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主人公は何度もパラレルワールドのゲート目指して自宅最寄駅から会社とは反対方向の急行電車に乗ります。
ワンダーランドと言えば普通はWonder Land=不思議の国ですが、読んでいるとどうもWander Land=さ迷う場所という気がします。まあパラレルワールドものですから「さ迷う」で問題はないのですが、主人公だけでなく著者もどこかさ迷ってしまっているようです。
出だしからどうも弾まないのです。荻原さんだからどこかで面白くなるだろうと読み続け、さすがに終盤は少し盛り上がったのだけど、全体としては不発かな。脇役達がベースは同じでもパラレルワールドの環境で違いで人間性が変化するのは良いのですが、その変化幅の大きさに納得いかないまま読み進めることになってしまいました。
パラレルワールドというキーワードで書き始めたけど、落としどころに「迷った」そんな感じのする作品でした。
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コロナ禍の中、40歳の主人公・野崎修作が、通勤と反対方向の電車に魔が差して乗ってしまったことを機に、似て非なる世界に迷い込んでしまうという小説。
世界の分岐の可能性に思いを巡らすことができ、社会風刺も効いていて、なかなか面白かった。
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ふっと思ってしまう。
毎朝、通勤電車に乗るけれど…足が向かない。
いっそ、違う電車に乗ってみようか。
たまたまなのか、いつも乗る電車は遅延している様子。
よし、ちょっと下りの電車が空いているので座ってみよう。
ちょっとの間が、ドアが閉まって動き出し、しかも急行でしばらく停まらない。
サボリを決め込み、会社には体調不良と電話して降りたこともない駅まで行く。
山に登り寝転んで気づくと日が落ちている。
なんとか帰ってきたものの…。
何やら勝手が違う。
これは異世界⁇
妻もいる。会社もあって同僚もいるのに、全てがおかしい。
そして二度目の異世界。
妻が違う。会社での自分の居場所が違う。
まったく話が繋がらない。
三度の異世界、もはや何年なのだ…。
わけがわからなくなるほどの繰り返し。
自分の選ばなかった人生のやり直しなんだろう。
確かにこの道を選べば、今とは違う人生だったのにと思うかもしれない。
だが人生は、選択の繰り返しだろう。
やり直しが効けば、もう一度となるのだろうか。
いや、彼は元に戻りたいはずだと。
どれが正解なのか、どれが自分のいるべき場所なのかを探して何度も異世界を見ることになるのだが…
もう、下りの電車には乗るのはやめにしたら、と言いたくなった。
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久しぶりの荻原さん。期待を勝手に膨らませていただけに…珍しく外れ。パラレルワールド描いたSFとしても…。「コロナが生んだあれこれや、コロナのおかげで瘴気のように噴き出してしまった諸問題がイヤというほど自分たちの愚かさを気づかせてくれた」「ただの偶然や些細な選択の違いが私の人生を大きく変えてしまうってことだ」その通りだけど気にして生きる訳にはいかない。その時々でベスト尽くすのみです。
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初版は日経新聞紙上での連載であり、単行本も日本経済新聞出版から刊行された、荻原浩さんの新刊である。カバーには、マスクを着用した会社員が描かれている。漠然と、コロナ禍がテーマなのかと想像し、読み始めたのだが…何故、日経???
平日の朝、会社に行きたくないと思うことは、誰でもあるだろう。それでも、大多数の勤め人は結局は会社に向かうのだが、40歳の主人公・野崎は、会社と逆方向の電車に乗ってしまう。そして山中を彷徨い、街に戻ってみると…。
コロナ禍のはずが、誰もマスクなど着けていない。むしろ気味悪がられる野崎。そして彼も徐々に気づく。ここは彼が元いた世界ではないことを。一言で言ってしまえば、本作はパラレル・ワールドもの。設定として決して目新しくはない。
マスク非着用以外にも、現実世界との違いに野崎は戸惑い、読者は苦笑する。笑えないネタもあるものの、基本的には荻原浩流のユーモア路線である。次第に適応し、興味津々の野崎だったが、晴れ舞台(?)を見届けることなく、脱出を図る…。
…が、2番目の異世界では、1番目より重い展開が待っていた。5文字と4文字のあるキーワード。現実社会も似たようなものだが。何より、野崎の家庭状況が辛い。こんな愛のない窮屈な家庭でも、野崎はある理由で脱出を躊躇する。気持ちはわかる。
それでも2度目の脱出を決意した野崎は、ようやく気づく。どこが異世界への扉なのか。そりゃ読者も気づかないよなあ。意図せず踏み入った3番目の異世界は、もはやコロナ禍は関係ねえし。似たような設定を読んだことがあるような。
コロナ禍を取り入れたことは本質ではなく、基本は荻原さんらしいエンタメ作品だ。感情が過剰に揺さぶられることもなく、誰にでも読みやすい。自分が荻原作品に求めるものを具現化したような作品だった。と、ほっとしていたのだが…。
最後の最後に、目が点になった。へ??? これはつまり、そういうこと??? うーむ、荻原浩をなめていたかもしれない。どうしようもないこの世界だが、自分はしがみつくしかない。そして今日も、会社に向かうのであった。
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ハリウッドとジブリの映画をまぜこぜにしたような感じはしたけど…けっこう面白く、個人的には好きです。
誰しも、コロナウイルスが世に蔓延らなかったら、今頃自分はどうしてたかな?と想像しますよね。
まあ、この作品の最初のパラレルワールドのような、他の困難が発生してた確率も高いでしょうが。
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パラレルワールドを転々とする男。
今ハマっているドラマ「ブラッシュアップライフ」にも通ずるものあり。
でもなんかざらつく印象。
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コロナ禍になったときのモヤッとした違和感を暴走させたらこうなった!
感覚的には面白いけど中身は薄い。
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しばらくこの手の本を読んでいなかったので、なんだか気持ちが晴れやか(笑)
やはり小説には、こんな奇天烈が必要。
といっても、昨今の危惧すべき事象がふんだんに盛り込まれていて実は深いのです。
うん、コロナ禍で腐っていてはいけない。
先を見るしかないのです。
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普段の通勤電車を反対方向に。そんなテレビ番組もあったが、サラリーマンの逃避願望か。その先がまさかの異世界。コロナやポリコレなど世相を盛り込んだファンタジー。
異世界が出てくる現実感のないストーリーにはついていけず。私的には下りに乗り込んだ先にファンタジーだ出にないリアルな話であってほしかった。題名からしてワンダーランドなので、読者の問題だろうが。
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「憂鬱」の文字が頭に浮かんだ野崎修作・40歳。
いつもの通勤快速とは逆方向の急行列車に乗り、辿り着いた先は素晴らしきワンダーランド…ではなく途轍もなく奇妙な異世界だった。
本人の意識はそのままに、街も家も会社もなんかヘン。
妻との会話も噛み合わない。
異世界に迷いこんだ事に気付いた主人公の悲喜こもごもが笑いと切なさと共に描かれる。
戻りたい、でも戻れない。
異世界抜けたら又異世界。
彼は無事に元の世界に戻れるのだろうか。
彼の運命はいかに。
終盤の展開にホッとしたのも束の間、ラストのオチで大きな溜め息がこぼれた。
ああ無情。
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現実逃避したい男がある日、反対方向の電車に乗ることからパラレルワールドに迷い込むSFなのだが、仕事や家族に変化があるだけではない。コロナウイルスが存在していなかったり、牛が世界に12頭で絶滅確定だったり、思考警察などという、偏見を少し持っただけでも捕まる世界もある。元の世界に戻ることに迷いを感じながらも、ここにはいるべきではないという確実な理由が見つかり、原因と考えられる電車に乗って戻ろうとする。だがなかなかうまく戻れないのだ。何度も違う世界を見せられると、全て信じられなくなりそうだ。
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ふと魔が差して、通勤列車と反対方向の電車に乗った主人公。山の中をさまよい帰ってきたところ、そこは微妙な異世界だった。彼は異世界で活路を見出すのか、それとももともといた世界へ帰るのか。ユーモラスでシュールなファンタジーです。
異世界、っていってもあからさまな異界じゃなくって、ありえたかもしれない世界だというのは複雑な心境です。主人公の会社での立場も家庭の状況も、ありえないような事態ではないんだものなあ。迷い込んだ異世界が現在よりも少し良い状況だったりしたら、なんだか悔しいような気がするかもしれませんし。だけれど慣れ親しんだ世界に帰りたい気持ちは当然あるだろうし。
だけど素晴らしい異世界ってないのかなあ。コロナのない世界に行っても、別にまた似たような状況があったり。思考警察なんてこれまた極端であるにはせよ現実からかけ離れてもいないし。裏口の世界なんて絶対嫌だけれど、世界にはこういうところもあるものねえ。やっぱり平凡な現実が一番なのでしょうか。
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主人公の男性が異世界に迷い込んでしまう。夢なのか、現実なのか。時間軸が定まらず奇妙さもプラスされていて、読んでいて摩訶不思議な気持ちにさせられる。読了後は乗り物酔いのような感覚に陥りました。
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パラレルワールドに入り込んだり時間軸が行ったり来たりであまり意味を掴むことができなかった。
自分が選ばなかった世界にも自分がいるわけでそれぞれの世界の自分が自分の世界を精一杯生きるしかないかなと思った。