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コンスタンティノープルの陥落に続く三部作の二つ目。
トルコ対聖ヨハネ騎士団の戦いがアントニオの目を中心に書かれている。
塩野七生は書く作品が安定しているね。面白かった。
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やっぱりこの人は小説家なんだなと、思った。
たとえ、登場人物のセリフが歴史叙述めいていても、曖昧な史実を語っても、小説だとそれはスパイスで、この人の書く登場人物は多くを語らずとも魅力的に映える。
この本は西欧とトルコの衝突を描く三部作の第二作。歴史的には一番マイナーだけど、西欧の色や考え方を感じるならこの本だろう。
(2009/4/15読了)
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社会からあぶれた10代の若者が主役となり圧倒的な勢力の異教徒と戦うため
絶望的な戦いに挑む様はこの出来事を知らなかった私には衝撃的だった。
幾百年を超えて今でも騎士団があることにも伝統に対する敬意の念が絶えない。
文章が物語的で読み易い。
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塩野先生の代表作の一つ
歴史小説ですが、独特の書き方で普通の小説とはちょっと違う印象を受けます。
具体的に言うと、ある事件が起こった際の背景や影響などを小説のシナリオとは別にして詳しく解説されてます。
読者はロードス島の攻防だけではなくそれがどういう時代、どういう背景で起きたかを十分に身に着けたあとで話はどんどん深まって行きます。
個人的にはもーちょっと攻防記の部分を小説っぽくしてもよかったかなーっと思いました。
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圧倒的な敵に対して怯まず、自らの運命からも逃れようともせず、立ち向かっていった騎士団員たちの姿に心打たれます。
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ヨハネ騎士団の栄光と衰退
歴史の転換期シリーズとして、三部作の二つ目なんですが。
一巻とは書き方が変わる。より客観的に、主体になる視点キャラを減らして。
まあ、コンスタンティノープルよりも資料が少ないからなのかもしれないが。
いろんな書き方ができるんだなあ、と思うわけです。
さて、この本、実はロードス島の攻防戦そのものよりも、エピローグの、後日譚ダイジェストがたまらない。
ヨハネ騎士団の放浪、数十年を超えたリベンジ戦、そして現代へ繋がる話。
まさか、そこまで繋がるなんて、と重みに感動してしまうわけだ。
ダイナミック
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割と短い物語だけれど、壮大で臨場感溢れる筆致で繰り広げられる歴史物語が面白かったです。
1522年、聖ヨハネ騎士団が根拠地とするロードス島に対し、オスマン・トルコのスルタン・スレイマンが大軍により親征を行ったという史実を記録文学風に描いているのですが、背景と経緯が本書の大半を占めるため、最初は数本の論文の書き写しで創作ノートレベルなのかなと思いましたが(笑)、主人公たちの生々しい活躍が絶妙に織り交ぜられ、次第に引き込まれていきました。特に後半は淡々と描かれているようで、ド迫力の場面をイメージできるような書きっぷりが物語を面白くさせていました。
当時のキリスト圏とイスラム圏の世界情勢をコンパクトに切りとったかのような背景説明も勉強になりました。
ミーハーな感慨ですが、現代にも残る聖ヨハネ騎士団に体験入団できないものかな。(笑)
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オスマン・トルコ帝国スレイマン大帝によるロードス島進攻。ロードス島を守る聖ヨハネ騎士団。若き騎士アレサンドロと異端の騎士オルシーニの友情。ヴェネツィア共和国の亡命技師による城壁強化。
ロードス島を退去した聖ヨハネ騎士団の放浪。マルタ騎士団の誕生。現在に至る騎士団の活動。
2010年8月19日読了
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ロードス島の要塞のようすや、どのように戦況が移っていったかが丁寧に描かれてあって面白かった。同性愛エピソードは余計かな・・・。そして、聖ヨハネ騎士団が今もまだ存続しているということを知ってびっくり。
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私が初めて読んだ塩野七生さんの著作です。
「ローマ人の物語」で著者を知った方が多いと思います。
私は「ローマ人の物語」が始まる前にこの本を読むことができて、とても幸運だったと思っています。
著者の地中海文化圏に対する愛情がそこここに感じることができます。
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トルコVS聖ヨハネ騎士団@ロードス島。
本の終わりに地図がはいってるんだが、こんなにトルコに近い島だったのかと死ってびっくり。そりゃ、キリスト教世界にとっては対トルコの最前線であり、トルコにとっては喉元にささった棘であっただろう。
物語は、3人の騎士を中心に描かれる。
「コンスタンティノープルの陥落」に対して、人物が絞ってあるので、焦点があわしやすい気がする。また、「コンスタンティノープルの陥落」がコンスタンティノープルだけでなく、ヴェネチアやローマなど様々な土地での話もはいってあったのに対して、ロードス島攻防記はロードス島だけだ。
が、これがこの攻防記の閉塞的な雰囲気をしっかりだしてて、やっぱり塩野七生は上手いのぉと思うのであった。
しかしながら、塩野七生が本当に描きたかったのは、ロードス島を離れた後の聖ヨハネ騎士団の姿だったのではないだろうか。
長男にのみ財産を残すという貴族社会で、次男以下は軍人になるか僧侶になるかしか選択がなかった時代。僧侶であり軍人である聖ヨハネ騎士団を選んだ彼らに、ロードス島を落とされた後は流離うしかなかった。
ただ、その流離いも個々によって違う。
マルタ島に流れ、のちにトルコに一矢むくいる騎士も、騎士であることを捨て僧侶として生きることを選んだ騎士も、ロードス島を落とされたという消失感を抱いて生きていたように感じる。
ロードスやマルタといった、地中海のどこまでも青い海を思うと、余計そのように感じる。
最後に、彼らの騎士の魂が生きていることをがあって、感動した。
そうか、彼らの戦いは決して無駄ではなく(文中で「いい上官というのは自分が犬死ではないと信じられるような死に方を与えるものだ」とあった)何かを繋いだ戦いだったのだろう。
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ロードス島における聖ヨハネ騎士団とオスマン・トルコの攻防戦。東地中海の一島における局地戦ではなく、キリスト教世界とイスラム教世界の間での重要な戦いとして捉え、長期に渡る攻城・篭城戦を活写する。
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「コンスタンチノープルの陥落」と続けて読みました。
以前読んだ時もそうだった。
続編的に読めて、理解が深まると思うので。
コンスタンチノープルの陥落から約半世紀後の1522年。
キリスト教最後の砦、ロードス島に駐屯する聖ヨハネ騎士団と、東地中海全域に勢力を拡大しているトルコ帝国の攻防戦を描いた歴史小説。
ロマンチックに、ドラマチックに、描こうとすればいくらでもできるのに、あえてしないところが塩野流。
歴史的背景の解説に労を惜しまない。
おろそかにできないんだろうな。
歴史を知りたい、という知的好奇心を持って読むと星4つ。
小説として楽しみたい、と思って読むと星2つ。
なので、星3つ。
「コンスタンチノープルの陥落」の方が読んでて面白いので、まずはこちらをお勧めします。
で、興味があれば「ロードス島」もどうぞ、という感じかな。
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塩野七生の歴史小説。受験時代から世界史好きだったが、このように表現される歴史はやっぱり面白い!歴史的な事実に基づいて、ドラマを忠実に再現する。ロードス島よ、がんばれ!といつの間にか、聖ヨハネ騎士団を応援していた。しかし、大帝国オスマントルコは強かった。
激しい戦いのあと、スレイマン大帝とリラダン騎士団長の”騎士道精神”にのっとったやりとりは、印象的でした。その後の、騎士団とスレイマンの挿話もなかなか味があるしめ方をしてます。
また塩野七生は読みたい!
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コンスタンティノープルでの戦いから数十年後、小アジアと目と鼻の先の位置にあるロードス島をめぐる攻防戦を描いた小説です。オスマン帝国はスレイマン1世の代であり、まさに全盛期へ向かう時代といったところ。そんなオスマン帝国軍に対抗する聖ヨハネ騎士団の奮闘ぶりには驚嘆せざるを得ません。この聖ヨハネ騎士団は現在でも存続しており、彼らのかつての姿を偲ぶ意味でも、この物語は興味深いですね。
読了日 2007年4月