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四人の容疑者から犯人を捜し出す、典型的なフーダニットと思いきや、そもそも何が起こっているのかが分からないホワットダニットだろうなあ、これは。何故、元泥棒が探偵役に駆り出されたのか? 何故、容疑者たちは犯人捜しに熱心すぎるのか? 何故、警察が捜査した後の部屋が荒らされて、証言をした後の証人が襲われるのか? これらの謎にそれまでの風景が一転する感じで、明快な答えが返ってくる、ドミノ的な終盤のロジックは圧巻。うひょひょひょひょとか歓声を上げてしまった。実に愉しい。
あと、文体がかなり特異。新青年傑作集の類いに目を通しているミステリ好きには言うまでもないだろうが、これは大正期から昭和初期にかけてのミステリによくあるタイプの文体で、おそらくそれらを模したものと見て間違いなさそう。いやあ凝りますね。
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時代的なことを想像しながらの読み方としては面白かった。
トリック的にもね、まあそうするか…
デビュー作ということもあり、大味な部分もあったことは確かだし、後味もあまりよくないところもある。
それでもこの厚さを飽きずに読ませてくれる面白さはあったかな。
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ややこしい話だった。
蓮野さんのキャラはすごく好きな感じ。
泥棒を「無責任なものかね。大変な責任を持たないといけないさ。失敗したら牢屋に入らなきゃいけない仕事なんてそう無いだろう」と言ってしまう感じとか。
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登場人物や時代など、全部がバラバラだったはずなのに、最後には絡み合ってて、真実は重いし苦しいけど、そこに蓮見さんの、嘘のない姿がアクセントになって、背筋が伸びる感じもする。
なかなか最初は読み進めるのに時間がかかったけど、最後の探偵が真実を明かしていくところは、なるほど!となりつつも、やっぱり哀しみをまとっていく‥目に見えないけど、実在するらしい存在に囚われて判断を誤っていくことって現代でもあるよなぁと。
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Amazonの紹介より
大正の東京。
秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる
血液学研究の大家・村山博士が刺殺された。
不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、
鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、
遺族が解決を依頼したのが以前村山邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――。
『方舟』が各界から激賞されたミステリー作家、衝撃のデビュー作!
なんといっても目を引くのが、本の分厚さです。570ページ以上あって、読了後はなかなか疲労感がありました。
夕木さんというと、「方舟」が印象的で、練られた構想、伏線回収へと導く展開、衝撃的なラストが面白かったのですが、この作品はデビュー作ということで、とても凄い衝撃とまではいきませんが、練られた構想、伏線回収が素晴らしかったです。
ただ、退屈感がありました。登場人物の動きがスピード感・躍動感があるわけでなく、どちらかというと淡々とした対話が目立ち、静かな動きが多いため、長い量だった分、ちょっと眠くなりそうなことが多々ありました。
時折、殺人事件や襲撃事件などメリハリのある展開があると、世界観に引き込まれるのですが、「静」な行動になると、読むのが大変になるかなと個人的に思いました。
内容としては、元泥棒が探偵⁉︎や怪しい登場人物たちなど魅力ある展開で、面白かったです。
なぜ、そのような行動に⁉︎といった部分も、後になるほどそういうことかといったものに変化するので、こういった要素は今の「方舟」に通じるものがあるかなと思いました。
謎解きの過程も、しっかりと組み立てられていて、真相が解った時は、カチッとハマったように頭の中で納得がいきました。ただ、後味としては悪かったです。登場人物同士の関係、衝撃的な事実にドロドロ感があって、なんとも複雑な心境でした。
デビュー作から「方舟」へ。色々変化されているので、今後どう化けていくのか楽しみです。
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最初から4人の容疑者が提示されててフーダニットっぽい体裁を取ってたのに、実はホワイダニット。
幾ら近親相姦疑惑を払拭したいが為とは言え、「被害者の血液型を知りたい」って殺害動機もさることながら、横領やら借金やらを抱えた容疑者達がこぞって、秘密結社に亡命させて貰うために犯人になりたがる…とか、絶対思いつかない便乗心理。ましてや、アリバイを抹消するために目撃者を殺すとか、本末転倒過ぎるー。
プロットは面白いんだけど、この長さは要らないのでは。
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なんか妙に読みづらいな・・・と思いながら、どうにか読了。なんでだろう?これくらいの近代を舞台にした小説なんて何度も読んだことあるんだけど。何度も挫折しかけながらも最後まで読み進めたら・・・オーソドックスというか鉄板というかなド直球なミステリでした。
そこだけだと好印象だし好みでもあるんだけど、そこに至るまでがどうにも・・・デビュー作だから文章が硬くて読みづらかったのかな。読みづらいと読むペースが当然落ちてくるので、中盤の細かな伏線めいたものも気づかずに読み終わっちゃってるのだとしたらちょっともったいないな。。
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秘密結社「絞首商会」に関係すると思われる村山博士が何者かに殺された。ひょんなことで事件の探偵役にされた元泥棒の蓮野と、友人の画家井口が事件の真相に挑む…
ラストの解決のところは面白かったし、事件の動機もなるほどな感じだったけど、なぜかめちゃめちゃ読みづらかったな…。「方舟」のイメージが強いからなのか??読んでて誰の視点なのかとか、場面描写とかがちょっとイメージしづらかったのもあるかも。
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大正時代、海外の古典ミステリーを読んでいるようで小気味よい。
謎解きも、この時代だとなんだか新鮮である。
このシリーズ、次作長編を読むのが楽しみだ。
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時代は、大正。秘密結社「絞首商会」に関わっていたと思われる博士が殺された。犯人らしき四人の人物。何故か、犯人を見つけたくて仕方がない様子。
“解決”での、真犯人の特定や発想にはとても驚きました。
なのだけど、何故なのか、読みにくいんです。物語の繋ぎが良くないのか、地の文がしっくりこないのか?
時代設定が、大正に期待していたのですが、特にその時代を感じません。
秘密結社「絞首商会」の設定に期待していたのですが、特に主要な事でなく。
探偵役の元泥棒の美青年の設定に期待していたのですが、特に活動的でなく。
だから、ちょっと長いのよ。読みたかった事が書かれてない割に長いのよ。
でも、デビュー作で、この熱量とトリックだけでなく、心情絡めた解決は、頑張ったなあって思います。
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「方舟」がよかったから、読んでみたが。
これはなんだかだらだらと話が長くて、疲れました。
大正ロマンで、舞台はばっちりなのにな~
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05月-02。3.0点。
大正時代、ある教授がどこかで殺害され、自宅の庭に遺棄される。この教授、無政府集団「絞首商檜」関連があると情報が。被害者の親類が、元泥棒の男に捜査を依頼して。。。
まあまあだったかな。ちょっと複雑な感じがした。次作に期待。