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数年前からSNSで入管問題や日本の難民、在日クルド人の方々のお話を目にするようになった。最近は映画も話題となっている。そんな折にこちらの本を図書館で見かけて読んでみました。
家族との離別、いじめ、将来への不安など、子どもたちの話は読んでいて辛かった。希望を持って勉強を頑張っている若者の未来を潰すような国であってほしくない。また、希望を持つことすら許さないような入管職員の言動にも怒りが湧いた。
せめて、日本で育った子どもたちは安心して暮らしていけるようにして、将来育った環境を恨むことなく健やかに日本社会で人生を謳歌できるようにして欲しい。
不当に厳しかったりテキトーだったりする審査で難民としての保護を受けられないのはひどい話だ。難民に該当しないなら該当しないで良いから、母国では暮らせない事情があって、ちゃんと日本に根付いて暮らしていこうとしている人たちにはなにか安定して暮らしていけるような仕組みがあれば良いのにと思う。
日本の国としての対応が厳しい環境を作り出しているのは確かだが、クルド人の文化的な背景によっても子どもたちの日本での暮らしが難しくなっているとも感じた。早婚、家族、教育への価値観など。
ただそういったことも、結局は外国人・難民としてやってきた人たちへの教育や支援がしっかりとあればある程度日本社会とのすり合わせができて互いにとってよりよい未来が見つけられるんじゃないかと思う。
誤った対応を続けると、現在クルド人が多く暮らしている他の国と同じように、同化政策、迫害と捉えられてもおかしくないような状況になってしまいそう…。
このようにクルド人の方々、入管施設に収容されたり仮放免などの不安定な身分で苦しんでいる方々への同情が募る内容となっている。ただ、クルド人の方が犯罪をしてしまっていたり、安定しない状況で親類縁者を呼び寄せていたりと、同情だけでは解決していけないようなちょっとした違和感が刺さってくる記述もあった。