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「動物裁判」
「自家醸造の女」
「シレーナの大冒険」
「健康なまま死んでくれ」
「最後のYUKICHI」
「接待麻雀士」
の6作で構成される短編集。ある法律が追加・改変されることにより世界がどのように変化するかを最悪なかたちで表現する。どれもかなり後味悪いが、わたしにとって印象的なのは「健康なまま死んでくれ」。
健康管理をしているアピールのためにほとんど立ち仕事の社員に毎日30分のウォーキングを課すことはナンセンスのようにも思えるが、現代社会ではそのように誰に向かってかアピールするための無駄な作業が増えた気がする。本質的な解決ではないけど第三者が評価しやすいから導入する。誰得なんだろう。
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1話目の初めからぶっ飛んでいて、なんじゃこりゃ? という感じですが、1話目が終わる頃には、なるほどそういうことですかと納得。SF仕立ての中に現代への警鐘がチラリ。
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パラレルワールドの令和の世界における架空の法律に翻弄される人々を描いた6編の短編集。SF風味をエッセンスとして効かせながら、著者の主戦場であるミステリーを成立させており、特殊設定ミステリーとして成立していた。現代社会の風刺的要素も散りばめられており、星新一作品のような読み味もあってサクサクと楽しく読み切れた。
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架空六法!動物裁判、自家醸造の女、健康なまま死んでくれが面白かった。いつもとは違う作風がまた良かった。続編があると良いなぁ
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新川帆立がSF界に殴り込み!?
いやぁ、どれもこれもあったら怖いけど限りなくありそうな皮肉のきいた法律だらけ。
6つのレイワ時代の6つの法律。これは良法なのか悪法なのか。
弁護士であり雀士でもある新川さんだからこそ描ける「あるかもしれない未来の法律」にひそやかに震えたり、ほっとしたり、ニヤリとしたり。
新川帆立、まだまだ新しい世界の引き出しお持ちですね?
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一つ目のエピソードが怖すぎた。。。
架空の法律とそれに基づくストーリーだが、どれもモヤモヤした感じが残る内容だった(質、分量とも)。短編集なので仕方ないかもしれないが…
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今までの作品とは少し趣の異なる架空世界のリーガルブラック短編集。少し終わり方に不満あるものもあるにはあるが、舞台設定とそれにあわせたワードセンスはやはり光る。「動物裁判」「健康なまま死んでくれ」「接待麻雀士」は面白かった。著者自身元プロ雀士だっただけあり描写は的確。ありあまる才能の片鱗を法律以外にも発揮した作品。
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現在の社会で大なり小なり問題となっている事柄について、二項対立のマイノリティ側を極限に飛ばしたような世界観の短編であった。
架空の世界観の作り方は面白かった。
しかし、純粋にミステリーを楽しみたい人にはやや中弛みに感じるような描写が多いように思えた。
ミステリーの要素だけに着眼点を絞れば、なるほど面白いと思える。
しかし全体で見た時には大きな満足感は得られなかった。
文庫本が出た時に読んでみるのがちょうど良いのかなと思う。
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リーガルSF短編集。ってなんだそれは、と思いました。パラレルワールドな「レイワ」の時代を舞台に描かれる、架空の法律をテーマにした物語です。もしかしたらありえたのかもしれない、のだけれど。こんな変な法律があったらたまらない気持ちもあるかも。ブラックで痛快な作品です。
お気に入りは「健康なまま死んでくれ」。過労死防止のための法律が制定された世界の物語。というといいじゃないか、と思ってしまうのですが。結局は建前だけなんじゃないか、ってのは現実と変わらないのですよね。その中で起こった死亡事件の顛末は実にブラックなのですが。現実離れしていなくって怖いかもしれません。
「動物裁判」は、動物にも権利が認められた世界の物語。ただユーモラスな物語だと思っていたら、かなりブラックでした。いやでもこういうの好きだわ。
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架空法律のパラレルレイワ、人間と同様な
動物保護が法律化されたり、禁酒法のため
過程でお酒を造るのが当たり前になったり、
バーチャルワールドが発展しすぎて
行きついた先や過労死撲滅のために作られた
法律がさらに人々を苦しめり、爆発的な
感染症影響で電子決済が大普及し逆に通貨が
悪となった話や、認知症予防のために
賭け麻雀を合法とする「健雀法」が制定され
賄賂代わりに利用される接待麻雀が
行われる等々・・・よくもまぁこんなに
ぶっ飛んだ話を架空法律何かも盛り込んで
作ったり出来るもんだwその発想がすごい。
どの話も結末がモヤモヤとするものの
新川さんの想像力や引き出しの多さと
ぶっ飛び具合に驚いた1冊でした。
個人的には「自家醸造の女」の結末が
あぁ~やっぱりそうなるよねって共感したw
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デビュー以来引っ張りだこの新川さん、初の短編集。架空の現代を舞台に新たな法律が制定された世界観で巻き起こる事件をブラックに描く。驚いたのがSFのセンス。「シレーナの大冒険」のハードSF的作品から、「健康なまま死んでくれ」のような星新一よりのブラック作品まで。白眉は「接待麻雀士」彼女の能力をいかんなく発揮した麻雀小説。でありながら1人の女性をハードボイルド調に読ませる。マイベストは「最後のYUKICHI」バカ騒ぎSFで、もうこれ筒井康隆先生じゃん、と言わしめる爽快さがそこにはあった。
世にも奇妙な物語で映像化出来そうなので、いっそ全部、新川帆立作品! で希望。
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文章が好き ◯
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい
その他
架空の法律が制定されている架空の「レイワ」での物語。
良い意味で後味の悪い物語もあります。
読み終わって、ドキリとする。
塔子はあのあと、どうなるのか。
私は断然塔子を応援するけれどな。
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新川帆立氏は大ファンで新刊は必ず読む。
これは初の短編集とのことで期待したのだがも一つな感があり残念。
SFはウソ話でありその大ウソに理屈が付いてて納得させられるから面白いのであって 設定が凝ってても納得できる理由付けがほとんど無いこの作品集はワシとしてはバツ。
冒頭の動物裁判の話だけはかろうじて納得できるしオチも面白かったが後はねぇ。
接待麻雀の話はただの麻雀小説としては面白かった。あと現金が忌み嫌われる話はオチが往年の筒井康隆氏っぽくって良かった。多分オマージュなのだろう。
バーチャル空間の話はありきたりな設定でわざわざ氏が書く必要があったのか疑問。
あ、Amazon倉庫労働者の話はわりと良かったな。
あれ、振り返ってみたら半分くらい好きだぞ。
でも全体としての印象が悪いのはやっぱり氏の長編が好きだからなのだろう。
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一度読んでも理解しにくいこの本のタイトル。
官公庁の発行する文章はやたらと長い。法令の名称もまた然り。なのでなんか取っつきにくいリーガルモノなのかな?と尻込みしがち。
でも読みだすとそれは杞憂。タイトルの意味も、あーナルホド!となる。
本の内容を端的に説明すべく、全く無駄のない文言で作れたタイトルであると納得する。
体裁は夫々独立した内容の短篇集。テーマは動物愛護、酒造、VRと領土、労働問題、電子通貨、麻雀賭博。
舞台は日本、たはだし時代はレイワ。年号の読みはレイワだが、礼和だったり、麗和だったりと、ようは各ストーリーの設定がある種パラレルワールドの設定。
どの作品にも、現実には無い法令なのだが、日本の国民性故、ちょっと間違えたら、さもありなん的な法令が制定された世界でのお話だ。
いずれもウイットに富んだ切れ味鋭いオチが待っている。
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ププッとおもわず吹き出してしまった。どれもありうる結末。なるほど、健全な反逆だけど、そんな世の中にしちゃいけないよ。