い、自身の存在意義を示し通した女性たちの歴史を知れただけでなく、現代にも、現代だからこそ良くも悪くも響くことがたくさんあった。
【本文抜粋】
”金子文子の凄みは、書物で学ばなくとも、誰かにイデオロギーを教わらなくとも、経験と心情を通して思想を肉体で読解していくところだ。思想はストリートに落ちている。”
”道徳とは、強者が弱者を支配するためのツールであり、支配する階級とされる階級を固定させ、維持していくための「階級道徳」なのだということを文子は見抜いていた”
”「民衆のために」と言って社会主義は動乱を起すであろう。民衆は自分達のために起ってくれた人々と共に起って生死を共にするだろう。そして社会に一つの変革が来たったとき、ああその時民主は果して何を得るであろうか。
指導者は権力を握るであろう。その権力によって新しい世界の秩序を建てるであろう。そして民衆は再びその権力の奴隷とならなければならないのだ。しからば、××とは何だ。それはただ一つの権力に代えるに他の権力をもってすることにすぎないではないか。”
”差別に反対するからといってマイノリティを上に置いてマジョリティより尊重すべきものとして扱わない代わりに、劣るとも見なさない。そもそも、マイノリティをマイノリティであるというだけでリスペクトするというのが「同情」という見下した態度なのであり、そんな人を馬鹿にしたようなことは私はしない。”
”平等を語るとき、人は「マイノリティ差別はいけません」とか、「貧しい人々を救いましょう」とか言って、人の下に人がいる状態は正しくないのだと説く。それなのにいつまでたっても人の下に人がいる。なぜだろう。
それは人の上に人がいるからだ。”
”DIY(DO IT YOURSELFー自分でそれをやってみな)というのはパンクのコンセプトだが、文子の場合はそれどころか、思想をLIY(LIVE IT YOURSELFー自分でそれを生きてみな)する人なのだ。彼女は思想にかぶれたのではない。生きてきたのだ。
”この人は、思想を体から乖離させて机上に置ける人ではなかった。思想を本で読んだのではなく、体で獲得した人だからだ。思想は体であり、体が思想だった。転向が思想を殺すことなら、そのとき体も死ぬ。思想だけを殺せると思っていた当局が間違っていたのだ。”
3人の言葉であっても、著者の表現であっても、「思想はストリートに落ちている」、「マテリアル・ババア」、「ブルドッグ」、「LIY」など、言語感覚がとても鮮烈で、バッグボーンがあった上での言葉の魅力と威力を見せつけられた。
著者の他の作品で興味を持った金子文子含め、学校の授業では学べない人物たちに出会えた。フィクションではあるけれども『同志少女よ、敵を撃て』のように、日本で育ったら受け身では知れない史実や人物を学んでいきたくなった。
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英国支配からの独立のため、女性参政権のため、自分自身を生きるため。日英愛。壮絶に生き、そして戦った100年前の女性たち。恩赦・釈放・帰国許可。当時の社会もそれなりに寛容だった。しかし、彼女たちはそれでよしとしなかった。3つの物語は交互に進む。歴史上無関係な出来事が近づいていく。願いは成就しなかった。イースター蜂起は失敗し、女性参政権はサフラジェットでは叶わず戦争がもたらした。金子文子は23歳で逝く。忖度しない、先の展開を憂いしない。無謀な自己犠牲は直情の赴くまま。「生き物の死にざま」は後生を残すために。
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読み終わった後
表紙の花に囲まれた少女が
金子文子さんなのだ
と しみじみ 見つめてしまいました
そして
帯文の「生きる主権は我にありー百年前にあった未来」
の一文を なぁるほどなぁ
と しみじみ 考えさせらました
少し前のイギリスの映画「未来を花束にして」(2015年)を当然のことながら思い起こしていました
そして、
金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー、の三人を こういう形で紡ぎ合わせて
綴っていく ブレディみかこさん に
あらためて たいしたものだなぁ
と 思いました
ちなみに
いま 並行して
「アレクシェーヴィチとの対話」を読んでいるのですが
なにか
「このままじゃ いかんだろう!」
「いつまで おなじ愚かなことを 続けているのか!」
という様な共通している「憤り」「思考」を
感じてしまいます。
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アナーキストの金子文子と、フランジェットのエミリー・デイヴィソンと、アイルランド独立運動のマーガレット・スキニダーの人生の再構築。
立ち上がって声を上げ続けなければ、簡単にかき消されてしまう。女たちの立場はそれほどまでに不安定で、かぼそいものだった。100年経って、幾分か安定したものにはなってきたけれど、それでもまだ達成されていない部分は多分にある。わたしたちは1人の人間として自立し、自分の意思で生きていくことを常に発信していかないといけないね。
女性である自分のために動かなければならないと思っているけれど、ここにでてくる女性たちの怒りが凄まじくて慄いてしまった。それはわたしか酒井順子がいうところの「幸運」に憧れる時代の女性だから?なにかを変えるためには大きなパワーが必要で、それの一番の原動力となるのは怒りなんだと思う。100年前の激しい怒りの炎を見ていると、怖くなってしまった。