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写実画家の描いた人物画のような作品だ。
人物画は限りなくその対象を忠実に、正確に、精緻に描写していても、写真には無い特徴が出てくる。目鼻のバランス、肌の色付き、表情筋のつき方、数え切れない微細な箇所に現れるオリジナルである対象との誤差のようなもの。それがその画家の個性であり、人物画としての価値である。
このノベライズ『岸辺露伴は〇〇ない』シリーズにも同じものを感じる。オリジナル作品である漫画『岸辺露伴は動かない』と同じキャラクターであり、原作を真っ直ぐに踏襲していながらも似て非なる岸辺露伴のキャラクターが出来上がっている。
それは原作からの劣化という失礼な意味では無い。これがこのノベライズのオリジナリティであり、作者の個性であり価値だ。
オーディオオタク、ドラマ撮影現場と民俗伝承、日本の家屋建築、と今回は特にマニアックでニッチなテーマの短編集だった。
どれも読み応えあったけど、対峙する怪異のビジュアルがイメージしにくい作品たちだったのも事実だ。
だから、いつかこのノベライズシリーズを逆にコミカライズしてくれないかな。
そして、次はどんな『〇〇ない』なんだろうか。『叫ばない』『戯れない』『倒れない』と来て、さぁ次は。
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岸辺露伴は動かないシリーズ第3弾。全3話からなる短編集。
「黄金のメロディ」:追求者が追求し到達した結果が想像以上の異常。異常だと理解していても戻れない所までいった者。露伴は到達した彼にある意味で敬意を示しているが、ああはなって欲しくない。
「原作者 岸辺露伴」:作品は作者だけのものではない。そして作品に関わる以上は作品に敬意を持って接する必要がある。昨今の漫画原作のドラマなどはそういう感情を持って作られているのだろうか?
「5LDK○○つき」:麗水の趣味嗜好がおかしいのと神様の価値観が人間の基準とかけ離れているというダブル異常。露伴がまともに見える異常事態発生。
これまでで話数が1番少ないだけあって話も濃密だった。なにより各話のキーパーソンとなる登場人物が個性的な人ばかりで露伴じゃないが、ヘブンズ・ドアーを使いたくなる。そして今回もそのいざという時のヘブンズ・ドアーが効かない場面がある。その時の焦りながら考える事をやめない露伴がカッコいい。露伴が自分の信念を曲げない限り、岸辺露伴は倒れない。
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奇想天外。斬新奇抜。
想像力とスピード感が凄まじく
話しの流れについていくのが大変だった。
でも、それも心地よい疲労感。
フツーの人なら滑稽に思えそうなことも
勢いと力業で圧倒して有無を言わせない。
小説ならではの
自由なおもしろさがあった。
自分自身の想像力も試される。
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「黄金のメロディ」での泉京香ちゃんがすげーー良かった……。本当は雑誌編集の仕事がやりたかったけど露伴の担当としてちゃんと理解があるというか、露伴の漫画への情熱やプライドに対してリスペクトがあるのがとても良い。
露伴は人間的にあまり京香のことは好きではなさそうだけど、この二人本当にいいコンビなんじゃないかと思う。なんだかんだで京香ちゃん、露伴をやる気にさせるの上手いし…………上手いこと手綱握ってる気がする。
5LDK〇〇つき、アワビ密猟より前の話なのか。
動かないシリーズのスピンオフにしては珍しく、今回、時系列が分かる作品多かったなと思った。
原作から7年後って明確に書かれたの、初めてじゃない……?
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岸辺露伴は完全にひとり歩きして、ジョジョかどうかは関係なく魅力的なキャラクターだよね。今回の短編集も「露伴ならそうするはず」と根拠のない納得感があった。
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『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ岸辺露伴シリーズ短編集第3弾‼️
リアリティーに徹底的にこだわる人気漫画家、岸辺露伴がネタを探す中で遭遇する奇妙な出来事を描いています。命の危険にさらされながらも冷静に、かつ機転を利かせて危機を回避していく様がカッコいい‼️(性格は悪いけど…。)
奇しくも今日12月26日、27日ドラマ『岸辺露伴は動かない(こちらもシリーズ第三弾)』放映されます。高橋一生はまり役!楽しみ
今回の短編集でも二話目『原作者 岸辺露伴』なども実写にしたら良さそう♥️
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うーん面白い!岸辺露伴のスピンオフ短編小説集、初めて読みました。
感情揺さぶられました…!
これまでに出てるものも、これは、読まねば…!!
黄金のメロディ
伊坂恭明。露伴先生の小説デビューの新参者としては、初っ端から先生の言葉責めからはじまりウキウキでした。
「追求」とは、なんぞやという面白いテーマで、この話だけで一冊丸々いけちゃうんじゃない?っていう世界観でした。
しかも泉さん初登場の時間軸なんですね。
ドラマ視聴後、小説に来ましたら、時間軸がぐちゃぐちゃに…整理していきたいです。
原作者 岸辺露伴
尾原夢生。伏線を絡めつつ、終わるかと思いきや終わらない、ハラハラ。
117〜8ページのヤバそうなのが次々とでてくる感じ、漫画的で好きです〜。
白原さんのラストシーンがかっこよくて印象的。
5LDK〇〇つき
高島麗水。露伴先生が対等っぽい雰囲気出している人とこんなに会話してるところが見れる…読めるのは漫画ではないよなぁ〜とホクホク。
「好かないぞ」とか、かわいいかよ!
麗水は笑った。
露伴は、笑わなかった。
とか!小説ならではの表現でゾクゾクしました!
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「岸辺露伴は動かない」外伝小説の3作目。そういえば読んでなかったなァと思い買う。
結論から言うと、今までで1番良かった!!(叫ばない・戯れないを読んだのが少々前で印象が薄れてるというのもちょっとはあるだろうケド)3編とも北國ばらっど氏が書いているからなのか「創作」というテーマ的な共通点みたいなのもあった気がする。「黄金のメロディ」は鑑賞者の狂気、「原作者 岸辺露伴」は演者の狂気、「5LDK〇〇つき」は芸術家の狂気(「5LDK〇〇つき」の怪異の本質はそこではなかったけれど…)のようになっていて、ホラーだけでなく創作についても真剣に考えられる作品であったと思う。
言葉遣いもすごくジョジョっぽくて「原作者 岸辺露伴」で白原端午と言い合いをしているシーンとかは迫力があって面白い。「だから──作家ってのはさぁ〜〜…靴をすり減らして〈取材〉して、生きてる限りネタを追い求める生き物なんだ…(中略)〈それはそーと、それとは別にもう一本書きません?〉なんて言われたりするんだ」までの長セリフにはグッときた。小説だからこそできる原作には見られない長台詞だろうし、作家の性を言い表したセリフになってるんじゃないのかなと思う。
キャラクターも1人1人が""クセ""で伊坂恭明とか白原端午、高島麗水とか短編で終わらせるのがもったいないようなキャラクターも多い。特に、高島麗水にはシビレたッ。単に家屋に興奮する変態というだけでも魅力的なのに、倫理的には優れていないがまっすぐとした芯を持つ生粋の創作者というのがあまりにもキャラクターとして強すぎる。両親が首を吊る時にしっかりと〈帰る場所〉で最期を迎えたことの嬉しさという異常な原体験や、自殺幇助をしている高島麗水に対し〈動かない〉岸辺露伴の対応もジョジョ的で素晴らしいと思う。
あ、あと良かったのは原作との繋がりがところどころで匂わされてた点。「金環日食の話とか」に繋げたのは凄い。自然すぎる。
匂わされてたのを整理すると、
六壁坂→黄金のメロディ→富豪村
5LDK〇〇つき→密漁海岸
→月曜日 天気-雨→原作者 岸辺露伴
…となるのかな。(「六壁坂→」のと「5LDK〇〇つき→」のでどちらが早いかは不明)
怪異の怖さも良かったがその倒し方も鮮やかで「原作者 岸辺露伴」は原作さながらの逆転劇の認識バトルでいい。伏せられていた業界用語のことを完全に忘れていたのもあってすごく良かった。
スピンオフ小説として素晴らしい出来の作品だった。映像・漫画としても見てみたいかもしれない。
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3話それぞれ違う話が収録。
共通項は「追究、執念」なのか、どれもプロフェッショナル。それが「まだここでは終わらせない」という先の予測できない展開に繋がっていて刺激的。
露伴シリーズはジョジョや露伴が分からなくても楽しめる話は多いが、実写ドラマの泉くんが登場したり、どことなく4部や、岸辺露伴の漫画の話も意識したような描写もあったり。ファンサ感があって尚楽しめました。
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なんか今回知能戦?みたいな感じで
とても面白かったり、切なくなったり…。
黄金のメロディと5LDK〇〇つきは、
読み終えると切なくなるというか
人間の愚かさの中の愛おしさみたいなものを感じた。
原作者 岸辺露伴はシンプルに面白い。
よくこんなストーリー考えるなー
と、毎回圧巻。
岸辺露伴メインのストーリーから
JOJOのアニメ見てます、
もうドはまりしてます。
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普通ではないありえない出来事に、どういう状態よそれ、と思いながら、わかるようなわからないような、でも変に納得してしまうオチに岸辺露伴ワールドを感じた。チンチロリン火災や広瀬康一がチラッと出てくるのが、嬉しい◎
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学生選書ツアー2023選書図書
【所在・貸出状況を見る】
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/search?q=9784087035292
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グロくても文字なら大丈夫(^^)5LDK住人高島麗水について「人を自然と自分のリズムに乗せてしまうところがあって、こんなつまらないジョークにも苛立ったりツッコんだりすれば、ドツボにハマって延々としゃべらされてしまう。空気を読むことを知らない子供のような、相手をムキにさせる力がある」おや!使いたくなる描写が多いので読んでて救われる、はまってしまう。岸辺露伴の切れ味と口の悪さがイイ(^^)
■黄金のメロディ
■原作者 岸辺露伴
■5LDK○○つき
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岸辺露伴シリーズ、小説版では三冊目。
本作中のセリフにもありましたが、だんだん妖怪ハンターみたいになってきましたね。
しかし、3話のラスト、何でアワビ取りの話に繋がるような終わり方にしたんだろ?
これ書いてる時にはすでにアワビの話ドラマ化するって判っていたとか?(この本読んでる最中に、私はアワビの話がドラマになると知りました。)
そう言う意味ではタイムリーな時期に読ませていただきました(汗
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不審な情報が入ってくる伝手のバラエティ・怪異の正体を解明する能力・本人の「まあ多少怪異にぶち当てても大丈夫だろう」感、やっぱり露伴先生単発怪異に遭遇させるにはあまりに適性がありすぎる。怪異側に謎の黄金の精神が宿ってた「黄金のメロディ」が一番好みだったかな。