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キリスト教世界vs.オスマン帝国の3部作の第2弾。他の2作よりも物語性が強い。聖ヨハネ騎士団とオスマン軍との戦闘シーンは見所満載。ロードス島が最終的に陥落した後のエピソードも自分としては興味深かった。
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小アジアの南部に位置するロードス島。
オスマントルコ領ののど元に位置するこの島は
中世の宗教騎士団・聖ヨハネ騎士団の要塞だった。
ここで繰り広げられるキリスト教徒VSイスラム教徒の争い。
ここにも壮大な歴史のドラマがある。
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オスマントルコとキリスト教世界の攻防を描いた2作目。ますます中世ヨーロッパへの興味が沸いてきます。欧州人との仕事も、また変わった目で見れるようになりそう。
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塩野作品―特にこういう物語性の強いものを読んでいると、司馬遼太郎と同じものを感じることがある。歴史的な部分の資料を揃え、きっちりと検証してあるがために、どこまでが史実(というか資料に基づいたもの)であり、どこが作者の創作であるのかがわからなくなるところだ。
世界史をみっちりと学んだつもりでいたけれど、十字軍や騎士団というものの存在にはどうしてもピンとこないものがある。わからないながらも、騎士道というものには漠然としたイメージがあり、それがまさに本作品に描かれた、騎士団長リラダンとトルコのスルタン、スレイマンのあり方にぴたりとはまった。
日本史的な視点でみれば、篭城戦というのは(確実な援軍が期待できない限り)ほぼ負け戦という印象だが、ロードスの騎士たちは驚くほどよく戦ったと思う。ロードスが島であるせいもあるだろうが、季節と疫病と補給という要素が加わると、篭城もあながち悪い手ではないのかもしれない。
ロードス島の攻防戦もさることながら、その後のエピソードが秀逸。ロードス島、マルタ島に行ってみたくなる。しかし、一番驚いたのは、聖ヨハネ騎士団が未だ存在しているということ。国土を持たずに主権を有するというのがどういうことなのかはよくわからない。騎士団員はどういう人たちで構成されているのだろう。
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今回も再読、初読みは「ボルジア」と同じ20年くらい前です。
イスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置するロードス島。コンスタンティノープルを陥落させ、巨大な帝国を形成しつつ西進を目指すオスマン・トルコにとっては、この島は喉元のトゲのような存在だった。1522年、大帝スレイマン一世はついに自ら陣頭指揮を取ってロードス島攻略戦を開始した・・・。
(本著裏表紙あらすじより)
本書も2回目の読了です。
なかなか読む機会がなく、だらだらと長期間になってしまいましたが、けっして面白くない訳ではありません。
「コンスタンティノープルの陥落」と同じように小説風な箇所が多く、「ローマ人の物語」よりは読みやすいと思います。個人的には「ローマ人の物語」の方が好きですけど。
すっかり忘れていて読み直して気が付いた事は、主人公が登場人物の一人と同性愛の関係になっていた、という点です。あ、こういう部分もあったっけ、といった感じでちょっと面くらいました(笑)
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アンサイクロペディアに書いてあった、塩野七生さんが最も権威あるフジョシという一文がよくよく理解できる一冊!目ん玉飛び出ちゃったー!!!
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三部作の二作目。
恥ずかしながら、ロードス島というとトルコと戦った騎士団がいた島という程度の知識しかなかったので、新鮮な気持ちで読めました。しかし塩野作品は読んでいるうちに史実と創作の境目が判らなくなります。それくらいしっかり書かれているということなのかな。
最後のほうに、聖ヨハネ騎士団が現在も存在しているという記述があって驚きました。そして創設当初のような、医療に特化した団体になっているということが感慨深かったです。
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(1993.08.23読了)(1991.05.30購入)
(「BOOK」データベースより)
イスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置するロードス島。コンスタンティノープルを陥落させ、巨大な帝国を形成しつつ西進を目指すオスマン・トルコにとっては、この島は喉元のトゲのような存在だった。1522年、大帝スレイマン1世はついに自ら陣頭指揮を取ってロードス島攻略戦を開始した―。島を守る聖ヨハネ騎士団との5ヶ月にわたる壮烈な攻防を描く歴史絵巻第2弾。
☆塩野七生さんの本(既読)
「愛の年代記」塩野七生著、新潮社、1975.03.30
「イタリアだより」塩野七生著、文芸春秋、1975.06.20
「神の代理人」塩野七生著、中公文庫、1975.11.10
「サロメの乳母の話」塩野七生著、中公文庫、1986.01.10
「海の都の物語(上)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10
「海の都の物語(下)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10
「コンスタンテイノープルの陥落」塩野七生著、新潮文庫、1991.04.25
「男の肖像」塩野七生著、文春文庫、1992.06.10
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ピサやジェノヴァやヴェネツィアなど都市型の国からフランス・スペイン・トルコなど領土型の国へと中心が移りつつある時期の戦いをえがいた三部作の二作目。
戦いが始まるまでの状況・戦後の推移も自然に読むことができる
表現も好きです
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説明が多いから若干の読みにくさはあったが、興味深い歴史が綴られていた。
スレイマン大帝の騎士道精神がなんともいえず心に染みた。イスラム教とキリスト教の戦いは根深いのだな。
ロードス島に行ってみたくなった。
今でもこの騎士団がローマに存在していること、イタリアから治外法権を認められていることなど、最後に驚きあり。
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オスマン帝国が狙う聖ヨハネ騎士団の本拠地ロードス島は、トルコにとって喉元のトゲのような存在であった。エジプトとの海の往来の安全を確保するためには、いずれ攻略しなければならない要衝の島であり、「キリストの蛇の巣」と呼ばれていた。聖ヨハネ騎士団はキリスト教が支配した中世ヨーロッパに輩出した騎士団の一つであり、英・仏・伊・西など民族を越えて信仰によって結ばれた貴族団体であった。主に海賊行為を含めた戦争と医療事業を業としており、1480年には騎士団600人という少数でありながら、5か月の攻防戦で城を守りいた。
東のトルコに対応して、西ヨーロッパでも中央集権化された大国が出現することによって、「滅びゆく階級」であることを運命づけられた騎士たちが、何十倍というトルコ軍に対して、ロードス島を守り抜こうとした絶望的な戦いを描いた3部作の第2弾である。
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読了。
【購入本】
ロードス島攻防記 / 塩野七生
三部作『コンスタンティノーブルの陥落』『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』の第二作になります。
コンスタンティノーブルの陥落はイスタンブールに行く前に予備知識として読みました。三部作だと知ったのは比較的最近だったりします...。
キリスト十字軍の名残 聖ヨハネ騎士団 VS イスラム大帝スレイマン率いるオスマントルコ帝国。
ロードスの砦籠城に対し圧倒的な物量で押し寄せるイスラム軍。
はたして結果は!
って歴史ですのでもう分かってますね。
ジャン・ド・ラ・ヴァレッテ・パリゾン
ジャンバッティスタ・オルシーニ
アントニオ・デル・カレット
の三人の騎士がキーとなり物語は構成されてます。
それとスレイマン。
騎士団とラ・ヴァレッテでマルタ島をイメージした人は正解!
マルタ島の首都はヴァレッタですわね。
歴史物語ですのでたいへん楽しめました。
塩野七生女史の本は賛否ありますけど十分面白いと思いますけどね。
どうなんでしょ。
ローマ人の物語が完結したのちに別枠続編みたいな感じで発売された『ローマ亡き後の地中海世界』の文庫化が待ち遠しい感じです。
あとこの三部作の前には『海の都の物語』を読んどくと背景がわかりやすいかと思います。
三部作最後のレパントの海戦はまた後ほど。
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再読。ロードスの要塞を守る聖ヨハネ騎士団と、10万の大軍で攻撃するスレイマン1世のトルコ軍との攻防を描く一連のシリーズ。ただ、今回は史実に立脚しつつも、時として大胆な作家的想像力を駆使してみせる塩野七生さんらしい場面があまり見られないのは残念だ。抑制して書いたのか、あるいは残された資料が乏しいために、史実を離れてしまうことを怖れたせいなのかはわからないが。それにしても、あの中世そのもののような聖ヨハネ騎士団が今もあるのは驚きだ。赤字に変形十字の病院や研究所がそれであるらしい。
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聖ヨハネ騎士団がトルコのスルタン、スレイマン1世によって本拠地としていたロードス島を追い出される話。
聖ヨハネ騎士団はエルサレムで聖地巡礼者のための診療所であったが、
やがて他の騎士団のように武器を持ち、対トルコの最前先であった現ギリシャのロードス島に要塞を構えていた。騎士団員は貴族の次男坊が多く、この話のもととなった手記を残したアントニオ・デル・カレットもまだ20歳の若者であった。25歳のジャンバッティッスタ・オルシーニは名門オルシーニ家の出身。享楽的で奔放であったが、戦いっぷりは勇猛果敢で、一目置かれる存在。新参者のアントニオと意気投合し、以後愛情とも友情ともとれない親密な感情を育てていく。厳格で盲目的な騎士団長秘書官のジャン・ド・ラ・ヴァレッテとトルコのスレイマン1世は28歳。この若者たちが、5ヶ月にわったっての攻防戦を繰り広げるが、戦記というよりは政治的な駆け引きを感じさせる。双方すぐれた指導者、技術者を持ち、気合も十二分。
だけど現実的な講和も成せる聡さを持ち合わせているので、なかなか面白い。自国の建築技師マルティネンゴを見逃し、ロードス島の防衛に参加させることは、西欧諸国とトルコ双方との関係を維持している通商立国ヴェネチアの慎重な外交政策の結果であるのだがこれを表わすヴェネチア人の手紙、つまり作者がその著書で多く引用するヴェネチアの諜報部員、外交官からの本国への通信がいかに貴重な資料であるかを感じせずにはいられない。デル・カレットの手記もそうであるが、それが個人の主観で表わされたものであってもまた、政治外交とは一見無関係であるような日常の些事であっても
記録に残すことが、後世にとって大切な教訓となりうるのだと思う。身内の密通者があらわになったり、マルティネンゴが負傷したりで、いよいよ劣勢に陥った騎士団は講和の申し入れを受け入れ、条約締結のために訪れたスレイマン1世に面会する。彼はリラダンらが思い描いていた粗野で野暮な異教徒ではなかった。洗練された聡明さと意志の強さをもつ若きスルタンに、リラダンは誇り高い騎士の姿を見出す。
ロードス島を追われた騎士団は流浪の旅を続け、やがてマルタ島という絶海の孤島におわれることになるが、常に対トルコの最前線という位置に本拠地をおいていた騎士団にとっては、その存在意義そのものを変化させざるを得なくなっていくのである。それにしても幾多の危機を乗り越えながらも現代にまで存続する聖ヨハネ騎士団という
団体は、変化していく国際情勢や宗教的価値をある意味柔軟な姿勢で乗り越えてきたのだろう。
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塩野先生らしい登場人物描写とストーリー展開だった。歴史物であるにもかかわらず、物語・小説として読めてしまう。このマジックはすごいと思った。
中身は、コンスタンティノープル陥落後の地中海世界、ロードス島でのトルコとの攻防戦。ロードス島側だけでなく、トルコ側からもしっかり描かれており当時の状況をよく学べた。ロードス騎士団長の長としての決断がとっても格好良かった。部下のことを考えるのならば、いっときの名誉よりも、命を優先させるというのが、賢明な判断なのであろう。また、後日談として、ロードス島戦の両者が再戦するというのにも運命的なものを感じた。