紙の本
アイルランドは深い
2023/04/03 13:48
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイルランドというイギリスに複雑な感情を持つ国のことがこのところすごく気になる、アンナ・バーンズのブッカー賞受賞作品「ミルクマン」も面白かったし、ジョナサン・スウィフトやオスカー・ワイルドもアイルランド出身の人だ、そして、この作品、読む前から楽しみでならない
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何かが違ったら——
ふつうに恋人になってたかもしれないし、ふつうに親友になっていたかもしれない。でもそのどっちでもない。根が繋がっていて、最高にしっくりくるバディに見えるのに、「何か」でこうもすれ違ったり傷ついたり、くっついたり離れたり。不思議なものだけどそういうものなのか。
コネルがずっと「お前」って言うのだけ気に食わなかった。笑
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人からどう思われるか、見栄、自己肯定感の低さ、未熟さ、お互いのパワーバランス、属してる環境など色んな要因ですれ違いまくる2人を見ているともどかしい。2人の心の闇というか抱えている問題が繊細に描かれていて、単純にどちらかが悪いと言い切れないようなどちらにも問題があるようなほの暗さが終始続くため明るい話ではないけれど、不思議と瑞々しい青春に思える。
マリアンの「自分の本当の人生はどこか遠いところで、自分抜きで進んでいるという感覚があったがどうすればそこにたどり着いて参加できるのか分からなった」っていうところに共感してしまう
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人の目を気にしたり、自分の感情に素直になれなかったり、そういう人としての青臭さが、もどかしくて、コネルとマリアンに釘付けになってしまった。
不安定で脆い2人が、最後どういう結末に向かうのか、ハラハラしながら読んでいたけど、最後、自分に相手に素直に向き合うことができるようになっていて、成長したんだねぇと親心のような気持ちになった。そしてそれは、大切な人と向き合うことで、お互いが互いに影響しあって、普通の人間として自分を受け入れられるようになったのだと思う。
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数時間で一気読みした。セルフメディケーション本です。
ただの小さい町で育った2人の幼馴染の恋愛小説だと思ったけど、全然違かった。社会的格差やいじめ、恋愛の不平等さ、孤独感、フェミニズム...様々なことを考えさせられる一冊だった。個人的に共感することも多くあった。読んでいてお互いが孤独感を感じて、依存していると思ったけど、最後のページ、最後の数行でのマリアンの言葉で全て納得した。本当に素晴らしい、素敵な本でした!
※アディ・ラルーが好きな方はオススメです!
しかしながら、翻訳が少々...と言った感じは(個人的に)ありました。なので星4です。意味は分かるけど、なんとなくわかりずらいような感じ。「」がないので、誰がこの言葉を言ってるのかが分からなくなることがあります。
あと、主人公たちの優柔不断さもあり、賛否両論ある本だと思います。
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海外の作品にはずっと抵抗感があったけど、この作品はスイスイ読めた。
登場人物の横文字の名前や地名が、固有名詞としてではなく、単なる記号としてか入って来ず没入できなかったのが原因だったかも。
でもこの作品に関しては、色んな登場人物が出てくるけど、とにかく主役2人だけがわかればあとはそんなに重要ではないというか、そこの軸がぶれなければどんどんのめり込む物語だった。
またその没入感は、会話のテンポや会話と地の文が続いているように読めるっていうのも理由だったかも。原文を読んでいないからわからないけど。
そうなると、翻訳が自分に合っていたのかもしれないし、そこの重要性をかなり感じた。また、読み慣れていないからこそ、訳者あとがきがめちゃくちゃありがたく、要旨をしっかり振り返ることができた。
かなり現代的でまさに今を生きる若者の物語なんだけど、青臭さや瑞々しさだけではない、汚いことや暗さや欲望もしっかり表現されていて、周囲に左右されながら近づくとまた離れてしまう2人の関係性は読み応えがあったし、情景がすんなり思い浮かんで映画的でもあった。
この作品をきっかけにもっと海外作品も読んでいきたい。
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なんなんだろう、この、普段は使われていない脳の襞々の奥の奥まで染みてきて、封じ込めていた遠い昔の苦く酸っぱい記憶まで蘇らせるテキストの力。クールでリアルでエモい。既存の恋愛小説が色褪せるかもしれない衝撃を秘めた作品だった。
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まさに青春文藝小説という言葉がピッタリな作品でした。
高校生から大学生にかけての多感な時期の心と体の葛藤だとか、恋愛・友情というものを観念的に描いたインテリ意識高い系小説!
ただ、なんだかずーっとモヤモヤした青春期の感覚を上手く描けてる分、全編そのモヤモヤ感で突き通されるので、読むと疲れます笑
まあ、面白いなあ!とか読んでて感じる小説では無いですね、、、
でも、刺さる人には刺さる気がします。
あと、装丁がおしゃれで可愛くて好きでした。
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ヒリヒリする、そして何よりエモい。
根っこで繋がって、養分を分け合う関係って素敵だなと思った。
言葉は割とシンプルで、英語原文で読みたかったなと思う本。
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とても繊細に語られる恋愛小説。
コネルとマリアンに幸せになって欲しいとただただ願う気持ちで読み進めた1冊でした。
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(帯より)
コネルとマリアンはアイルランド西部の小さな町で育った。だが2人の共通点はそこまで。コネルは学校の人気者だが、マリアンは一匹狼だった。二人がぎこちなくも火花が散るような会話を交わす時、人生が変わる何かが始まる。
お互いに惹かれ合いながら、離れようとするのに、結局は離れならないコネルとマリアンの数年にわたる友情と恋愛を会話で魅せる。
セックス と主従関係、傷付けたい衝動と傷つけられたい衝動、愛したい気持ちと愛されたい気持ち、人が変わるのがどれほど難しいかを推しててくれる、今までにない守護くのラブストーリー。
縁があるかないか、生まれ育ちの環境、どうしてもうまくいかない部分が出てしまう人間関係は、どうしても修復や望む関係にはならず、ここが一番の最適的で
接することになるのだろう。
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とても好き。混乱して未熟で、精神の浮沈がある2人がお互いといることでどうなっていくのかを追っているだけなのに面白い。海外作品なのにやっぱり会話が面白いしリアルなんだよね。
お互いがかけがいのない存在であることはよく分かってるはずなのに、相手というより自分の問題で離れてしまうマリアンとコネル。
「普通の人」ではないのかもしれないけど、相手がいることで少し自分がいい方向に進めている、気がする、それで十分。
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主人公のマリアンとコネルの奔放で繊細すぎる関係性やアイルランドの若者たちの暮らしぶりが、私にはあまりにも遠い世界過ぎて‥クラクラしつつも、そのみずみずしさが眩しいやら生活環境の違いに驚くやら。でも、考えてみれば自分の青春時代も若いがゆえに苦しかったな‥なんて事もほろ苦く思い出す。
ポリタス石井千湖さん推薦
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ストーリーも内容に似合った文体もセンスがあって良かった。深いところで惹かれあい、恋人になったり別れたりしながら成長していく姿にヤキモキしながら、最後の場面でほっとした。でも、またこの先どうなるかは分からない気もしたけど。
マリアンが虐待されて育ったために心のどこかが壊れている、そのことが読みながらずっと理不尽で、母親の虐待の原因が知りたかった。
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どんだけすれ違うんだよ!とツッコミたくなったけど、そんなもんだよね〜素直になれないよね〜とも思いながら楽しく読んだ。まぁそれが普通なのかもね。2人のその後が見たい気もするけど、ここで終わるのが良いっていう物語でもあるよな〜。爽やかな余韻。会話で進んで行くのでサクサク読めちゃうし、面白いんだけどなんかちょっと足りないような気もするかな。