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組織とは不思議なもので、外部の脅威がなくなると、内部から崩壊していく。そして、未来は、外部でもなく、内部でもないカオスの縁にいて、新しいビジョンを持つ者が切り拓く。次巻が楽しみ。
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国家の経済が発展したからと言って、国民が豊かになるとは限らない。
富の分配は大事な施策だが、「富める者から奪って貧しき者に配る」という発想は、あまり好きじゃない。少なくとも今の時代には合わないんだろうな。
農牧業に代わる新たな産業を興すという発想はなかったのかな。
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中学生で斜め読みした時はさっぱり面白くなく挫折したが、意識して政治のヒントを掴むために読んでいるからか、1~3巻の中で、いちばんおもしろかった。
どのような問題に突き当たり、誰がどのように考えて、どのように解決したのか?
どんな人が世の為に奮闘してきたのか?
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カルタゴが滅亡し、新たな人物が次々と登場する第三巻。
ここで最初に登場するグラックス兄弟は、印象的である。
紀元前のこの時代に、果敢に改革を試みる若者たち。
いつの時代にも、勇敢で正義感あふれる者はいるであろうが、この時代に、というのが驚かされる。
すでに元老院を中心とする共和制が成り立っているローマであるが、市民の格差問題があらわになり農地改革を実行しようとするわけであるが、大きな権力を相手にするとき、なかなかうまくいかなものであることは、いつの時代も同じ。
結果的に二人とも志半ばでの死を迎えるわけであるが、これが呼び水になり、ローマが大きく動き出すことになるということは、歴史上大きな意味のあることであったのであろう。
そして登場するスッラ。
一見、冷徹で独裁主義者の感じのある彼であるが、逆に共和制ローマへの信念の強い者であった。
自分の信念を貫き通すがために、多くの犠牲もあった。
読み進める中では、スッラという人物はやはり、ローマを自分の独裁下に置こうとするものではないかと思わせた。
しかし、自分が目指す、元老院中心の共和制ローマを実現するための法を制定するや、独裁官を辞職し、政治の場からも身を引いた彼の行動が物語るように、ローマを独裁制から切り離し、共和制を実現するために努力した人物といえるのかもしれない。
賛否両論分かれるであろうが・・・
このスッラという人物は、グラックス兄弟以上に、私の心に残る歴史上の人物となった。
冷酷で醒めた政治家の食卓は、哄笑で包まれるのが常だった
この一行がとても印象的である。 彼はただの冷徹な人間ではなく、共和制ローマを実現したかっただけなのだろう。
その後ポンペイウスによって、地中海、オリエント地方をローマが制圧するわけであるが、戦術に長けた武将の感のあるポンペイウスにも魅力は感じるが、個人的にはいま一つ、心に残るものがない人物である。
いよいよローマの勢力も大きくなり、政治も大きく動いてきているが、次巻も楽しみである。
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・ハンニバル戦後、高度経済成長期に入ったローマ
・体(経済)は成長したのに、内臓(制度)がそれについていけない状態
・中間層の増加による問題など、高度経済成長後の日本を連想とさせる
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この巻のもっとも印象的な人は、ルキウス・コルネリウス・スッラ。他人に何を言われようが気にせず、物事をやり遂げるところがすがすがしい。ただし、反対派を殺戮、財産の没収・競売に至る容赦のなさもある。「スッラの言動は、常に「ドス」が効いている」とあるがさもあらん。普通の人は他の人からよく思われたい。敵に容赦しないという態度を貫くことは並大抵ではできはしない。「私財を貯めこむことに、生涯無関心であった」ともあり。今の政治家と正反対!お金の使い方を現代人は学ぶべきでは。
また、高貴な生まれと裕福な環境人恵まれ、銀の匙をくわえて生まれてきたというグラックスの2人の兄弟。高貴でも裕福でもない人たちの権利を守ろうと命を落とす。人のために使命感を持って、命を賭して活動できる人はどれだけいるのだろうか。古代ローマの公共精神には正直感動する。日本の武士道精神に通じるところもあるのだろうか?
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市民階級の拡大を途半ばに殺害されたグラックス兄弟。元老院の復権による共和制維持を目指すスッラと大衆の支持を基盤に政治を動かそうとする後継者達。民主制は独裁制に移行するということをきちんと押さえている塩野七海さんはさすが。マリウスとスッラによる報復の凄まじさには驚く。
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前2世紀後半からはじまる抗争は、社会正義の公正を求めて、富めるものと貧しきものの間に生ずるのである。
ゲリラは負けなければ勝ちなのである。
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外に敵がいる時は一致団結出来ても、外敵がいなくなれば内乱が起こるというのは人間の悲しい性だと思う。
そういう本性丸出しのローマがなぜスペインから中東、北アフリカに至るまで覇権を握れたのかというのは不思議だが思うに古代以来の絶え間ない戦争の経験が物をいったような印象を受ける。
そう考えると戦争経験豊富な現代のアメリカはやはり覇者であり、覇者であり続けるためにどの国よりも戦争をするだろう。その論理に中国も気付いてないわけがなく、歴史を知れば知るほど地球上から戦争がなくなることはない感じがしてくる。
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グラックス兄弟からポンペイウスの時代まで。
外敵の脅威を排除し続け、覇者であることの奢りから? 不都合があると知りつつ既存の権益を手放せなかったから? 元老院の人数は増加の一途を辿りその門戸は逆に新入りに対しては狭くなり、ギリシアに似て、没落への道を辿っていくように見える時代。
自己の富裕を目的とせずローマの為にと尽くしたマリウスとスッラ、そのどちらもがひとかどの人物だったのに後の時代に遺産を残せなかったことでは同じで、歴史の中では個人の努力が敢え無く終わることはままあるのだなあと考えさせられてしまう。
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紀元前133年から前120年のグラックス兄弟の時代。ティベリウスとガイウス兄弟。護民官の立場で農地解放、失業者対策に乗り出すが、結局ローマ市民の理解得られず。短期で失敗し、肖像さえも残っていない。
前120年から前78年、マリウスとスッラ。
平民出身で各地の軍団渡りあるいてきたガイウス・マリウス。 軍政改革実施し、ローマ軍団を志願兵制とする。ゲルマンなど蛮族が同盟国や周辺の属州地域への侵入を排除。マリウスには、知識なく、平時の統治能力はなかった。
同盟者戦役を経てローマを統一したスッラは、独裁者として行政改革など数多く改革を行う。このとき、イタリア半島の全住民に市民権認める。スッラは国政改革を成し遂げ、突然辞任。自らを幸福者、フェリックスと呼んで亡くなる。
前78年から前63年ポンペイウスの時代。スッラ体制の崩壊によるスペインでのセルトリウス戦役を平定し、その後、黒海からカスピ海、そして紅海に至るまでの全地域に、ローマの覇権を打ち立てた。
面白い。益々、目が離せなくなってきた。
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ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。なぜ、人間はうまく行き過ぎると調子に乗って奢り高ぶってしまうのでしょうか。世の理なのでしょうか。
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古代ローマはカルタゴとの戦いであったり、カエサルの業績など、目立つ部分に注目が集まりその間の時期の知識は私もほとんどなかった。しかし、その期間も優秀な人材をローマは輩出し、その度に障害が発生することで改革が中断するなど困難も多くあったことを知った。昔の時代のことを知ることで現代を生きるための教訓にできる場面があるはずだ。ぜひ、このシリーズを最後まで読み切りたい。
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カルタゴを滅ぼしたローマは敵を外から内に抱えることになる。グラックス兄弟の改革は兄の惨殺、弟の自害というかたちで阻まれ、兄弟の死後護民官になったマリウスは徴兵制から志願制へと改革するが、これが原因の一つになり同盟者戦争を引き起こす。スッラは独裁官となり国政体制の改革を行うも死後体制は崩壊。ローマの覇権を地中海全域にまで広げたポンペイウスは何故後に歴史に名を残す人物にならなかったのか…というのが次巻の楽しみ。
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20210321
・ポエニ戦争後、スペインやガリアの反乱を鎮圧し、アンティゴノス朝マケドニアとセレウコス朝シリアとの戦争に勝つことでローマは属州を広げる
・属州の拡大により、中小家内農家を主体としてきたローマ経済は、奴隷を使う大農家と通商が盛んになり変容する。小規模農家は都市にプロレタリアートとして流入し、社会不安が生じるようになる。これを防ぐ労働政策(農地改革と植民都市建設)と政治改革を構想したグラックス兄弟は元老院派の反撃を受けて命を落とし挫折する。
・戦場が属州に移り、属州からの収益をローマが独占することで、ローマが大きな負担の代償として指導権を得てきた自衛同盟のバランスが崩れる。結果、同盟市戦争がおこり、イタリア全土にローマ市民権が与えられることになった
・プロレタリアート向けの福祉政策である小麦の低価格配給は行われ、彼らを支持母体とする民衆派勢力が現れる。民衆派と元老院派の争いは、属州平定の功績があるマリウスとスッラの私兵を使った軍事力によるローマ掌握によって血で血を洗う内部抗争に変わる。若いスッラはミトリダテス戦争後の内乱で民衆派を壊滅させ、元老院の質量ともの充実させ、一人に権力が集中することを防止し、市民集会と護民官の権力を削った。
・スッラ派のポンペイウスは、キリキア海賊討伐と第三次ミトリダテス戦争で独裁官を上回る権力を自身に集中させ、実力で反対する元老院を沈黙させた。スッラの元老院体制の強化はポンペイウスによって1世代持たずに崩壊する
★戦略とは実行するためのものであり、実行につながらない概念、言葉、思想は戦略でない