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【積ん読その○】*ネタバレなし
読了しました。
■なぜ手に取ったのか
私は自治体の教育委員会の職員ではありません。
地元の自治体の「学校教育審議会」の審議委員に就任しました。
「学校」、「教育」とは何か?っとよく考えるようになりました。
審議委員として発言や思考するにあたり学校教育制度、教育委員会など
の仕組みを知りたくて手にした本です。
■何が語られていたのか
書名のタイトルどおり、教育委員会の職員になったら、まずは読んでおいた
方がいいなーっと思う内容でした。
一般行政とは異なり、これまでの歴史から特殊な仕組み化がなされており、
とても複雑な組織であるため、このような本の必要性に納得しました。
教育委員会は、各自治体ごとに一般行政部門と異なり少人数で編成され、
行政職や、教師など様々な背景をもった職員が配置転換で来る方が多く、
すなわち教育の「行政」には疎い方が多くおられるようです。
しかし、その業務は広範なものであり日々、業務に追われるなか、
根本的ななぜこの仕事はこうなのか?っということも考える暇がないのだろう
と思います
著者は、そんな多忙な教育委員会の職員に対して、丁寧にかつ分かりやすく
語らえていました。
私みたいに職員でなくても、
「学校教育の行政」についてとてもよく理解出来ました。
■何を学んだのか
「学校」がこのように成り立っているのかと、驚くことばかりです
・レイマンコントロール → あえて専門家ではない市民をかかわらせる
・会社のように中期経営計画がある → 教育大綱、教育振興計画
・市長は学校の先生を処分できない → 先生の多くは県から派遣されている
・先生は超過勤務概念が特殊 → 自己研鑽という名のただ働きが合法的にある
・教育委員会は契約を締結できない → 原則、市長の権限
・「私会計」という金銭管理が認められている → 給食費など
・いじめは隠蔽されやすい構造 → ガバナンスが充足しているとは言い難い
学校を形作っている制度やこれまでの歴史や経緯を知ることで、
憲法で保障されている義務教育を遍く国民に浸透させるシステムとして
強靭なことや、あまりにも現場に即しいないことも多くあることを学びました。
■どう活かすのか
審議委員として、「学校教育委員会」がどのように考えており、なでそういった
発言になるのかが分かった気持ちになりました。
ただ、審議委員として、現行制度の矛盾や足りないと思うところも多々あり、
今後ロジカルに話すうえでの考え方を得ました。
■どんな人にお勧めなのか
学校とは何かと考える人、学校教育の自治体職員、PTA関係者、学校の先生、
教育委員会の職員にお勧めの本です。