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ギリシャ側の捕虜になりアキレウスの奴隷となったトロイア側のリュニユセソスの王妃クルセイアが語りとなり、『イリアス』をリテイルした小説。高貴な女性は目覚ましい活躍をした者への褒賞品
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ホメロスのイリアスを女性の視点からの物語として描き直されたのが本作。
オリジナルのイリアスは未読のため、出来事の展開もしらなかったので、その点でも楽しめた。
昔は女性には発言権もなく、戦争では戦利品として扱われ、もののように簡単に贈答品として扱われていたという時代背景に、ものを言わないととしても、観察力があり、思考力があったはずの女性の心のありようになんとか迫ってみましたというのが本作。
21世紀の現在LGBTの社会背景や現在ならではの常識からすると紀元前13世紀の人間の心理に迫ることは難しいと思われるが、そこは小説。正解など決してあるのではないから、いっちょやってみましょうの精神で書かれたと思われる。
主人公のブリセイスが徐々にアキレウスに惹かれていく様もいいし、アキレウスの人柄もよく描けている。肝心の戦争の場面は本作ではほとんどえがかれない。
おそらく人の心や気持ちも今よりは重視されていなかったのではないだろうか。オリジナルのイリアスを読むこととしよう。
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日本では戦に負けたら女子供は皆殺しかどこかに一生幽閉されるイメージだったので、戦利品として、女が受け渡される事はなかなか想像しにくかった
「女には沈黙こそ似つかわしい」
ただ生きることを選んだばかりに、このような屈辱を味わなければいけないのか
現実を受け入れることで、自分を最低限守ることはできたが、哀れみしか浮かばない
戦いは全てむなしいのである。
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情報無しで読み始めた。登場人物の名前から「あれ?これって神話の…関係あるの?」と思いつつも調べずにそのまま読み進めた。物語の終盤我慢できずにwikipediaで検索。まるで日本の戦国時代を姫視点で描いた大河ドラマのように、物語に奥行きが出て素晴らしい読書体験が出来た。映像化されたら是非観たいし、2021年に刊行された続編も邦訳が出たら読みたい。
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人間の、女のこころというものを(まさかなかったわけではないだろうから)古代の人はどう思ったか?相変わらず戦争は起きているが、今は?興味は尽きない
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女の視点でのトロイ戦争。イーリアスだ。
アキレウスが主人公であるのは変わらないがそれを戦利品奴隷であるプリセイスから見て語っているのが面白い。戦い自体は描写も少なくあっさり結果だけを知らせるにとどめ、それに至る心理、嫉妬、プライド、憧れ、友情に筆を割いている。弱き女の立場がはるか昔もそうであった事実に打ちのめされる。アガメムノンやオデュッセウスは最低!アキレウスやヘクトル、プリアモスなど魅力的な人々がいて死んでいくのは辛い。
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2024.1 残酷な描写も多いし、ギリシャ神話はやはり馴染みがなさすぎでした。それにしてもヨーロッパの小説は残虐なシーンが多いこと…