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投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の最期は、主人公の心の葛藤があぶり出されて、主人公がその決断をするまでの迷いと悩みが、よく理解できた。
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都会の片隅でひっそりと暮らすひとりの女。何かから逃れるように、孤独な日々を送る。パチンコ景品交換所、連れ込み宿の清掃、訪問介護の現場。仕事を転々とする彼女にも、かつて幸せな暮らしがあった。充実した日々は、ある違和感から少しずつ壊れていく。そして、ついにある事件を発端に、彼女の人生は破滅するーー。衝撃の問題作。
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なんとも報われない物語だったけど
こういうこと、ありますね、
多かれ少なかれ。という感じ。
時間軸がよく動くけど
アスタリスクで分かりやすい。
興味をひく書き方で面白い。
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2022/12/16予約 8
考えたことのない悩みを持つ母親の話だった。
何から逃れているのかわからない、仕事も住まいも転々とする51歳の女性。
人目につかない仕事を選び、いつでもすぐに引っ越しできる環境に、自分を置いている。
幼い頃から、自分の息子はなにか違う、自分にしかわからない異常性を感じていた。
だから、事件が起きたとき、息子だ、と思ってしまう。
それほどまで信じることのできない息子が出所するとき、親は引受人にならなければいけないのか。
息子の犯した罪から逃れるのではなく、自分の息子と一緒にいることから逃れたい。
何を言っても響かない。
伝わらない。
こんな悲しいことがあるのだろうか。
そしてそんな息子を産み育てたのは、自分だということ。
この母にとって、育てたように子は育つ、と言われるのはどんなにか辛かっただろう。きちんと育てた。
それでも、こういう人間もいる。
夫は亡くなりました…
と話している。
実際は、夫は実の息子に殺されている。
最後に母親である麻里は、息子である岳に苦渋の決断をする。残念ながらこういうどうにもならない人間もいる、と言う考えの医師がいる施設、実在するのかわからないが、経済力があれば、岳は、そこに入るべき人間なのだろう。
麻里は母親を降りてもいい。
でもこのあと、麻里が死んだときは、どうなるのか、気になった。
息をつめて、どころか、息をできないくらい緊張して読んだ。
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うーん、結局何が言いたかったのだろう。
(ある理由で)仕事と住処を転々とする麻里。
その理由は・・・
【ネタバレ⚠️あり】
子どもは親の所有物ではないし親の思う通りには
生きてくれない。
勿論そうだ。
もし子どもが犯罪加害者になったら親はどう
すればいいのか?
麻里の決断は納得できる。
でも正直この本から得たものは何も無かった。
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人目を忍んでひっそりと暮らす女。
働く先で警察沙汰が起こると即刻辞めて、住居も変える。
極端に少ない荷物で場所を変え、勤め先でも喋らずに孤独で単調な日々を送る。
過去に何かあったのだろうと想像しながら読み進める。
何故なのか…理由がわかったときにこれはどうしようもない誰にも言えないことだと感じて辛くなった。
自分を否定したくなるような気持ち、と言った方がいいのだろうか。
生きていく限り、ずっと気になり続けることで、だけど自分の思うようにはできないし、存在が恐怖だと感じることに嫌悪しながら隠すことすら限界を感じている。
母親を降りたい。
その思い、痛いほど感じた。
まさしくタイトルどうり、息をつめて。
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切なかった。
逃げるようにこそこそ生活する母親。
惣菜屋さんのご家族と仲良くずっと働けたらよかったのに。。としみじみ思った。
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主人公の土屋麻里は、人目を避けるようにひっそりと生きている。仕事も、居住地も転々とし、素性がばれそうになるとたちまち消えてしまう。
彼女が隠そうとしているのはなんなのか? この疑問は半ばまで明かされず、読者は想像をふくらませるしかない。そして謎が明らかになってから、物語は別物に変わる。この転換はなかなか見事で、こちらの意識もそれに対応して解決策を探そうとする。彼女が選んだのはなんの伏線もない隠し玉のようなもので、いささかアンフェアに思えた。
これまでに読んだ桂さんの作品(『たそがれダンサーズ』以降)とは異なり緊張感の強い作品だったので、“息をつめて”読んだ。
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一気読みさせられたのは、主人公の麻里が身元がばれそうになると、たちどころに住まいを変え、それまでの仕事を止めあらたな仕事を探すことを頻繁に繰り返しているからだった。引っ越しの手際も良い。目立たないよう、誰とも親しくならないようにと心を配って生活をしている。理由はDVの元夫、それとも借金取り、まさか麻里が罪を犯したのかと推測するが、今まで読んできた訳ありとは少し違うような気がするのだ。章を追うごとに彼女の背景があぶり出されてきて、真実はと先を急ぎたくなった。
随分前にテレビ番組でアメリカの犯罪学者が出演して「犯罪を繰り返す人の脳を研究したところ、脳に機能的な疾患が見られた」と話していたのが思い出される。ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、麻里の最後の決断を責めることはできない。でも、解決法は本当にこれしかないのだろうか? 今でも気になっている。
麻里が異なる場所や仕事先で出会った人々も興味深かった。特に麻里がヘルパーとして訪れた数名の高齢者らとの接触や会話は意義深い。彼女が決断を下す伏線ともなり現実を抉り出していると思う。
※桂望実さんは2作目だったが、「結婚させる家」https://booklog.jp/users/lemontea393?keyword=%E7%B5%90%E5%A9%9A%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E5%AE%B6&display=frontの視点も面白かった。
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ああ...。絶句。無表情で読み切ったが心は泣き崩れた。真面目で誠実な性格で、どの職場でも信頼を得る51歳の麻里。なのにふとしたことですぐに行方をくらまし逃亡生活を続ける。何が彼女をそうさせるのか。後ろ暗いことがあるのは歴然だが、その理由は根が深い。回想シーンが頻繁にあり、個人的には苦手な構成にもかかわらずこの作品では非常に効果的。それにしても「自分の子どもが怖い」「自分の子どもが信用できない」という親の気持ちは如何ばかりか。子どもがいない私でも胸が潰れそう。壮絶な話だったが桂作品、過去イチで面白かった。
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息をつめて
桂望実さん
内容を知らずに、読み始めて、
一気読み。
なんとも、
切ないような、悲しいような、
辛いはなし。
どうしたら?良いのだろう?
わたしだったら、、
内容を知らずに、読んで欲しい。
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この作家さんの本を読んでしまうのは、「大きな声では言えないけれど、実は私もそんなこと考えてるのよね」という共感が得られることが多いからかもしれない。
実際には、ラストに登場するような「本人に罪の意識がないために再犯の危険が極めて高い場合、人権は最低限守りながら、社会から疎外するための施設」が出来るのは難しいことだと思うのだけど、心のどこかで「それもアリだよね」と思ってしまう。更生を諦めてるいるみたいで、希望がないけれど。
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子のした事の責任は親にはないと思っているけど、そうは言ってられない重く切ないテーマなのにあれ?終わったと少し物足りなく感じた。でも、現実に更生が期待できない犯罪者を隔離できる施設ができて、被害者家族も加害者家族も普通に暮らせる世の中になって欲しい。誰かの罪を背負うのは辛い…
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タイトルがドンピシャ。
まさに息をつめて生活する女性が主人公。
51歳の土屋麻里は仕事も住む場所も転々としながら日々を送る。
どんな仕事も上手くこなし、人への接し方も丁寧。
けれど彼女は逃げ続ける。
一体何から、誰から逃げているのか先が気になり一気読み。
少しずつ彼女の怯えの正体が判明して来ると、その不安も逃げたくなる思いも全て共感出来た。
子が親を選べないように、親も子を選べない。
一番の理解者になってあげたくとも、その範疇を超えて理解出来ない事はきっとある。
親子と言えど別の人格。
最後に彼女が下した決断は責められない。
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親はどこまで子供の責任を負わなければいけないのか
主人公の麻里の最終決断は正しいと思った
悲しいけれど矯正できない人間はいると思う