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紙の本
最後の一文に心震えた
2023/02/02 00:48
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まるぞー - この投稿者のレビュー一覧を見る
執筆者の齊藤彩さんは、主人公の高崎あかりよりも年下の若手の記者ですが、すごい方ですね。高崎あかりに寄り添い、真摯に向き合い、高崎あかりの心からの信頼を得て本書を刊行したのがよくわかります。読みやすいし、一気に読んでしまいました。
全体を通して引き込まれますが、私が最も心震えたのは最後の一文。
何気ない、ささやかな一文なのですが…
高崎あかりは、確実に実在しているのです。
不幸にも犯罪者となってしまった高崎あかりさん(あえてさん付けします)という一人の女性のこれからの人生を、できる限りの敬意を払って応援しているのだな、ということが、よく伝わりました。
読んで良かったです。
紙の本
呪縛と牢獄
2023/03/20 07:36
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小野妹子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
母と娘。
関係性に共感する読者だけでなくても、引き込まれるタイトルと帯メッセージ。
ページをめくる手が止まらなくなるほど読みやすく、分かりやすい文体。
娘さんの視点からのみ描かれているので、この親子の根底に潜む確執は本当のところ分からない。が、どうしたら救われたのだろうのか?と読後、思いを巡らさずにはいられなくなった。
「毒親」「モンスター」と、一言で括ってしまえばそれで済んでしまうのだろうけれど。
フィクションや小説では無い。ルポルタージュであるところに、この作品の怖さがある。
紙の本
最後までメンタルが削られて、やっと救いの手が見えても遅い
2023/09/28 18:38
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
プレッシャーの度合いは違っても、プレッシャーの向かうベクトルが同じ家庭環境に身を置く人は多いと思う。生活を豊かにするはずの学問が、いつの間にか安泰のための必須知識へと論点がすり替わっているような、無意識下を侵食する社会の要請。一般的にその要請に従えば確かに幸福を得られるのだろうけど、娘を持つ母親のメンタリティの全てがその要請を満たすことに向けられるとどうなるか。娘視点で惨劇に至るまでのロードマップが描かれているのが本書だ。
厚顔無恥を承知で述べるなら、彼女に共感する点が多々あった。望まぬ習い事や勉強。子供のパーソナリティや志望を無視した強硬なエリート主義。彼女の母は、何故ほどほどを許せなかったのか。もう尋ねることはできない。
娘が罪を認めるまでに得られたコミュニケーションが唯一の救いで、本文はほぼ地獄の様相を占めている。通読の際は心の丈夫なタイミングを選ぶべきだろう。壮絶なルポルタージュの中には、きっと我々にも救いを与えてくれるような、一粒の輝きがあるはずだ。
紙の本
一気読みでした!
2023/06/18 21:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムーミン・パパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルポルタージュとして、読み物として上手く出来ていると思いました。
恐らく報道では「母親の異常性」にはあまり触れられることもなかったのかこの事件自体についてはあまり記憶に残っていません。
この本では背景について、ここまでよく調べられているので、小説を読むかのように一気に読めてしまいました。母親は既にこの世にはいないので、どうしてこのような性格になってしまったのかを正確に知ることはできないでしょうが、そこをもう少し知りたかったと思います。
この母親の異常性は、所謂「優等生が劣等生を見下す」のではなく「自分の劣等感」から娘に辛く当たるようになったのでしょうか?
「父親は何をしていたのだ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、この立場に立たされたら自分も何も出来なかったと思います。寧ろ、娘の逮捕後も「家族だから」と支えられる強い人だとおもいます。
殺害された母親の生い立ちを考えると、一概に彼女を責めることもできないとおもいます。その根源は奔放すぎた「アメばあ」にもあるのでしょう。
読み終わって最後に「ここに書かれているのが全て事実なら刑期10年は重いな」と感じました。
紙の本
残酷
2023/10/30 18:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悟空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にやっていたであろう虐待のシーンがなかなか残酷で少し気分が悪くなりました。人を殺してしまったことは悪いことだけど、主人公にこれから先良い未来があることを願ってます。
電子書籍
娘から見た「母という名の呪縛と牢獄」
2023/03/14 11:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なかむら - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にあった事件の加害者側の手記。
共著とされていたが、良い意味でバイアスのない淡々とした文章で構成されておりとても読みやすく、加害者の置かれていた絶望的な状況がストレートに伝わってくる。
タイトルを一見して、双方の状況を読めるかと想像していたが、被害者(母)側のことは加害者視点の振る舞いのみで略歴はあったがほとんど触れられていなかった。
記述されている被害者の振る舞いはその殆どが常軌を逸しており、残念だが加害者にとっては行動を起こしてしまう要因足り得るものだったのだろうと感じた。
母という呪縛に囚われていた加害者だけでなく、同じように囚われていた本人(被害者)のことが、もう少し記載されていたらなぁと思った。