紙の本
詰め込み過ぎ
2022/12/04 16:52
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シュメルからイスラーム化までの4,000年を新書1冊に収めるのだから、詰め込み過ぎな教科書みたいになってしまうのだろう。「聖書考古学」のように旧約聖書に出て来るだけでも1冊の新書本になるのだから、「聖書考古学」とは違う形で、例えば旧約聖書に出て来る通貨や言語、エヌマ・エリシュやギルガメシュ叙事詩のような旧約聖書の元ネタとなった話、バビロンで見つかったエホヤキン王への油の管理文書のような題材に絞ってもよかったのではないか。
「古代オリエントの神々」には「偶像の書」に出て来るクルアーンで言うところの「虚偽」のはずのクライシュ族の守護女神アル・ウッザーに生け贄を捧げる預言者のような、イスラームものの本では避けているネタが出て来たのに。
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人類初の文明シュメルからアッシリア、そしてエジプトや、ヒッタイト、サーサーン朝まで、数多の民族・帝国が興亡した地の歴史を通観
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古代オリエントの全体像が把握できる。しかし、土地勘がないと出てくる土地名がピンとこないので、地図と首ったけにならざるを得ない。
それにしても、4000年史と言っても紀元前にくくられてしまう歴史の壮大さにはクラクラしてしまう。
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難しかった。ロマン溢れる古代の世界をもっと知りたくて読んだが、馴染みのない地名や人名が多く、読むのに時間がかかった。現代とも共通する出来事もあれば、古代ならではの出来事もあるということが知れたのは面白かった。例えば日食に驚いちゃうとことかが。
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4000年の興亡をたどる意欲的な著作である。
大局の流れをつかむつもりが、細部にわたり詳述される内容に圧倒される。島国の日本と違い、国境の定めなき世界で、移住する民族が互いに凌ぎを削り、現れては消える苛酷な歴史が淡々と語られている。迷路に入り込むかのような雑多の情報に溺れそうになる。この道の専門家でないと読みこなすのは難しい。大きな時代区分ごとに章にまとめられ、各章では整理された年表に沿って説明されるのが助けになる。読み終わって巻末を見て、初めて著者が女性であることを知り驚く。
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・西はナイル河から東はインダス河まで、アケメネス朝ペルシア(前550-前330年)が統一した広大な地域の、前3500年頃から前330年までの3000年以上の、人類最長の歴史時代が古代オリエント史である。
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「(アレクサンドロスの)征服を過大に評価、正当化することで現代に至るまでヨーロッパ勢力のアジア侵攻を正当化する歴史観に、本書は与しない」
淡々と記述される大枠の「古代オリエント史」でこうした意思を持った言葉に出くわすと、少し胸が熱くなる。
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現在、シュメール文化研究の第一人者(と言っていいと思う)、小林登志子氏による、古代オリエントの歴史解説。歴史を丹念に追っている一方、語り口が読みやすく、また最新の研究の観点から、様々な学説に対しての解説も十分揃っており、入門編としては十分だと思う。
氏も書かれているが、我々日本人がオリエントについて知っているのは、大半がエジプトとギリシャの歴史書に基づくものである。四大文明発祥の地なのに、斯くも知識が浅い。
ペルシア戦争など、ヘロドトスの歴史に基づくギリシャ史観によると悪の帝国の侵略となってしまうが、ペルシャ側からすれば辺境の反乱を誘発する外国への懲罰的示威行為となる。事実、ペルシャ帝国にとってはペルシア戦争は局地戦に過ぎず、その後のペロポネソス戦争でも大きな影響力を有している。
中々知ることの少ない古代オリエントについて学べると同時に、歴史の多面的な見方の重要性を再確認させてくれる名著。
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自分のようなほんの少ししかオリエント史の知識を知らなくても頭にスルスルと入った素晴らしい本。
多分著者の方が因果関係をしっかり書いてくれているので頭に入るんだと思う。
それにしてもオリエントは恵まれた地域である分他国が侵入する頻度も高いので、本当に忙しない。でもそれによって文明の発展度合いも日本じゃ考えられないほど凄まじいので、そういうところが面白いし今のあらゆる出来事に繋がって大事だなあと感じた。