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ラノベ感覚で読みやすい時代小説。十六歳の時復讐を決意した乙女が、九年後、宝塚の男役のような女剣士になっている。読後感が爽快で気持ち良い。
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池波氏の作品は、同じ舞台の異なる人々にスポットを当てているので、どこかでひょこり別の作品の登場人物を見かけるのではないかという気になることが多いのですが、この作品も『剣客商売』の「佐々木三冬」が文字の上で出てくる。また主人公の堀真琴も彼女のように剣術に秀でた男装の麗人であり、二人が出会ったらどんな感じになるのか、なんて期待してしまった。
また真琴を助ける関口元道の姿は先日読んだ『旅路』の「堀本伯道」と重なってしまう。でも別人であり、全く違った運命に操られて物語を織りなしている。ただいずれも人間味ある人物を書いてあるため、その場面に参加したくなる気持ちはどれも同じです。
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強姦されそうになった真琴が、男を見下すようになったのは仕方がないことでしょう。
でも、憂さ晴らしに、髷狩りをする真琴の成長した姿には感情移入できなかった。酷い目にあっても、自分を律した行動が取れる人物こそ、本当に強い人物の筈。理想論かも知れませんが、そんな格好いい人間でいて欲しかった。
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独特の語り口。江戸のちょっとした薀蓄。
やはり池波正太郎はいいなあ。
日本を離れると読みたくなる作家の1人だ。
ラストがハッピーエンドなのも安心できる。
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昭和62年に発行された作品の文庫化。
主人公は七千石の旗本、掘家の養女である真琴。
16歳の時、自分を育ててくれた家臣を殺され暴行されかかったところを、偶然居合わせた老人たちに助けられる。
時は過ぎ、九年後。
真琴は敵討ちの目的で剣の腕を磨き、なみいる男など歯牙にも掛けぬ剣士に成長していた。
剣の腕がたつためにしでかしたいたずらが、真琴に九年前の仇を打たせる運命へと引きずり込む。
真琴は自分を助けてくれた老人たちの手を借り、復讐を遂げようとするが、掘家に一大事が起き、七千石の家を継ぐため、婿養子をもらわねばならぬ。
時が差し迫る中、真琴と、真琴に気付いた仇の勝負がじりじりと近づくのであった。
ーーー
池波先生の、緊張感溢れる描写と、相変わらずおいしそうな食べ物の描写に(笑)、楽しく読み進めていきました。
真琴の微妙なおんなごころの変化も、どうなるのかなと探りながらで面白かったです。
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完本 池波正太郎大成23にて読了
幼い時に母を亡くし、父に至っては名前しか知らない真琴。そして、16の時に、無頼浪人たちに襲われ、父親のように慕っていた奉公人を失ってしまう。
その奉公人の敵を撃ちたいと、女剣士となった。
育ての親である伯父との確執。
お家の安泰か、女剣士としての自由な生き方か。
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池波正太郎先生の作品です
独りの女剣士が生まれた理由を
過不足なく語り、師やが狭い未熟さでさえ
ゆとりや愛情を感じさせる筆致で一気に
読ませる
佐々木美冬のコトがチラリと書いてあるのが
面白かった♪
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男勝りの女剣術使い、真琴の物語。
16の頃、無頼浪人に襲われそうになった真琴を助けたのが関口元道。しかし一緒にいた山崎金吾は殺された。
仇討ちをしようと剣術に励む真琴だが、そのうち剣術自体が面白くなっていく。
そして闇夜に侍の髷を切ったりするようにもなる。
真琴を養女に迎えた伯父、堀内に「自分に剣の試合で勝てる相手となら夫婦になる」といい、困らせていた。
そんな真琴を狙う者、そしてそれを救ってくれたのは・・。
作者の著書は剣客商売ばかり読んでいるのですが、この話にも佐々木三冬その他の人物の名前が出てくる。
特に真琴と佐々木三冬は「女剣客」として共通するものがあり、読むとつい比べてしまう。
同じようなタイトル「ないしょないしょ」の方が主人公の性格が好みだった。
しかし実際には色々な人間がいるので、これはこれで、まんぞくまんぞく。
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二人の無頼浪人に暴行されかかり、腹心の家来を惨殺された堀真琴が、剣の道に入り、男装の麗人として生きていく様を描いた物語。
一人の人間として、そして心根はあくまでも女性として、細やかな女心の機微も描いた筆致は流石の一言。
平成の世で、仕事に生きつつも己の生き方に迷う女性は大いに共感できると思う。
たった一行だが、剣客商売の佐々木美冬が登場するのがちょっと嬉しい。
ぜひ、二人を出会わせてほしかった。
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家来を殺され、自らも暴行されそうになった女剣士の成長を描く長編。女剣士といえば池波作品の「剣客商売」に登場する佐々木三冬を思い出すがこの作品の主人公「堀真琴」もゾクゾクする魅力を秘めた姿に描かれている。圧巻池波正太郎。
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十六で浪人に襲われ家来を殺された真琴は、それをきっかけに女剣士となる。
道場に通い腕を上げ、ただの敵討ちのためでなく剣の道が面白くなり、養女となった叔父の苦労も知らず、自由気まま。
だが、叔父の病状が進むにつれ真琴を取り巻く状況にも変化が訪れる。
最後はまんぞく、まんぞく?
2014.6.30
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L
作家が大御所。この手の読み手語りかけ文は個人的に興ざめなのだけれど、まぁまぁすんなり。
真琴が曲がった剣の道と曲がった性格を突然180度変わっちゃうところが、なんていうか乙女というか可愛いというか、所詮おこぼだな、的な。
平太郎の良きオトコぶりもいまいち端的すぎて伝わってこなかったかな。
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ちょっとした出来事が、波を呼び、それが大波になって押し寄せてきて逃げられなくなる。さらにその余波がまた繋がりあって翻弄される。この先どうなってしまうのだろうと楽しく読ませてもらった。
直接的ではないけれど自分が原因で、父のように慕っていた人を暴漢から殺された真琴。仇を打とうと始めた剣術が、めきめきと頭角を表していき、次第に剣術そのものに魅了される。旗本の後継ぎという自分に与えられた立場も省みず、我が儘に暮らす。無礼な侍との出会い、信頼する恩人からの優しい説教のお陰で心境に変化が。
主人公がいい人ではなく、壊れている。お鳥見女房の「主要人物がみんないい人」を読んだ直後なのでそれがまた良い。
女々しい女と男らしい男たちが出てくるのも珍しいなあ。
最後の急展開で「?」となってしまったけれど、落ち着くところに落ち着いたので読後感はさっぱりしている。この作家の別の作品も読んでみたい。
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時代小説
子供時代に暴漢に襲われ、父とも慕っていた家来を殺された旗本の娘は、成人すると深夜に覆面をかぶって武士にいたずらをするようになりました
そして襲われたり襲ったりして、最後は女に戻る話
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男らしさ、女らしさ、今は禁句なのかもしれません。私は、男は男らしく、女は女らしく、それが自然と思っていますが。ただ、その前に人間性が大事だとは思いますw。池波正太郎 著「まんぞく まんぞく」、1990.6発行。男装の剣士、堀真琴の生き様を通して、男らしさ、女らしさを描いた名作と思います。