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著者は医学部受験を舐めすぎている
2023/06/30 02:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Roc - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐野君が学力一本勝負のペーパーテストでの入学を正当化するような内容で買ったのを後悔。著者が上智の文系学部卒なので、医学部受験に関して疎い。佐野君はなぜ医学部受験の経験の無い、スポーツ推薦入学の日体大OBから一般入試での医学部受験アドバイスを受けていたのかが謎過ぎる。英語の達人から紹介されたセブ島の短期集中合宿で英語の成績が急激に伸びたとか、英語等の外国語は特に毎日の継続した積み重ねの学習でしか伸びない科目のでこれも嘘臭い。著者含めて、佐野親子も医学部受験を舐めてすぎている。臼井元学長の証言によれば、この大学の入学者は補欠合格者が大多数を占めていて、学力は6年後に医師国家試験に受かるレベルなら、あとは男性 (女性受験生のテスト一律減点で慰謝料支払い命じられた))で、学校への多額の寄付金と学長クラスへの裏金(親がOBなら尚更入学確率大)あれば大抵の場合入学できるらしい。医学部の経営は綺麗事ばかりでは無いと思うが、何も知らない一般の受験生が可哀想。あとは著者によるこの事件は検察によって作り出された冤罪陰謀論で飽きた。
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そりゃあ面白い。ちょっと事実・印象と違うかなという点はあるけれど。ほくそ笑んでる人も多いと思うが、それはそれとして、司法については公正で理知的であって欲しいとも思う。でもまあ、やっぱりこういうエリートの世界は人脈が大事で、とてもやりこなせなかったなと今更ながら思った。
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酷い、本当に酷すぎる
そのせいで人生に消えない傷をつけられた人がでた
まずは知ること、そして考え行動に移すこと
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「東京医大不正入試事件」と聞いて多くの人が記憶しているのは、女子の受験生や多浪生に不利な得点調整を実施していた大学入試の実態だったのではないでしょうか。しかし、これは一つの裁判事象の副産物に他なりません。その本筋となる事象が、本書で詳細に述べられています。
「文部科学省官僚佐野氏が自身の息子の東京医大入試での得点加算を賄賂として、東京医大が応募する事業への優遇処置をとった」というのがこの贈収賄事件のあらましです。なんともありきたりで陳腐なこの構図は東京地検特捜部が描いたシナリオで、そのシナリオに沿って調書が作成され、関係者が有罪に仕立て上げられるプロセスが克明に描かれています。
そもそも佐野氏は息子への加点を望んでもいないと証言し、大学サイドが求めた優遇についても「できない」と明言しています。さらに佐野氏の息子さんは試験での加点などという処置も知らされずに受験し、そして加点されない点数であっても合格するだけの点数を実力で獲得していました。
東京地検特捜部は令状もないままに関係者宅に押しかけて取り調べ、「特捜部の意向に沿う証言をしないと有罪にする」と恫喝して自身のシナリオに沿う証言をさせ、関係者の自白のみを自身のシナリオに沿ってつぎはぎして立件しています。
「検察が狙えば証拠など、どうとでもでっちあげて有罪にできてしまう」という事実に日本は本当に法治国家なのか、と疑いを感じてしまいます。佐野氏の息子さんは自力で合格しているのにも関わらず、本件の報道後にネット上で「裏口入学者は出ていけ」、「一家心中しろ」等々のバッシングを受けながらも現在も大学で医者を目指して努力を続けています。
本件で佐野氏の有罪が確定した日、息子さんに冤罪を晴らすことができなかったことを詫びた父に対して「お父さんが無実だということは僕が一番よく知っている」と答えた息子さん。この親子を含め本件で有罪となった関係者の冤罪が晴らされる日が一日でも早く訪れることを祈らずにはいられません。
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p26 東京帝国大学、京都帝国大学で教育を受けた教授陣が東京帝大、京都帝大、九州帝国大学、東北帝国大学で黒糖教育としての医学教育を行った
これと並行して5年で臨床医を速成する非大学の医師養成機関として全国7校の官立高等中学校のうち5校に設置された医学部 (1901年に医学専門学校=医専に名称変更)と各府県立の医学校の流れを汲み、病院を母体とする医学専門学校も存在していた
つまり明治から大正半ばにかけて医師養成は大学れベイルの帝国大学と専門学校レベルの医学専門学校という2系統で行われていた
1919年の大学令施行で帝国大学医学の官公私立大の設置が認められると、従来の医科大学は帝国大学のような総合大学では医学部、医学部だけの単科大学は医科大学と称されるようんいなる
1919 阪大 20 名大 21 京都府立医大 22-29 官立の岡山、新潟、金沢、千葉、熊本、長崎の書く医学専門学校が医科大学となった(これを旧六医大と呼ぶ)
私立 1920 慶応 1921 滋慶 1926 日本医大
日本全国の大学医学部は現在国立42校、公立大8校、私立31校 文部省の管轄外の防衛医大の合計82校
旧制7帝大(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)、旧制医大7校(新潟、金沢、千葉、居と府立、岡山、長崎、熊本)旧制私立大(慶応、慈恵医大、日本医大)の合計17校が、伝統ある難関校として、ひろく認知されている
p33 なによりも特筆すべきなのは、私立大医学部の入学者のほとんどが補欠繰り上げ合格者であるという点だ
p42 一般に補欠合格者と聞くと、ごく少数の例外的な扱いに聞こえるが、入学者に占める割合でみると、むしろ正規合格者の方が少数で、大半が補欠合格者だったことがわかる
p126 私立大医学部に正規合格するには、国立大医学部に合格するくらいの偏差値でないと難しいといわれています。私立大医学部の正規合格者は国立大との併願組がほとんどで、併願組は(学費の安い)国立大学に合格するとそちらに流れてしまいます。実際には私立大医学部の入学者の大半が補欠合格者であるという事実は、受験雑誌などでは常識なので、仮に息子が合格するなら補欠だと思っていました。
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元共同通信のフリージャーナリストである著者の取材力がすごい。結論としては、官邸に慮る検察の横暴ということだが、政治家、ブローカー、役人、医師といった上級階級者の魑魅魍魎とした日常が描かれている点が面白く、一気に読み終えてしまった。こんな世界に自分は近づきたくないが、金、権力が欲しければ、不可避の世界なのだろう。