投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクト最後に作品。
この作品のテーマが丁寧に描かれていて、全作品の中でも1、2を争う良作。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクト7作目。
乾ルカの作品は初めてだったが、とにかく文体や表現方法が綺麗、と言うより最早“美しい”といった印象。ストーリーも然る事ながら、まず描写力に感銘を受けた。特に重要な人物の台詞は訛りが激つよの言い回しだが、何故だか読み易くスッと入ってくるのは、著者が言葉の響きや一文字一文字にかなり気を遣って言葉選びをしているからなのだろうと思う。
それに話の大筋から細かな部分にまで、螺旋プロジェクトのルールが巧みに落とし込まれていて、というかむしろ、一瞬その企画性みたいな部分を忘れさせる程の馴染ませ方が凄まじいと感じるほどだった。
現在、螺旋プロジェクトを通して読んでいる中で、TOP1、2くらいに刺さった。
このシリーズの他作品との間で伏線回収がなされる感じが読んでいて気持ち良かった。
著者の他作品も読んでみたいと思った。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクト
第二次世界大戦末期の話のため、悲しさは避けられないけど、二人の少女の成長を感じた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「みんなで一斉に書きませんか?」
伊坂幸太郎さんのひと言から始まった螺旋プロジェクトの第五弾。
螺旋プロジェクトとは
◇「山族」と「海族」の対立を描く
◇共通のキャラクターを登場させる
◇共通シーンや象徴モチーフを出す
という、共通ルールを決めて8人の作家さんにより書かれた原始から未来までの物語。
山族、海族という独特で何だか難しいテーマを、それぞれの作家さんがどういう風に物語に落とし込んでいくのかが見どころ。こういうの楽しい〜♬
螺旋プロジェクトの作品を読むのはこれで3作目だけど、読んだ3作の中では1番このテーマが自然に馴染んで描かれていた気がした。
戦争により疎開してきた清子と、疎開先に住むリツはひと目合った瞬間から気配だけで、理由も分からずお互いを忌み嫌い合っていた。
血が騒ぐというか、そこにはルーツの違いによる先祖からの深い因縁があった。
世の中、相容れない相手とも関わっていかなければならない事もたくさんある。
そりの合わない2人の少女が、自分自身の心と対峙し成長していく姿がとても良かった。
好きにはなれなくても、相手を尊重する気持ちって大切だな〜と思わせてくれる話だった。
清子がまだ6年生だというのに立派すぎたな〜。
この時代と清子の境遇がそうさせたんだろうな。
結末はなんとなく察しはついたけど、ショック
戦争の残酷さと人の命の脆さを痛感しました。
巻末の清子とリツの後日譚がとても好きだった〜
この終わり方だからこそ良かった♡
中央公倫新社さんのご厚意で読ませて頂きました♡
とても良かったです!!
ありがとうございました✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
面白かった。
螺旋プロジェクトの内の1冊。読むのは本作で4冊目ですが、読めば読むほど繋がりが見えてきて面白くなってきました!
本作は昭和前期の戦時を描いた作品。
高源寺で暮らす山の民のリツ。そこに東京から疎開してきた海の民の清子。
出会う前、相手の存在を知る前から、お互い得体の知れないピリピリした嫌悪感を敏感に感じ取っていた2人。
もうこの時点で何かが起きる気配がして期待感でドキドキ…。
反発し合う孤独な2人に、ある日起きた決定的な出来事。その後、自分を律することで起きる周囲の変化や自身の気持ちの変化。
まだ幼い二人の少女が自分と向き合い変わろうとする姿が印象的でした。
清子のお母さんの言葉も深い。
あっという間に物語に引き込まれ、ほぼ一気読み。
作品を通して改めて「戦争」について考えさせられたし、大きな不安や奪われる日常、大切な人のことを想像した。
分かりやすいハッピーエンドじゃないけど、きっとこの先も彼女たちの未来は続いていく…。
そんなふうに思えるラストが結構好きでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【収録作品】コイコワレ/九月、急行はつかり車内にて-書き下ろし特別収録短篇-
競作企画「螺旋プロジェクト」の昭和前期編。書き下ろし短篇が読みたくて再読。清子のその後と、リツとの後日譚。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「螺旋」プロジェクトの6冊目。初読みの作者さん。今度は昭和初期、戦時中の児童疎開によって出会った二人の少女の物語。
蒼い目の清子ととがった耳のリツ。血の呪縛の宿命に理由も知らず互いを嫌悪するふたりの対立と微妙な心の変化が描かれる。
『螺旋プロジェクト』ではなく単品で読んだとしたらこの対立の背景が分かりにくい気がするが、訳もなくがっつり忌み嫌いあうふたりが螺旋のお守りをキーにして距離を縮めていく様にはこのプロジェクトの底流にあるものがしっかり描かれていたように思えた。
素直な筋立てにはちょっと物足りないところもあったが、言いたいことが言えない戦時下の状況や、それでも自分を律して生きることの美しさや、敵対する相手であっても自分の気持ちをそのままぶつけることなく自制することの大事さなども描かれて、佳い話になったようにも思う。なんとなく青少年向けという感じだったけどね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
始めの章のタイトルが読めなかった。
二点しんにょうに、つくりは「后(こう)」なので、読み方はコウなのかな?とは思いつつ。
邂逅(かいこう)という言葉がある。
思いがけず巡り会うという意味らしい。
では、この章のタイトルも「こう」と読み、「思いがけず巡り会う」海族の清子と山族のリツを表しているのかな。
まだ不馴れな方言に少しだけ読みづらさを感じながら第一話を読み終えて、
第二話のタイトル「恋う」で気が付く。
珍しく目次を読み飛ばしてしまっていて気付かなかったが、
「コイコワレ」は全ての章のタイトルが「コウ」なのだった。
私にとって「コイコワレ」は螺旋プロジェクトの最後、8作目の作品だ。
「戦時中の疎開先で出会う少女二人」という背景から想像していた設定よりも、
もっとずっと強烈に互いを嫌悪する展開だった。
ここまで敏感に互いを意識し、激しく嫌悪するのは、8作品中一番かもしれない。
始めは次の展開が読めてしまって、どうかな?と思っていたが、そこは『螺旋プロジェクト』。
物語が展開してゆくにつれ、大切な事が語られ、キーアイテムも登場し、他作品を思い起こされる部分もあり…結局は楽しく読めた。
あっという間に読み終えてしまった。
二人は小さな宮城の山村の、避けようもないくらいに狭い社会で出会ってしまった。
東京から疎開してきた清子。
でもその蒼い瞳のせいで、同級生たちからは米英人の血をひくものだといじめられてきた。
心の拠り所は、母が彫ってくれたお守りだけ。
一方、山村の寺に住むリツ。
でもその大きな耳のせいで、地元の国民学校の生徒達から山犬とからかわれ孤立していた。
優しくしてくれる寺の健次郎に幼い恋心を抱きながら、唯一頼れるのは山に住まう源助爺つぁまだけ。
源助の片方の目は蒼い。
読んでて息苦しくなってしまった。
世界が狭いのだ。
戦争という大きな対立が背景にありながらの、舞台は宮城県の山村。
戦時中の日本、お上は絶対的。年功序列。
学校教師も歩み寄ってくれるような存在ではなく、高圧的。
貧しい山村にも容赦なく届く赤紙。
疎開先の、狭い村社会の中の、ひとつの寺。
その寺に、清子もリツも共に生活することになる。
身近に身内もおらず、同級生からも孤立している2人が、お互いを嫌悪する。
始めは理由も分からず嫌悪し合う二人だが、物語が進むにつれ、殺意を伴う激しい憎悪を意識するようになる。
「小国民」って嫌な言葉だ。
清子やリツのような子供を表す言葉でもあるけれど、
例えば「お国のために戦う兵隊さん達に、私のような小国民が出来ることと言えば…」のように、まるで自分を卑下するような意味でも使われる。
小国民としての心構えを忘れず、お国のために尽くせる大人になるよう励む。
嫌な時代だ。
互いの憎悪がピークに達した時、とある事件が起きる。
この事件により清子とリツの対立は決定的となるが、
その後、清子の母親が疎開先にやって来て清子に話したこと、その話をリツも耳にしていたことで、
最悪だった関係性に変化が生じる。
清子とリツはそれぞれに慕う、母、源助からの言葉から考えを巡らせ、どうしょうもない自分の中の嫌悪の感情と向き合い、変わってゆこうとする。
己の内側からの気付きもあり、少しずつ行動に移す。
聡明な清子は考えを巡らせながら、
不器用なリツは行動を起こしながら、
自分達に出来ることを見つけ、変わってゆく。
それはとても健気な努力だった。
大人の我々でさえ、見習うべきところがありそうな。
共通ルールである「お守り」の登場は勿論だが、
ここでもラムネが登場する。
「ラムネのガラス瓶」は「天使も怪物も眠る夜」の重要アイテムだ。
リツが夢の中で、渦巻く濁流に巻かれながら過去未来を駆け巡るシーンがある。
この先の未来で登場する「壁」や、原始の人々を目にするのだ。
その夢の中で清子が呼ぶ「みやこさん」って、「シーソーモンスター」の「宮子」なんだろうか…。
巻末の解説を読むと、特別収録である「九月、急行はつかり車内にて」は、乾ルカさんの他作品ともリンクしているようなので、気になった方はチェックです。
『螺旋プロジェクト』読了。
やはり達成感と、壮大な螺旋の歴史に触れた充足感がすごい。
8作家さん其々が個性的で、渦巻いて繋がってゆく世界観が圧巻だった。
いつか年表の時系列に読み直したいが、今回のように行ったり来たりしながら読んだからこその、別の楽しみ方を味わえたように思う。
第二弾がとても楽しみ!
【蛇足】
「コイコワレ」の物語って、教員や親御さんも含めて、小中学校等での教材に向いてるかもと思えた。
子供にとってのリアル社会って学校がほぼ全てで、逃げる場所もなく、そこで除け者にされた場合、世界は恐ろしく孤独だ。
親に心配をかけたくなくて、口を閉じる子供も居るだろう。
でも「コイコワレ」の清子には、子供の変化を敏感に察する母親がいた。
リツには、打ち明けてみようと思える大人(源助)が居た。
清子もリツもそこから考えて、変わろうとする。
そしてその変化を少しずつでも受け入れてくれた級友が居た。
互いに歩み寄れば、世界は好転の気配を見せる。
大事なのはきっと、内側からの気付きと、様々な人間が居るとお互いが認め合うことだ。
そして周りの大人がいつでも「子供が相談したいと思える大人」でいること。
小さな世界の小さな変化が積み重なって、
大きな世界も少しずつ変わっていくんじゃないだろうか。
【追伸:全プレ届きました!】
応募された皆さんのところにも、そろそろ届いているのでは?
私事ながら今月の生まれでして、誕生日当日に届いたもんだから喜びもひとしお。
それに思っていたよりもずっとしっかりしたトートバッグが届いてびっくりです。
海と山の缶バッジも素敵で、クラフト・エヴィング商會のセンスが光っておりました♪
使うのが楽しみ!う~ん、でも勿体無い!どうしよう…と、ニヤニヤしながら悶絶しております。
ポストカードも素敵で、全巻読破したのだという喜びが再び押し寄��ました。
出版社の皆様、作家の皆様、関わられた全てのスタッフの皆様、本当に有難う御座いました。
第二弾の螺旋プロジェクトも楽しみにしております。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクトから、初めて著者の作品を読んでみて。
螺旋プロジェクトを知らずに、これを単作として読んだ場合、違和感を感じると思いました。
まず、顔を見る前から(出会う前から)、近づいてきただけで空気が刺してくるように不快になる人物、という設定に感情移入しにくい。
これは、螺旋プロジェクトの海と山の対立を知っていなければ、ただ不思議な設定に感じられます。
螺旋プロジェクトは、好きな作家から読み始めたことで、未来から逆に時代を遡る順で読み進め、本作で4冊目でしたが、プロジェクトの背景をなぞるだけの構造で、作者なりの内容や伝えたかったであろうことは、ただ表面をスルスルと滑っていくだけで、深くまでは浸透しませんでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ちょっとずつ、頑張って変わっていこうとする清子とリツに心打たれました。
その関係性や関係性の変化は、理性ではなく本能によるものだから、さらに魅力を感じたのだと思います。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクト、いよいよ昭和に入ってきた。年代順にいくと、次が伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスタ』になる。再読してから、次の『死にがいを求めて生きているの』を読もうかと思案中。
本作も物語に引き込まれ、楽しめた。海族と山族の因縁の対決が、どのように昇華していくのかを示唆しているような作品だと感じた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
本質的な部分で分かり合えない相手と出会ったり、関わったりする場面は誰にでもあると思う。
「嫌いだ」「苦手だ」というネガティブな感情を制御するには、とにかく相手のことを考えて、分からなくても分かろうとすることが大事なんだと思った。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
戦時中、疎開先での出来事。主人公の母親が話す言葉が胸に刺さる。
日々の営みの中で生まれる違和感は、理由がないように思えてもなにかしらの原因はあるんだなと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
海と山で始まりやっぱり海と山で終わるんだ。何か経緯とか歴史が出るのかと身構えたが、それはもう理屈じゃない大昔からあるもの そういう事なんだって事。お互いが嫌悪感に気付きそこにいるのが分かる理解したって凄い でもあってもいい筈。どれもこれも不思議だけど、老木を見つけて掘るのと光のと邪念で割れるのと興味大、清子母が亡くなったのが残念 電車に乗らず命を守るリツと教師になって会いに行く清子 あー良い話だな ちゃんとしてるな 不思議だけで終わらせないなあーって乾ルカさんの守備範囲の広さ。順番付けれんけど、心音 花が咲くとき あの日に帰りたい メグル
わたしの忘れ物 明日の僕に風が吹く 良い凄くいい みんな違うから、思えばてふてふ荘へようこそがスタートだったがよくも見つけて貰えた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
螺旋プロジェクトは2冊めだが、海族山族にはやはりどうしてもなじめなくて、なじめないまま終わった感じ。