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住人がお互いを意識上から見ないようにしている都市のお話。
日本人なら安倍晴明や「詠み人知らず」を想起するだろう。
日本の王朝時代なら特に珍しい現象ではないが、イギリスの作家が書いたということは、欧米にも似たようなことが過去にあったのか?
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警察ミステリー部分はあまり好みではないけど、それを差し引いてもすごい小説だと思う。この終わり方、なんかメン・イン・ブラックに似てるような…(笑)
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モザイク状に入り組んだ二つの都市で発生した
不可解な殺人事件を捜査する刑事は――
ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞、ローカス賞、クラーク賞、英国SF協会賞―
序盤から、所謂「姑獲鳥の夏」のトリックが2つの都市を覆っているという奇妙な設定であることが明かされ、
そこで起きる殺人事件をある刑事が追っていくというものですが、
自分の読解力・想像力が足りず、終始楽しむことができませんでした。
「またいつか」という心境です。
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夏目漱石の「二個の者がsame spaceヲoccupyスル訳には行かぬ甲が乙を追ひ払ふか、乙が甲をはき除けるか二法あるのみぢや」という断片を思い起こした。
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ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞長篇部門など多くの賞を受賞したらしい。同一の地理的空間を二つの国が共有しそれぞれの国の人がお互いに相手の国や人を見ないで生活するという状況で発生する殺人事件の謎を解く刑事。設定が突飛で読むのに多少苦労した。
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重なり合った二つの都市ベジェルとウル・コーマで、全く接触せずに暮らす両国の人々。接触は<ブリーチ>行為と見なされ違反すれば恐ろしいことになる…そんな場所で国を越えた殺人事件が起こる。とても魅力的な設定なのでもっと細部まで詳しく書いて欲しかった。人物の描写、<ブリーチ>とは?先駆時代とは?もっと知りたい事がたくさんあったのに解らず終いで少し消化不良気味。面白かったが故の不満ですが。
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同じ場所に、二つの国が重なり合った不思議な都市と都市の話。
設定をまず掴むのが難しい。
でも、面白い!!
この特異な二つの国を利用した犯罪を追う刑事が主人公。
なかなかのハードボイルド。
結末は微妙。
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チャイナ・ミエヴィル「都市と都市」、変な作品だなぁ。好みのタイプの作品。まだ前半までしか読んでいないけれど。続きを読むのが楽しみ。
第三部に入り、ついに話が終盤に。この頭のおかしい世界観が凄く楽しいし、その裏にある都市の「謎」も気になってグイグイ読まされてしまう。面白いわー。
読了。一人称の語りで警官が事件を捜査するミステリ作品。が、このメインとなるはずの捜査が、「ベジェル」と「ウル・コーマ」という二つの都市の珍妙な設定を際だたせるための手段にもなっている。
そしてこの二つの都市の設定の面白さと、その奥に潜む謎を追っていく展開に引き込まれて、ページを繰る手が止まらないのだ。ミステリ的などんでん返しは都市設定の謎についてのどんでん返しにもなっていて、いろんな面でうまいなぁと。
珍妙な二つの都市の設定が、妙にリアルに思えてきて、それが読んでいて楽しいのよね。いい意味で「変」な小説で、個人的には大好物でした。…短編集の「ジェイクをさがして」も買ってきちゃったw
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世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞など5冠(!)獲得の作品。受賞した賞からも想像できるように、なかなか不思議な世界観だ。
独特な緊張関係にある二つの都市の間で、殺人事件が起こる。ボルル警部補は事件の捜査で<ベジェル>からもう一つの都市<ウル・コーマ>へ。このあたりから、がぜん面白くなる。
<ブリーチ>(謎の組織)とのからみで「おれは刑事だ」とボルルが言うシーンでは「えー!ボルルってばこんなにカッコよかったっけ!?」と、テンション上がった♪
SF(ファンタジー?)的設定でありながら、殺人事件の謎解きもきちんとされており、ミステリ小説として読んでも十分楽しめる。
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冷戦時代のベルリンのように、2つに分断された都市。
それぞれの都市は互いに複雑に入り組んでいるのだけど、境界を示す明確な壁はない。その代わりに、それぞれの住民は、相手側の都市とその住民を「見ない」ように訓練されているため、すぐとなりにある建物やすぐそばを通る車ですら視界から消す事に慣れてしまっている。そんな世界。
そこで二国間で起こった殺人事件をめぐるミステリとして物語が展開する。
ミステリとしても面白いし、幻想的な着想を裏付ける2つの都市国家の歴史についての想像も丁寧にされていてファンタジーとしても面白い。
主人公の事件を探る警部は都市を行き来するので、場所によって組む(というか組まされる)相棒がころころ変わるのだけど、なぜかみんな結果的にいいやつ。
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独立した2つの国家が混ざり合った都市、という設定が独創的で引きこまれたが、ミステリの部分がいまいち魅力に欠けた。
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登場人物は大真面目なんですが、バカSF…なんじゃないかと思います(プリーストの『逆転世界』がそうだというのと同じ意味で)。「ベジェル」と「ウル・コーマ」という2つの都市国家が物語の舞台。この2都市がまったく同じ場所にあるというのが話のミソです。
同じ場所にあるわけですから、道ではそれぞれの国民がすれちがったりしますし、位置的には隣にある家が異なる国のものだったりします。それをベジェル人はベジェルのものだけ、ウル・コーマ人はウル・コーマのものだけを見て、もう一方は徹底的に見えないフリをして生活しているという、なんとも奇妙な制度/習慣が描かれています。もしベジェル人がすぐ隣にあるウル・コーマ領の家を訪れる必要が生じたときには、入出国を管理している施設を訪れて所定の手続きをとり、改めてウル・コーマのものだけを見て(見えているはずの自分の家は見えないことにして)隣家を訪ねるという、外国人から見たらバカバカしいにもほどがある手順を踏まないとなりません。もしそういった手順を破る行為――<ブリーチ>と呼ばれる――があったときは、これも「ブリーチ」という名の謎の組織が現れて、破った人が外国人なら問答無用で国外退去、二国人なら…消されてしまうわけです。
そんなトンデモ都市で殺人事件が発生。被害者は外国人の女性研究者で、ウル・コーマで殺されベジェルに死体を遺棄されたらしい。捜査にあたったベジェル人のボルル警部補は、被害者がかつて研究していた都市伝説「オルツェニー」が事件のカギを握っていることを知らされる。オルツェニーはベジェルとウル・コーマの間に隠れているとされる「見えない」都市のこと。カルト的な支持者はいるものの一般にはトンデモ説と扱われているのだが…。早々に<ブリーチ>事案として手放してしまうつもりだったボルルは不本意ながらも事件を追うことになる。
形としてはミステリなんですが、殺人事件の謎自体よりベジェルとウル・コーマが互いを「見ない」ための数々の習慣やそうしてきた歴史の描写が読みどころです。いちいち細かく見ていけばツッコミどころはいくらでもありそうなんですが、発想と描写の力には脱帽。
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「べジェル」と「ウル・コーマ」という、地理的には複雑に絡み合っているものの双方の国のものを<見ない>ようにすることで社会的に隔てられた2つの都市に関する物語。SFだと思って読み始めたがSF色は少なく、むしろ世界観のしっかりしたミステリ小説と言っていい。独特の世界観なので最初は戸惑うが、少し理解してくる頃に徐々に面白くなってくる。ストーリー自体は地味で派手さはないが、読み応えのある一冊。
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カート・ウ゛ォネガット・ジュニアと椎名誠が好きならはまる作家と思う。その二人と映画MIBを足して割ったような作品。
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難しい!まずこの複雑な設定の舞台を想像するのが難しいな!「裸の王様を国家レベルでやってのけるようなもの」と解説で大森望さんが言っていた、その通りだと感じました。よくこれだけの作品に仕立て上げたなあ、と感心、いや畏敬の念さえ覚えます。コルヴィと主人公の関係が大好きです、あとダットと徐々に仲が深まるところも。