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ゲームや他人の状況の対になって、徐々に現実の自分の状態が幽霊に近づいている。
お父さんは同じようなことばかり言って、まるでゲームの中の悪霊のよう。
碧くんも最終的には同じ状態になり悪霊になってしまったように見える。
その他の人にしてもふうかがそこに居ないように扱われ、存在感薄めに生活している。
人間と霊の境界はなんだろう。
それでも人間でありたいと思うのはどういうことなんだろう。と考えさせられた。
理解を深めるために2回読んだが、もっと繰り返し読んで更に納得のいく解釈をしたい。
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ゲームが現実とリンクしていくけど何の説明も無い。
LINEが長文の父親。飼い猫を太らせてしまうし、キャットタワーが必要ないことにも気付かない。娘に対してもきっとそう。
余裕を無くした碧くん、いい気味。
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ゲームと現実の世界がリンクして、自分は現実に
いるのか、ゲームの中にいるのかと、錯覚してしまう、そんな状況になったことがありますか?
本作は、ホラーゲームの中で、悪霊から逃げる主人公と、そのゲームをしている主人公のふうかが、意外なところでリンクしてしまう物語です。
本作の主人公ふうかは、高校生なのだが、家出をして、自分より自分の親と年齢が近い会社経営の碧くんと、暮らしている。高級マンションで、柔らかいソファに座り毎夜ホラーゲームに勤しんでいる。
そのホラーゲームの内容が、悪霊から逃げ続ける
女性主人公の目線で、進んでいくRPGで、何回も、ゲームオーバーを繰り返しながら、コンテニューで再開している。家出したふうかに、父親が何度もメールを送り続けて、返信を待ち続けている。
生きづらさを感じつつ、碧くんとの生活を楽しんでいるふうかは、ゲームの中の主人公に自分を重ねていく、行きたい場所や、神社など、自分が生きた場所とが、リンクしていく。
遠野遥作品の中では、一番怖い印象を持ちました。
何かに追われる、読んでてそんな状況に陥りました。
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現実とホラーゲーム2つの話を交互に繰り返して物語が進んでいく。中でも抜け落ちた髪の毛について“人間の体のうち、本体から離れてしまったものはゴミになるのだろうか“ という問いが好きで作品の見方が変わる瞬間でもあった。
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掴みどころがないなと思いながら読んでたけど、たぶん現実の状況とゲームの中の状況が似ていることを表すためにこういう書き方してるんだろうな〜と思った
ゲームと現実の境目がないような書き方もそれを強調させてて、当たり前なんだけど文章を書くのが上手い...という気持ち
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感想も出てこないし、ラストを読んでもだからどうしたのと思ってしまうんだが、なぜか惹き付けられる。
本書が何を言いたいのかはさておき、内容そのものが楽しめたからだろうか。
ふうかがやっているホラーゲームは怖いようで怖くないし、どちらかというとふうかの生活の方が怖い気がする。
碧くんも良い人なんだろうけれど、ふうかの存在を隠しているし、どことなく冷たい印象も受ける。(ふうかの年齢と、碧とふうかの年齢差を考えると仕方がないのだが。)
悪霊は成仏できないから悪霊と呼ばれるのだろう。ゲームの中では、普通の霊から悪霊へと変化していく設定だったが、これが本当だったとしたら嫌なものだ。ゲームの主人公はこの後、悪霊になってしまったのだろうか。
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私には難しかったかなあ?
行間を読むような文章ではなく、もっとわかりやすいエンタメな本が好みだってあらためて気付いた。
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「破局」からすっかりファンになった遠野遥の新作。今作も好きでした。解説してって言われても正直ぜんぜん分かりません。今回は今までに比べて性描写が極端に少なく感じた。もっと精神的な、哲学的な、幻想的な感じがしました。
高1のふうかと40歳くらいの碧くんは何故か一緒に住んでて、2人の関係もいまいち分からないまま話が進んでいく。この土台の設定がまずよく分からないままで最後まで話が進むので、???となりながら読み続けることになる。読み進めるにつれて、ふうかが夜な夜なやってる謎のゲームと現実世界が溶け合っていく感覚があった。
ゲームは何かの比喩なのか?女の子は何から逃げてるの?現実の世界でも何かから逃げてるの?悪霊って何?この世界で何をすればゴールなの?
帯にけっこういろいろ書いてるけど全然理解できない謎。「幽霊の方が息がしやすい」…
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着地点の見えないまま淡々と話が進む。地に足のつかない、まさにふわふわと浮遊する感覚が物語全体を覆う。会話すらも心ここに在らずの様な上辺だけの様な…。これぞ純文学って感じの作品。
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題名の如く、どこかあてのない感じ。
年上男性との生活(といえるのだろうか?)を描いたお話。
ホラーゲームをする主人公とゲームのヒロインの線引きが特にない描き方も、どこか有耶無耶で安定しない雰囲気が漂う。
あやしい雰囲気でありながら、「碧くん」とはどんな関係なのかの描写も特にない話を、こちらも流れるように読んでいたら、ダウンライトがゆっくりと消えるような感覚で物語がすーっと終了した。
主人公の影というか、存在感がなんだか薄い。
著者の他作品は強烈そうで、今のところ読む気が起こらない。
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一緒に暮らしていた父親のもとを離れ、父親と同世代で会社を経営する蒼の部屋で暮らす高校生のふうか。彼女の生きる現実と、彼女がプレイするホラーゲームの「浮遊」で起きる事件がシンクロして描かれていく。
読んでいると、現実が虚構のようで、ゲーム内の出来事のほうが確かなものに思えてくる。ふうかとの会話が、常にオウム返しであるのも気持ち悪い。
うーん、これは現実逃避としてゲームをプレイしている人ならわかる作品なのだろうか?
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遠野作品は3作目。改良、破局は非常に面白く興味深く読めたが、今回は…。
登場人物に感情がなく、終始ふわふわして
おり、その辺りはまさに浮遊。特に父親に関しては何故か怖い。ゲームの世界と現実が交互に描写され、現実との境目があやふやであり、部屋に置かれたマネキンがのっぺらぼうな人物達と重なり輪郭のぼやけた世界観を演出している。個人的には好きではなかった。
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なんの話やねんとひたすらツッコミ続けるような内容がつらつらと書かれており、よくわからない内容ではあるけれど、面白かった。
どこが面白いか述べよと言われても、よくわからないが。
掴みどころのないふわふわとしたもののを表現した作品という意味でいえば、かなり考え抜かれているようにも思うが、いかんせん掴みどころがなさすぎて、狙いなのかどうかもわからず、それもひっくるめて「浮遊」ではないかと(とまとめてみる)。
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恋人の家でホラーゲーム「浮遊」に興じる女子高生。悪霊から逃げ隠れするそのゲームは難しく、攻略法も目的もなかなか見えてこない。そして現実の世界の方も淡々として、不思議な読み心地の作品です。
ホラーゲーム「浮遊」の世界観が何ともいえません。こんなゲームが実際にあったらやってみたいような気はするけれど、しかしあまりにつかみどころがなさすぎて放り出してしまいそうな気もします。「悪霊」たちが投げかけてくる絶妙にずれた感のある言葉がとんでもなく不気味で、しかもその世界の中で自分が何も行動を起こせないって。しかしこれ、無気力に生きていると同じようなことなんじゃないのか、と考えるとぞくっとします。
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家出をしている(とはいえ父親と連絡はとっているし時々は帰る)女子高生が、かなり年上の恋人の家に転がり込んでいる。彼女はよなよな日本の東京を舞台にしたホラーゲームをしていて、ゲームで出てきた場所に足を伸ばしてみたりする。
私はホラーゲームをしないので、そもそもこんな感じなの?というところからはじまる。遊び方がわからない。なんとなく進み、行き当たりばったりで、何度か死んだりしながら試行錯誤する。もう死んでるのに。
それは彼女の生活そのものなのだろうか。
ずっとそばにあってどうにもならないマネキンは倒そうにも倒せない敵そのものなのかな。あれをどうにかできたら世界は変わるだろうか。
そういえば、以前ゲームなかでホラーゲームをするゲームの企画をみたな。あれはどうなっただろう。