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ことの発端はブラックベリーだった。高い塀の向こうの隣家の庭に、パイを作るのに絶好のブラックベリーの実がなっていたのだ。ケイは罪悪感を覚えながら、売り家の札が立つ隣家の敷地に入った。ところが入ってみると、すさまじいほどに庭が荒れている。聞いた話では、屋敷の持ち主ドミニク・レイヴンスカーは園芸好きな妻の死後、決してここに足を踏み入れなかったという。会ったこともない他人の家とはいえ、あまりに悲惨なありさまに、庭師であるケイは我慢できずに、伸びた雑草を取り除こうとした。すると一人の男性が屋敷の中から現れ、彼女に近づいた。「サラ…」彼はケイを見つめ、いきなりキスをした。この人はドミニクだわ。私を亡き妻と間違っている。
ヒロインの過去にヒーローの過去、決して消せない過去から、いかに立ち直っていくかが焦点。やはり母は強のヒロインはしっかりしている。ヒロインを助けた夫妻の存在は、含みがあるわりにそれだけで終わってしまって残念。