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久しぶりの原田マハさんです。言うまでもなく、キュレーターとしての専門知識を駆使し、多くの西欧画家や作品を描き、アート小説や随筆などで他の追随を許さない作家さんです。
私もこれまで何度となく原田マハ作品に触れ、思わずネットで画像検索し、美術館に出向いて実物を鑑賞したい! と魅せられてきた一人です。
本作でも、その印象・感覚は同じでした。今回扱った人物は、意外にも(?)戦国時代の天才絵師・俵屋宗達でした。歴史に疎い私は、何度となく「風神雷神図屏風」「洛中洛外図」を検索しながら読み進めました。
宗達の生涯には謎が多いとのことですが、宗達を軸にし、歴史上の様々な出来事が重なっていきます。キリシタンや織田信長が絡み、「天正遣欧少年使節」等々。壮大な歴史小説に入り込んだ錯覚に陥ります。
大胆な発想や巧妙な仕掛けにワクワクしながら、想像の翼が広がります。もうこれは浪漫ですね。
戦国時代の日本とマカオを経由してローマがどう繋がるのか‥。400年以上の時を遡り、ローマへの冒険譚はまだ序章に過ぎません。
下巻はいよいよローマへ! 気持ちが逸ります。
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いつも通りの現代と当時の構成。なんとなく伏線にも慣れてきた感じもするが、やっぱりキャラクターが魅力的だし、史実にフィクションを加えた内容が面白い。続きが気になるもの、ある程度予想できる気もする。
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プロローグが長くて一度挫折したが、
再度頭から読み始めてプロローグが終わってからは
どんどん読み進められた。
先が読みたくて止まらなくなった。
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最初、本屋でパラパラ立ち読みしたときは、何故か主人公の女性がタイムスリップして宗達のいる時代に行って…みたいな話なのかと思っていたけど全然違った(笑)
宗達はマルティノたちが生き生きと描かれていて読んでいて楽しかった。
絵画の描写なんかは愛が溢れてて、読んでてちょっとうるっときた。
キリスト教に関わる人たちがめっちゃいい人揃いで書かれてて「間接侵略に来たのにな~」とちょっと苦笑してしまった。
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230501*読了
原田マハさんのアート小説はどれを読んでもおもしろい!
風神雷神は文庫化を何年も待った作品。
風神雷神の絵や洛中洛外図屏風はあまりにも有名だけれど、その絵に着目したことはほとんどなかった。
その荘厳な絵の向こうには数々のドラマがある。
どこまでがフィクションで、どこまでが史実に基づいているのかわからないけれど、これが真実と思ってまるっと受け入れてしまいたい。
それほど胸を打つストーリー。
俵屋宗達、狩野永徳の巡り合いと、二人で描く洛中洛外図屏風のシーンがとても好き。
織田信長もいい味出してるんだなぁ、これが。
そして、原マルティノと宗達の絆も。
人と人が対話をし、心でつながっていくのはいつの時代も変わらない。そんなつながりが、現代まで脈々と続いている。
前半の現代パートがきっと下巻につながってくるのでそれが楽しみです。
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縦横無尽な想像力に操られた
マハさんの筆致に
すっかり魂を持っていかれた。
カラヴァッジョと宗達を
つなげてしまう発想には脱帽です。
ヤマザキマリさん推薦!
戦国・日本と
ルネサンス・イタリア。
海を越え、時代を超える
奇跡の物語
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マハさんは近代?現代アートだけではなく、
安土桃山の戦国時代まで描けるのですか!と驚きながら読みました。
それにしても、戦国時代は燃やされたり保存がきかない時代だったんですね。
それゆえに現存している資料も少なく、情報も少ない。
そこから物語を膨らませて、史実とつなげるマハさんは本当にすごい。帯にもあるけれど。苦笑
俵屋宗達が、「わい」と言うたびプロゴルファーさる(実際見たことないんですが。苦笑)のような、少年というか子供がぴょんぴょんしてました。笑
ただ、信長様とのやり取りや、像、洛中洛外図を描く場面はドキドキとわくわくで読み進める手が止まりませんでした。
宗達の世界がどんどん広がっていく様がとても。
そして、当時の船旅がどれだけ命がけで、時間がかかるものだったのか。
宗達とマルティノを含めたキリシタンの関係が深まり、下巻に続きます…!
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俵屋宗達へのアフェクションを強く感じる小説でした。ええっ、という展開なのですが、これがまた、面白くて。楽しい冒険譚でした。
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(上巻のみ)
俵屋宗達や織田信長が当時感じてた異国への興味が、読んでいる側までそそられる気持ちになりました。「見たことのないものを描きたい」という宗達の真っ直ぐな想いと、信長の飽くなき好奇心というのが時代背景を浮かび上がらせるので、当時に想いを馳せながら読んでしまいました。
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なんて楽しい本だろう!
信長期の日本を生きる、真っ直ぐで誇り高い、キリシタン武士と市井の人々。同時期の、マカオからインドを経て、喜望峰を越えてリスボンへ、さらに地中海を渡り、遥かなローマまでの、遠い遠い道のり。日本人など見たことない欧州のクリスチャンたち。今よりずっとずっと、「世界」が遠かったとき。彼らの生きた時代の各地を、旅することが出来る。フェリペ2世、グレゴリウス13世。世界史上の名だたる人物たちにも出会え、ワクワクする。
そして、文章でありながら、時を越える絵画の美しさに心震わすことが出来る。人の生きるこの社会の美しさを思い出させてくれる、心洗われる素敵な本です。
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フィクションなのに何度も私の朧げな日本史年表が上書きされそうになります。小説は事実よりもリアルなり。
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戦国日本とルネサンス期のイタリアを結び付けるのは、天正遺欧使節と出立した俵屋宗達。壮大な゙物語であり、諦めなければ願いは叶うというメッセージを読者に与えてくれる。
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マハ本で日本美術も味わえるなんて...
さて、冒頭はいったんお馴染みのミステリー形式で、「研究員のもとに持ち込まれた【謎】とは?」
【謎】というのは聖ポール天主堂跡で見つかったとされる「西洋版『風神・雷神』」。この油絵と俵屋宗達の『風神・雷神』と関係があるということ。
『風神・雷神』が赤鬼と青鬼ではなく白鬼と青鬼だということもひっかかる...
そこから物語は安土桃山時代の天正遣欧少年使節に派遣された原マルティノたちと俵屋宗達との出会いと、ローマへの旅の話にはいります。
そこからのスケールがでかい。ほとんど閉ざされた日本に、キリシタン文化が入ってきて、キリシタンになった少年たちはセミナリオに入ってポルトガル語などを吸収していく。時を同じくして京都の扇屋の息子である俵屋宗達は、南蛮寺に魅了されその好奇心と天下人・織田信長の好奇心がマッチ。信長は宗達に「ローマ版『洛中洛外図屏風屏風』」を書かせるべくローマに宗達を派遣する。それが天正遣欧少年使節だったってわけ。そんな史実はないからマハ流ファンタジーなのだけど、その想像力が楽しいよねぇ。
宗達が信長の前で『白像図』を描く様子や、セミナリオでマルティノ等に披露した鷺の絵。宗達が活き活きと筆を動かす様子は、文字を読みながら頭の中でもその様子の映像が流れるみたいでとても楽しい読書体験なのでおすすめです!
分厚い上下巻の半分まで読みましたが、後半も楽しみです。
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生没年すら明確ではなく謎が多いと言われている俵屋宗達。織田信長、天正遣欧少年使節団、狩野永徳と絡ませるところがよかった。こんなことが実際に起きていたら面白いなと感じました(ウキウキしました)上巻はローマへ出発するまでが描かれています。下巻読むのが楽しみです。
日本美術には興味がなかったのですが、『白象図』や『風神雷神図屏風』をみてみたいなと思いました。
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原田マハ作品はこれまで数作読んでいるが、西洋美術の話しが多かったが、今作では俵屋宗達を独創的に描き惹きつけられる。下巻にも期待。
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『リボルバー』と同じ「型」だなと読み始めて思った。
時系列で言えばリボルバーの方が後に書かれた作品ですが。
物語の始まり方、実在のアート作品に謎が…それが解き明かされていく。という大枠。
その中のストーリーは原田マハさんのアートに関する知識力とストーリーを広げる能力が遺憾無く発揮されてオリジナリティ溢れるけれど大枠はすでにリボルバーで読んだものかと読み始めた時は少し気分が下がった。
ただ読み始めるとどんどん引き込まれ、ページをめくる手が止まらない。
日本史の授業で見知った単語、出来事、人物にこんな個性が、こんな裏側があったのかと驚いた。
もちろんわかっている。フィクションだと。
でも、教科書で見ていた過去の人たち、テストで出てくる問題に関わるものとして温度なく受け取ってきたものたちが、生き生きとしてる様に心が踊り、過去に生きていた人たちが紡いで歴史となったのだと改めて感じることができるのが面白い体験だった。
俵屋宗達の言動が、船の上ではワンピースのルフィみたいに感じるところがありそれは少し冷めるところはあった。