0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
葛西敬之について、興味深く読むことができました。最後のフィクサーとしての存在感が、綿密な取材で、わかりやすかったです。
投稿元:
レビューを見る
「国士」が妥当 葛西氏は「商」の感覚はない ひたすら日本国を想い捧げた。
どうして「国商」の署名にしたのか不思議。折角の価値を貶める。
森功氏の取材は見事。どうして聞き出してくるのか? しかもキーとなる情報を。
日本のリーダーは回顧録を残さないので、こうした取材の価値が残る。
1.国鉄の分割・民営化 日本国の在り方を変えた 中曽根総理の偉業
彼こそ国葬に相応しい 安倍総理の歴史的レガシーは何か?
2.3.4.5.
投稿元:
レビューを見る
政治絡みの部分は面白くスムーズに読み進められたが国鉄~JRでの労組関係は知識が乏しいうえ似た名称と聞きなれない人名の為か頭に入らなく眠気に誘われた
読む人毎に知識と興味がある部分が違えばまたこの本への評価のグラデーションも変わるだろう
この勢いで国鉄労組物を読みたい気もするが、知識不足ゆえついていけない気しかしないのが現実
投稿元:
レビューを見る
未だにこういう、権力やポスト、メンツにこだわる世界もあるんだな、と。国鉄の労組がこういう関わりなのかははじめて知る世界だった。国を動かす意思の強さは思い込みと紙一重。
投稿元:
レビューを見る
JR東海の葛西氏の入社から政治介入までの歴史
直接インタビューしていないのでどこまで事実かわからないがズブズブ
投稿元:
レビューを見る
葛西敬之という元JR東海会長の話。
"国士""国商"と称された男。
国益を第一にかんがえる愛国者。
そのビジョンに基づき、戦後復興に寄与した国鉄の官僚として歩みを進めてきた。
その後、国労、鉄労などといった労働組合が権力振い危機感を感じた葛西ら3人(分社化された後のJR東、西、東海の代表)が中心となり分割民営化を推しはかった。
じつは労組問題はいまでもあるのだ。
2005.4に起きたJR西日本福知山脱線事故もそれが絡んでいる。その日は革マル派労組の運転手と会社寄り添い同盟系労組の車掌といった不幸な組み合わせであった。
運転士が駅の停車ミスを犯し、車掌に無線交信で嘘の報告をして欲しいと頼んだ。が、断られて本人が運転中にパニックになり、制限速度70キロのカーブを116キロのスピードで突入してあの事故が起きたわけである。国鉄改革の皮肉であり、運転士が組合に守られていた国鉄時代なら絶対に起こらなかった、民営化後の組合間の諍いがうんだ事故であるとの見方もある。いまでは葛西の判断がただしかったのか再検証されている。
葛西は国益を考え、資源にとぼしい日本の戦略として『日本の技術を輸出する』夢をかかげ事業運営に勤しんだ。
その過程で、警察官僚や政界の恩師である瀬島龍三らの伝手で自民党保守派安倍晋三と親交を深めていく。
葛西の葬儀の弔辞は、安倍元首相が読んだのである。
その数すぐ2022.7.8に安倍首相は凶弾にたおれた。
話は逸れるが、奇しくも私個人的にも娘の2歳の誕生日、友人の美容室オープン日とかさなり、速報に耳を疑ったことをいまでも鮮明に覚えている。
話を戻す。
葛西は国益を人一倍考えていた。
終盤はリニア計画をすすめていたが、その実現のため元安倍首相のバックにつき官邸人事にも影響を及ぼしていた。ビジョンに対する熱意を感じずにはいられない。
しかし、過去の国鉄時代の経験から国に融資を受けてリニア計画を進めることには反対していた。
とはいえ、自分の死期を感じ3兆円の財政投融資を受ける決断をした。
この本をとおして、その判断がただしいかどうかより、決断してものごとを前に進めていくことの重要性を感じた。どの時間軸でその事象をとらえるかによって、またどの視点からみるかによって正解、不正解は変わってくるし、その答えも主観でしかないのではと私は思った。
ただし、それを変わらない、動かないための理由にするのではなく、ビジョンをもって挑戦し続けていくことが最重要。そんなメンタリティを戦前生まれの葛西氏のような人物たちに感じる。(最近バブルの王様、森下安道-葛西の8つ歳上-について書を読んだ際も同様に感じた)
最後に著者である森功氏のテーマ選定、調査力には脱帽である。余談ではあるがおなじ福岡県民として誇りである。
日本で起こった事象も、合理的判断のみに基づいて起こったものではなく、さまざまな変数が絡んで起こったことであると、史実の文脈を感じることができた1冊だった。
さて、私もこれからの日本について真剣に向き合って生きていきたい。
この本では、権力���天下りといったことも出ていたが、今現状ではそれらが、実質賃金低下、物価高騰といったスタグフレーションが起こしている要因ではなかろうか。
そこにメスをいれ、既得権益を守るだけの規制を緩和し、生産性をあげ、あらたな産業をうみだし新陳代謝を活性化させていく。
そうしないと、かつての葛西氏が考えた『国益』を享受できないだろう。未来のニッポン。子孫のためによい方向に軌道修正していきたい。
投稿元:
レビューを見る
政・官・財で、どういう風に人脈が形成され、互いに同利用しあっているかについて、著者および取材チームは、かなり多くの当事者に会って取材をしているように見える。
安倍・菅政権下での、凄まじいまでのNHK攻撃・介入のあたりは、圧力を受けたNHK内部の人たちからの情報提供が豊富にあったようで、臨場感にあふれている。
国鉄末期から民営化に至るところで、官公労働法をめぐる司法への猛烈な圧力に全く触れていないところは物足りない。
全方向からの官公労働組合潰しに、本来独立した存在であるはずの最高裁まで引きずり込んでリベラル派を次々と追い出したのを書かなかったのは残念。
終盤に当時の運輸省の動きを次官であった黒野匡彦氏から多くを引き出している。
若い頃から次官を約束された大物官僚で、多分嘘は言っていないが、知るところをすねて話しているとも思えない。
何もかもが、ここで描かれたように葛西敬之の影響下で進んだとは思わないが、安倍・菅という方向を間違えて国士を装った政治家にすり寄って立身出世を果たしていく愚かな官僚物語でもある。
投稿元:
レビューを見る
「国鉄3人組」の1人として国鉄の分割民営化に大きな役割を果たし、JR東海の社長や会長を務めつつ、安倍元総理や官邸官僚との深い関係を背景に、「最後のフィクサー」と呼ばれるほど政界や政策に影響力を及ぼしてきたとされる「国商」としての葛西敬之氏の素顔に迫ったノンフィクション。
葛西敬之氏については、安倍元総理とつながりがあるということくらいは認識していたが、杉田和博氏等の官僚とも密接な関係を持ち、NHK会長人事等に介入していた可能性があるといったことは本書で初めて知った。また、労働組合の抗争とも絡んだ国鉄の分割民営化を巡る経緯も詳しく述べられていて興味深かった。
葛西氏が単なる「政商」ではなく、主観的な国益追及により政治に介入しようとしていたという点で「国商」というべき存在だというのは言い得て妙だと思ったが、本書を通読しても「国商」、「最後のフィクサー」としての葛西氏の人物像が明確に浮かび上がってきたかといえば、そうでもなかった。
リニア中央新幹線やNHKなどの特定分野以外に「最後のフィクサー」といえるほど政策形成に関わっていたようには思えなかったし、官邸人事やNHK会長人事への介入なども伝聞に基づく推定の部分が多いように感じた。
そして、そもそもどういう意図で官邸人事等に介入しようとしたのか、また、もともと関心が薄かったリニア中央新幹線に後年心血を注ぐようになったのはなぜなのかなど、本人の心持ちがあまり伝わってこなかった。安倍元総理や菅元総理、岸田現総理などが、なぜ葛西氏から影響を受けることになったのか(あるいは、受けざるを得なかったのか)という点ももう一つよくわからなかった。
鬼籍に入った本人に取材できていないといったハンディはあったとは思うが、より一層核心に迫ってほしかったと思う。
投稿元:
レビューを見る
JR東海の葛西敬之。安倍晋三首相とも懇意で、陰に陽に政権を支えていた。国士、政商ではなく国商、最後のフィクサーの生涯を追う。
国鉄改革から労組問題、NHK改革など政治の裏面を動かす人々。警察官僚とJRのつながり、労働運動等大変興味深い内容。
投稿元:
レビューを見る
JR東海の社長、会長として、名前は知っていたが、まさかここまで政治に絡んでいたとは。。
政財界のフィクサー、国士、国商というキーワードが一番似合う、最後の大物だったのかも知れない。
菅さんから安倍さんへの弔辞は、安倍さんから葛西さんへの弔辞だったというのは、合点がいった。
投稿元:
レビューを見る
政治の本を読んだことなかったので新鮮だった。
国鉄、jrと政治官邸の繋がりの強さがここまでとは知らなかったので驚いた。
最近のJR東海の変わり様といい、今後リニアも含めて大きく変わっていきそうだと思った。
投稿元:
レビューを見る
国商という言葉の持つおどろおどろしさは感じない。ほんとうにそんな力あるかなぁ?思ってしまった。スガさんはリアル。
投稿元:
レビューを見る
日本の産業史を振り返るときに国鉄という巨大組織の民営化はその功罪も含めて語られる必要のある一大トピックであるが、その国鉄改革を率いた3人組の一人であり、JR東海の総帥、そして安倍晋三を支えた政界のフィクサーとしての顔を持ち合わせた葛西敬之の実像に迫ったルポルタージュ。
国鉄からJRへの民営化、即ち国鉄改革の本質とは極論すれば労働組合をいかに権謀術数を用いて弱体化させるかという闘争であった、というのが本件について記した優れた幾つかのルポルタージュから私が学んだ点である。葛西敬之がJR民営化以降にどのように政治権力の中枢に影響力を持つように至ったかというメカニズムにおいて、おそらくこの闘争での勝利は原体験として大きな意味を持ち、それこそが彼の主要な行動原理の一つであったというのは言い過ぎではないはずである。
私自身は葛西敬之という人間の政治思想には全く賛同するものではないが、そうした権力闘争の経験がどのように一人の人間に影響を与えるのか、というドキュメントとして、本書は非常に面白い読み物であった。
投稿元:
レビューを見る
物語としては面白い。国鉄の分割民営化やリニアまで、葛西さんを中心にどのような動きがあったのかよくわかる。
個人的な感想では昭和のエリート官僚感が否めない。ゴリゴリの保守愛国心がやや着いていけない感はある。
投稿元:
レビューを見る
葛西には、良くも悪くも臆面のなさやエリート意識を感じさせられる。膨大な現業職員と一握りのエリートという国鉄育ちゆえだろうか。また、そこで労働組合と戦い、そして勝利したということも、ますます助長したのだろうか