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気が重いクレーム対応を、有意義なものに変えることができることがわかる本です。
クレーム対応、時間もかかることが多くて大変ですし、気が重くなります。
でも、実はクレームは「期待の裏返し」、相手がこちらに期待しているからこそ、それを満たされたいと感じて起こります。
対応の中で顧客の課題の本質を見抜き、対応していければ、今より良質な価値を提供でき、顧客満足度が高まることもあります。
顧客と接する機会のあるビジネスパーソンにとって、顧客対応時の新たな気付きが得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「初期対応で大事なのは、まずは共感することで『心情問題の解決』をすることに尽きる。まずは『顧客が最も残念に感じるに至ったキーワード』を探し、即座に『残念・怒り』の状態にある気持ちに共感すると、顧客の心理的負担が軽くなる。」
「中盤対応のメインは『聴くこと』。『心に寄り添う態度』が非常に重要。根底は、顧客の『心理的安全性の欲求』を満たす。顧客の一言一言に丁寧にうなずきや相槌など反応する『リアクション』と、声のトーン、話のペースなどを顧客の感情に合わせる『ページング』が使える。」
「中盤まではお詫び、共感、聴くなどクールな対応が多いが、終盤のポイントは、『これまでの話の要約』と、『熱意を持って話す』こと。相手は疲れてきているので、歯切れよく、短時間で提案したい。『一緒に解決』という意気込みが+されれば、頼りがいのある印象になる。」
→テクニックも多く書かれており参考になりますが、一番勉強になると感じたのは、初期・中盤・終盤の流れと、それぞれでのポイントの違いがあるという点です。クレーム対応以外のコミュニケーションの場面でも、使える考え方なのではと思います。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
○クレーム対応の基本&大原則
・クレームの構造が以前より複雑化している。ほしいものが何でもすぐ手に入り、利便性が増したことで、顧客の期待値も上がっている。さらに顧客が発信手段を多く持っており、スマホやメール、SNSなどを使って、いつでもどこでもクレームを寄せられるようになった。
・そもそもクレームが起こるのは、顧客が期待を寄せているから。クレームは、「助けて欲しい」「自分を良くして欲しい」といった、顧客のSOSのサイン。クレーム対応で何よりも大事なのは、解決策を探すことではなく、発生原因を知ること。
・クレームの原因を深掘りすると、こちらの傷を深めるというイメージがあっても、「ちなみに、どのようなお困りの点がございましたでしょうか?」と一歩踏み出してみて、「どのような願望があるのか?」を把握すると、関係が継続することもある。
○クレーム対応を成功に導く「初期対応」のツボ
・クレーム対応こそが、顧客の課題の本質を見抜ける仕事。だからこそ、初期対応を侮らないようにする。「クレーム対応は上流の仕事、頭と心の両方が鍛えられる非常にクリエイティブな仕事」とマインドセットし、ふだん以上に丁寧に対応すると、��静さも身につく。
・初期対応で大事なのは、まずは共感することで「心情問題の解決」をすることに尽きる。まずは「顧客が最も残念に感じるに至ったキーワード」を探し、即座に「残念・怒り」の状態にある気持ちに共感すると、顧客の心理的負担が軽くなる。
・自社に落ち度がないクレームが寄せられた時、最も大切なのは「顧客を攻撃しない」こと。責任回避の言動は控え、まずは「勘違いに至った経緯」を丁寧に確認し、「小さいイエス」を積み重ね、顧客が我に返り、冷静になる瞬間が訪れるよう誘導する。共感のスタンスは必須。
○どんな逆境も切り抜けられる「中盤対応」の必須スキル
・中盤対応のメインは「聴くこと」。「心に寄り添う態度」が非常に重要。根底は、顧客の「心理的安全性の欲求」を満たす。顧客の一言一言に丁寧にうなずきや相槌など反応する「リアクション」と、声のトーン、話のペースなどを顧客の感情に合わせる「ページング」が使える。
・クレーム対応の経験が積み重なってきたときほど、「主役は顧客」であることを思い出す。まずは「聴いてもらってスッキリした」と思ってもらえることをゴールイメージにし、「話させ上手」になる。顧客を信じて話を聴くとよい。
・顧客が話をした時系列を守って話を進めると、顧客が違和感を抱くリスクを低減でき、「話を丁寧に聴き、きちんと理解してくれている」という印象も与える。記憶は完璧でないので、メモをとる。メモをとる行為自体が、話を聴いているというメッセージになることもある。
・クレームに至った経緯を確認する。細かくヒアリングすると、最悪のケースを避けられる場合もあるし、顧客の不安や要求の背景が見えてくる。「自分が会社の顔、代表だ」という意識で聴くと、怖気づくことなく、親身な対応が実現できるようになる。
・「本当のところ」はどうなのか、を深掘りしておくと、クレームの拡大を未然に防げる。言葉尻だけで「大して怒っていない」「それほどお困りでない」など軽く捉えるのは禁物。共感のあいづちを示しつつ、詳細に話を引き出し、感謝の言葉で締めくくれば、信頼を得やすい。
・顧客を「悪者扱い」しがちだが、顧客からも悪者扱いされるデメリットがある。言動や対応を控えめにするよう心がけ、「謙遜姿勢」に徹すれば、顧客が悪者にならないので、対立構造を招かないで済む。
・場所、担当者、時間の3つのシチュエーションを変更することで、顧客の怒りが激しいクレームが解決に向かうことがある。顧客だけでなく、自身も落ち着かせることが大事。
・顧客の発した言葉を繰り返す「フィードバックスキル」があると、顧客の立場や気持ちが尊重され、安心感が手に入る。言葉の繰り返し+お詫び、会話の要約+お詫び、真意の明確化+お詫びの3つの対応がある。
○スムーズに主導権を握れる「終盤対応」のテクニック
・中盤まではお詫び、共感、聴くなどクールな対応が多いが、終盤のポイントは、「これまでの話の要約」と、「熱意を持って話す」こと。相手は疲れてきているので、歯切れよく、短時間で提案したい。「一緒に解決」という意気込みが+されれば、頼りがいのある印象になる。
・名前がわかっているなら、まずは「○○さま」と個人名で呼ぶ��が鉄則。相手も心理的に不用意なことをしにくい。個人名から過去の履歴を探し、お得意様であることを印象づけるように感謝の気持ちを伝えたい。
・感謝でお別れの言葉を結ぶ。ゴールイメージは、またこの会社、商品を使いたいなどの「プラスのモチベーション」を持ってもらうこと。次のセールスの布石にしたい。
・成長する人は、対応テクニックの習得や経験と同じくらい、試行錯誤しながら社会情勢や潮流の変化に対処することが重要だと考えている。顧客に合わせ、何ができるか最善の方法を見つけ出そうと心がけたい。そのためには、知らないことを謙虚に学ぶ姿勢が大事。
○対応のルール
・基本的にクレーム対応では、若く思われると「経験が浅い」と判断されメリットはない。声のトーンと話すスピードを下げた話し方で、「相手を落ち着かせる声」を意識したい。一方で、最後まで熱意を持って対応しないと、問題解決の熱意が足りないと思われることもある。
・電話対応では口や舌を動かしたときの雑音である「リップノイズ」に気をつけたい。適宜の水分補給、リップクリームの常備などで対応したい。電話口で吐く息、鼻息も、クレームを悪化させることがある。
・「メールは公文書と同じ」という意識で、上司や先輩に内容や宛先などを確認したい。クレームメールを受信したら、類似顧客について調べ、解決の糸口を掴んでおく。返信を24時間待てない人は調査の7割近いので、できるたけ早く返信し「部分謝罪」を行い、調べてあらためて連絡するとまずは伝える。
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対面&非対面、どんな難題もスッキリ解決 一生使える「クレーム対応」の教科書。山本 幸美先生の著書。クレーム対応をさせられるとクレーマーからのカスハラ被害者の被害者意識ばかり持ってしまいがち。自分の自分勝手でわがままな言動を後になって反省することだってある。もしかして自分がクレーマーカスハラしているかもしれない。自分がクレーマーカスハラしないためにも学べる良書。
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クレーム対応がとても苦手なので読んでみた。
普段、クレームを言われると、「毎日ヘトヘトになるまで精一杯やってるのに、そんなこと言わないで」と自己防衛に走ってしまう。
「自分は仕事ができて、忙しい」と勘違いし、相手を見下している節があるかもしれない
相手を悪者扱いすることは、相手からも悪者扱いされることであり、不要な対立構造を招くことになる。
そうならないためには、謙遜姿勢に徹し、言動や態度を控えめにするよう心がけよう
また、クレーム対応で肝になるのが共感力や傾聴力だと思う
それらが大事だということは、何となく以前から分かっていたが、知っているだけではできないので、その辺りも今度本を読んでみたいと思う
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会社にクレーム電話がなった時に取りたくないなと思っていましたが、この本を読んで、答え方や誘導の仕方などの手法を学ぶことができました。具体的なフレーズで複数列挙しているところも勉強になりました。日々の鍛錬がなければ難しいと思いますが、心に留めておこうと思います。