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気だるいアメリカの片田舎。
埃っぽい短い道に並ぶ家。
繁華街という短い道に並ぶお店は数店舗で何でも屋さんみたいなところばかり。
私の想像するアメリカの田舎はこんな感じだ。
毎日同じことの繰り返しで、それに甘んじている。
少しでも変わろうとすれば噂話でひそひそやられ、肩身の狭い思いをする。
平和という名前の牢獄。
『夏』の舞台もそんな田舎の村ノースドーマーだ。
チャリティは村の小さい図書館で司書をしている。
変わるために、自分のお金が欲しかったから。
彼女は『山』と呼ばれる居住地から子どもの頃にノースドーマーのロイヤル家に連れてこられたので、弁護士をしているロイヤル氏と血のつながりはないし、この村に住む人たちと自分が違うことも分かっている。
居場所は自分で掴む時代ではなく、用意された場所におとなしく従うのが幸せになることだとみんなが思っている場所でチャリティが足掻くのがなんとも苦しい気持ちになる。
だって、保護者のはずのひとがさみしいんだチャリティと言って部屋に入ってくるとか、もうあり得ないって思うし、好きになった相手が妊娠したチャリティを受け入れないのは、出自のせいとかあんまりだわと憤ってしまって、この話の肝心なところはどこなんだかわからなくなった。
あとロイヤル氏の年齢もわからなくて、たぶん老人みたいにかいてあるけど若いんだろうと判断はした。
ロイヤル氏目線で読み直すと、さみしいあしながおじさんみたいに少しだけ思えたかもしれない。