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加藤清正が完璧すぎる!真田家にとっては、じりじりと雌伏の巻。このまま武勇を奮う機会なく一生を終わるのか、という絶望と諦めの色濃い中、ついに極端な手段に出ようとする草の者を留める幸村。自身も焦燥感に駆られながらも、他の人たちのことを慮れる器の大きい人物となりました
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関ヶ原後、紀州九度山で蟄居生活をおくる昌幸、幸村、そんな中家康は征夷大将軍に任ぜられ江戸幕府を開き、天下を手中に収める準備に忙しい。草の者お江と奥村弥五兵衛は一存で家康を襲う計画を・・・。
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この巻は真田昌幸、幸村ともに九度山に蟄居していたため、動きは少ない。その分草のものの動きが目立つ。著者はお江のことを生き生きと描きたいのか、最初からずっと登場していて輝きは失せていない。只、大和守俊房も含めて皆年をとっていき動けなくなっていくのはしょうがないのか?彼らがいるからこそ武将たちは戦ができる。土木と建築の名人、戦の名人である加藤清正はすごい人だと思う。彼の築いた熊本城が今回の地震で倒れたのは何とアンラッキーなことか。真田氏はずっと雌伏しているが次はどうなるのか?お江は家康を襲うのか気になる。
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関ヶ原後の戦後処理が描かれる(8)。
本多忠勝の凄み、加藤清正の有能が強調されてるけど、一番は山中大和守だなぁ。時代は「狡兎死して走狗烹らる」情勢に移りつつあるのだけれど、甲賀の頭領は流石なのだ。
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蟄居生活が10年にもなろうとする真田父子。無為の毒に侵されそうになるが、これを打ち破るのは戦乱の匂いなのか。
家康上洛・秀頼上洛という二条城会見を目前に控え、今まさに昌幸の命の炎が消えゆかんとする。
年齢を経てからのお江の魅力と、幸村との交情の美も際立つ本巻。
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名文を引用します。
うなずいた五郎右衛門が、にっこりと笑った。
それは、春の陽を受け、凪わたった海原を海原をおもわせるような微笑であった。
このときの柳生五郎衛門の笑顔を、滝川三九郎は生涯、忘れなかった。(新潮文庫181ページ)
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八巻「紀州九度山」
真田昌幸・幸村親子は紀州九度山に流罪になります。
見張り役は、豊臣家五大老も務めた浅野家のため、扱いは決して悪くありません。
さて、私は「豊臣家家臣たちは、家康が豊臣家のために三成と合戦を起こしたと本気で思っているのか?!」と思いましたが…
本気で豊臣家を乗っ取ろうとしているのは石田三成で、徳川家康はそれを排除するために立ち上がったと信じていたようですね…。
そのため、その後わずか数年で家康が将軍になり幕府を開き、驚いたり後悔したりもしますが、こうなったからには家康に従わざるを得ません。
昌幸・幸村親子は、いつか必ず関東(徳川)と大阪(豊臣)には戦が起こると読み、その時は必ず九度山を抜け出し駆けつけようとその日を励みに流刑地で暮らします。
この巻は天下の情勢を描きつつ、真田家の草の者の活躍が描かれます。
戦が無くなり、忍びの活動も平常時のものに変わりつつあります。
そんななかで真田昌幸についていた草の者たちは、豊臣と徳川の戦になったら昌幸と幸村が存分に戦えるように準備を整えます。
話しとしては時代変換の説明のような第八巻。
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九度山で蟄居中の時期だからか、忍びの場面が多い。
ただ、この巻から登場する小野お通にはなんとも言えない不気味さを感じる。「真田丸」ではそういう人物ではなかったはずだが。
それから、この巻から淀殿もちょちょく登場するようになる。こちらはこれから最重要人物の一人になるのだろう。
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九度山での蟄居生活が始まる。
主人公幸村の影は薄く、草の者達が主役である。
そして真田丸ではあっさり飛ばされてしまったが、
加藤清正がここに来て存在感を増している。
真田丸でも司馬遼太郎の関ケ原でも単なる脳筋で、
家康の手のひらの上で踊らされる哀れな道化だったが、
この作品では熊本城を築城した名将として、
相応しい信念と知恵を持った人物として描かれている。
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真田昌幸・幸村父子、九度山へ蟄居。
前巻の関ヶ原が、動だとすれば、この巻は静だろう。
天下に平和が訪れ、太平が保たれている。
だが、真田家の草の者は、次を見すえて動き続けている。
真田父子が夢見る、徳川家康を倒す日は訪れるのだろうか。
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関ヶ原の戦いでは秀忠の大軍を足止めし、誰よりも大きな貢献したにも関わらず、西軍は敗れ去り、自身は国を奪われて紀州九度山へ…
再起の機会を待ち望むも叶う気配はなく、寿命が尽きていく。「俺はもっと覇を競う事ができた筈なのに」と思いながら絶望感を味わったのだろうか。
昌幸が、自身の限界が見えた時に何を思ったのか、に興味が向かった。
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紀州九度山に逼塞する真田昌幸・幸村(信繁)父子。この巻はさしたる事件も起こらぬなと思いきや! 巻終盤に来て、草の者が! だがしかし!そして安房守昌幸!。
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物語も重要な局面に差し掛かる、著書は歴史の観点からも著シリーズの展開からも「静」の状態が続く、八巻はこの時代をしっかり描かれており、この流れが後の徳川幕府三百年の礎となる!関ヶ原の合戦以降ある意味事が起こらない、いわゆる平和ボケが諸大名の牙を抜いていく、家康は戦国武将が相次いで没する中ジワジワと足場を固め、逆らっても仕方がないという感情を植え付けていく、裏では自分の目の黒いうちに二代目将軍を確立、信長、秀吉が出来なかった長期政権の基礎を確立、その中にあり真田父子も大きく揺れ動く、登場人物それぞれが歳を重ね考え方の変化や動揺、個人的には非常に楽しめた、最終局面を向かえるにあたりどう力を溜めていくか?次の展開に期待したくなる一冊であった。
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真田家よりも草の者たちのシーンが面白くて、何度も読み返してしまう。草の者にも色んな感情があるんだな。人間だから当然の事なんだけど、もっと淡々と主の命令にのみ従うイメージだったので新鮮でした。昌幸の命が燃え尽きようとしている最後。次巻も楽しみ。
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まあタイトル通り山場は九度山だろうけど、草のものの動きが結構激しかったよね。
いつもの猫田のお江ストーキングからおくにとの密会、印判屋と足袋屋だったかな?からの伊平との色々から、頭領の色々から、幸村に暗殺の提案。
てか他では「忍びは同族を臭い(雰囲気的な)でわかる」みたいなのを醸し出してるのに、長い間隣で商売をしててもわからんもんなんじゃね。
猫田与助と頭領の変貌が私的には山場だったかな。
気持ち悪いくもあり可哀想でもあり感情が入り乱れた。