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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
これが実話というのがすごくて。ゾクッとしました。娘の立場からしたら、つらい日々を送り、挙げ句に、実母を殺してしまったわけですが、殺された母親の立場から見ると、母親なりに精一杯だったと思いますが。視点変えるとね。
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幼い時から母の期待に応えるべく生き続けてきたあかりが、「母からの呪縛」から逃れるために母を殺害、バラバラにして遺棄という犯罪を犯してしまった。
あかりの証言からドキュメンタリーとして綴られたこの本は読んでいて苦しくなる。
娘のあかりの証言だけとはいえ、別居の父親や助けを求められた教師の証言から、その母親の異常性も垣間見られる。
この母親の元で30年間過ごしてきたあかりの苦しさはどれほどだったのか、他に逃れる方法はなかったのか?
今、自分の希望する未来に向かって歩んでいてくれますように。
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なぜ母親は
娘に殺され、バラバラにされて
遺棄されなければならないほど
子に執着し、依存し、寄生しなければ
ならなかったのだろう?
かつて同じように
ひとりの娘だった頃、似たような境遇に
あったのだろうか?
果たして母親が
この世の中からいなくなったことで
本当にその呪縛からとけ
娘という牢獄から抜け出せたのだろうか…
もやもやした感情が残る。
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2022/12/20リクエスト 1
懲役10年の判決を受けた、髙橋あかり(仮名)。
彼女の9年の医学部受験の浪人生活、その前の幼少期から生活を支配し続けた、母親の妙子(仮名)。
読んでいるだけで、とんでもなく辛い生活で、その中でよくここまでやってきたな、と思うと共に、どうして母親を捨てて逃げなかったのか、今の日本で、不可能では無いのでは、とも思う。
洗脳されていて、というわけでもなさそうで、その点がよく理解できなかった。
あと、彼女の歩んできた、浪人生活自体が長いこと、母親の言う事、要求することが、多々変わることで、読み込み不足かと思うが、時系列、いつどこを受験して、結果はどうで、浪人したのか、仮面浪人したのか、大学生になっていたのか、よく分からなかった。
医学部は途中から無くなり、私の中では突然、助産師が出てきて、ますます混乱した。
ただ、この経緯は話の中で重要なことではなく、母子ふたりしかいない生活の中で起こった歪みであり、ふたりしかいない生活を送る人たちは、他にもたくさんあるであろうが、たまたま、あかりと妙子の間で様々のことがもつれにもつれ、結果的に殺害に至った。ということだと感じた。
一審の大津地裁では、今まで母親相手にずっと嘘を付き続けてきたから、他人相手になら欺ける、という考えで、殺人を否認していた。その大津地裁の裁判長に言われた事で、嘘をつくことを止めようと考えた。
「お母さんに敷かれたレールを歩み続けてきたが、これからは自分の人生を歩んでください。」
誰にもわかってもらえない、しんどさを裁判官、裁判員にわかってもらえた…
この言葉で迷いがなくなり、殺人を認める陳述書を書き、身柄が大阪拘置所に移される。
新聞で読んでいるだけでは、分からなかった真実に近いものが、少し見えた気がした。
彼女には、自分にしかわからない苦悩があっただろう。
出所後は、そのような人をサポートする仕事についてほしいと思う。
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読了。
2018年の滋賀医科大学生母親殺害事件、ノンフィクション。
毒親に支配されながら9年浪人、最後はバラバラに死体遺棄。
親の言うとおりにしてても環境や状況があるのだから上手くいくはずもなく、なんで母親は思い通りにさせたがるの?
子は反発できず、支配されていたんだろうな。
私も娘だけど、
毒親までは行かないけど両親は厳しかったから、
私の子には『自分で未来を選んでいいよ』と思って育児したら、何の衝突もない。
だって私の子は1人の人間。
私の人生ではないし、私の顕示欲の道具でもないから。
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教育虐待が招いた娘による母親殺害のノンフィクション。衝撃的な内容に手が止まらず一気に読み進めた。あかりさんの人生を奪った母親の我儘に苛立ちを感じた。母親自身が出来ないことを子供に強要し、出来なければ、執拗な虐待を繰り返す。幼少の子どもにとって親はすべてであり、狂気的な虐待を何年も受けながらも母親に申し訳ございませんと謝るあかりさんが痛ましい。生きづらい社会が引き起こすのか、このような事が起きないよう毒親から子ども救う世の中になってほしい。
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読み終えて、まさに書名通りだなと思った。
受験、受験、受験。成績の良し悪しと母の機嫌を気にせずに生きてみたかった。
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
犯行は、母から解放され、母のいない自分の人生を生きるためどうしても必要な手段だった。
作品の中から気になった文章です。
こうなるまでに何か出来ることはなかったのか。
母親は何故、娘の人生にここまで執拗に関わってくるのか。
この人はどういう環境で育ってきたのだろうか?
何故
母親への「何故」が残ってしまいました。
母親を殺してまで手に入れたかった「自由」
娘の気持ちを想像するけれど、言葉がみつからない。
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母を殺した娘は、ツイッターに、「モンスターを倒した。これで一安心だ。」と、投稿した。『医学部9浪』の娘は、なぜ母を刺殺したのか…
これがノンフィクションとは。現実とは思えない。ただあかりさんが気の毒で…罪を償って今度こそ自由になってほしい。
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教育虐待、という言葉を初めて知った。なぜ娘が母を殺したか、その過程がよく分かる。常軌を逸した娘の管理。最後、裁判官や父親や学校の先生との温かいやりとりが救い。絶望から人を救うのは、わたしの心に寄り添って心配し応援し助けてくれる人の存在。
未だ残る謎は、なぜ母はそんなにも娘の学歴に執着していたのか、ということ。
自身が母親に選ばれなかったことで自己肯定感が著しく低く、さらに自分の学歴の低さにも劣等感を持ち、その穴を娘で埋めようとしたのだろうか。娘の学歴を通して、自分には高い価値があることを自身の母親や世間にアピールしたかったのだろうか。
わたし自身が長男に対しては学歴コンプレックスを持つ教育ママであったことを思い出す。
親の仕事は、子どもの可能性を信じて見守ること。肯定すること。必要なときに少し助けること。
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感想
教育者と被教育者の人格。教育者は自分のコンプレックスや過去を投影してしまう。自らを超克し相手の存在を肯定する努力。教育者の成長が必要。
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「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
こんな文を、母親を殺した直後にSNSで発信する心境。彼女の精神状態が「高揚感」だけでは片付けられない事態になっていたことが窺える。
とは言え、どう感想を書いたら良いものか、とても迷う。
ただ読んでいる間はずっとつらくて、特に母親に罵られる場面や2人のLINEなどでのやり取りの、母親の文面を目にしている時などは、本当に言葉がひどくて、負の感情に当てられるのはこんなにも第三者の心まで抉るものなのかと痛感するほど。
母親の教育方針、という言葉だけでは片付けられない、教育虐待という状態。あなたがしているのは異常なことですよと、ぜひ母親に知ってほしかった。殺してしまっては、反省させることもできないじゃないか…。
どちらかが死なないと終わらないどん底の深い闇に、近くにいた誰かしらは気付かなかったものかよと悔しくて仕方がない。
当事者だけであったからこそ、完全に狂ってしまった歯車。祖母なり父親が、母親に強く言えていたら…。先生や卒業校の職員が…母親の友達が…。
読むのもつらかったけれど、教育虐待の一例を知ることができてよかった。著者の齋藤氏の書き方が、また良かったのだろうな。
事件を知っている方にも知らない方にも読んでほしい一冊だけれど、ぜひメンタルが削れたり疲れていたりしない時をお勧めします。
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どこの家庭でも程度の差こそあれ、この様な親子のやり取り、良かれと思いがエスカレートし、起こりそうな事であるが故に、みなが心を引き付けられ読みいってしまう、著者の文才もあり、引き込まれ、その結果一気読みとなる本に久々に出会えました。
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こうなるしかなかったのか・・・
もっと、違う方法があったのに。
殺人を犯す前に、母親から離れることが出来れば、今頃看護士として、しっかり自立して生活出来ていたのに。残念で悲しい。
罪を償ったら、お父さんと平和に暮らせる様祈っています。
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医学科への進学しか許さないという母と9年もの叱責罵倒暴力を受けながらの浪人生活を送り、看護科への進学を許され卒業しいよいよ母から離れ看護師として自立する希望が見えた矢先に助産師でなければ許さないと罵倒され、遂には殺害に至る。ノンフィクション。もっと早い段階で何か手立てはなかったのか孤立した母娘の闇が深く心が削られた。
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2023年1冊目にどえらい本を選んでしまった。事件ものノンフィクションというとおじさんライターの牙城イメージ(私の偏見)だったけど、若い記者が被告や被告に起きたことを真摯に懸命に、丁寧に解きほぐしていく様が読み取れた。
追いつめられ、どうすることもできずに立ち往生している人達が世間にはきっとたくさんいるのだろうな。この母子にも、あと一歩踏み出せば手を差し伸べ救うことができた人もいたのだろう。チャンスはあったはず。それを最悪の結果に至る前に救い(掬い)上げられないのが今の社会なんだと思うと暗澹たる気持ちになった。
捜査の結果とは言え自分のことを「理解してもらえた」こと、父親が自分を見捨てなかったこと、何の裏もなく人が人を褒めることもあるということに新鮮な驚きと感激を感じ、否認から一転したところなど、「素直ないい子」だったのだと思った。母との世界にいたための純粋培養の結果だろうか。