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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
育児放棄したわけでもないし、虐待したわけでもないし、
家政婦さんみたいな人を雇って、普通に生活させたわけだよね。
ヒロって、全く関係ない存在のくせして、何を文句言ってるんだろうか。
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つぎはぎの兄弟だけれどお互いがお互いを思い合って強く優しく結ばれている。
自分の思うように進まない日々でもそれが大切な人にとって幸せへと向かえる道なら苦しいけれど受け入れられる強さが欲しいと思った。
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複雑な事情を抱えた三人、きょうだい三人でずっと一緒に暮らして行きたいと強く思う反面、自立しなければという気持ちとの葛藤が書かれている。三人を小さい頃から見守るお母さんのような優しい優子や気に掛けてくれる店の常連さんに見守られながら頑張っているヒロに感動した。
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食べ物系の話は、とにかく癒されますね。
設定としてはなかなかありえない環境なんだけど、それでも3人が信頼しあって、お互いを大切に想う気持ちはとても沁みます。
そして、3人を見守る大人たちもいいですね。
謎の小出し加減がうまいなと思いました。
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26歳の晴太、25歳のヒロ、そして中学3年の蒼。三兄妹弟が暮らすお惣菜とコーヒーの店「△」。
何か理由があるのだろうけど、なんとも温かい時間が流れる兄弟の物語、と思いながら読み始める。
温かさの中にある切実さが少しずつ露になっていく。
三人がそれぞれに抱える寄る辺なさ。肩寄せ合って協力し合って暮らしている三人の、三角形のつなぎ目が少しずつずれていく。その隙間から見えるのは、彼らの過去。
自分の居場所が欲しくて、自分がここにいていいんだという理由が欲しくて、見ないふりをしていた一人ずつの思い。
誰もが一人じゃないんだ、誰もが誰かに支えられ守られているんだ、誰もが自分のいたい場所にいればいいんだ。
一緒にいても、今そばにいても、知らない記憶がそれぞれにはある。その知らない記憶もまるごと受け入れてそれでも明日もここにいる。そう思える場所があるってとても素敵なこと。
そして若い三人の暮らしを、絶妙な距離で見守る大人たちのまなざしが優しい。
私も誰かに守られて生きているんだ、と心の温度が少し上がった。
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感想
穏やかな日常を守るのにどれだけ必死になれば良いのか。笑いながら食卓を囲んでいても影は差し込む。それでも帰るべき場所は優しく待っている。
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美味しそうで、優しい色使いの装丁と書名に惹かれて手に取った作品。
美味しい惣菜屋を営む三きょうだいの話。
きょうだい三人だけで暮らしていて、それぞれがかなり重い事情を抱えていて、だいぶ変わった家族の形をしている。
物語を読み進めると、それぞれの事情が明らかになるのだけれど、登場人物の描かれ方のお陰なのか、重苦しくて辛くなる箇所でも深刻にならずに読めました。
きょうだい三人が自分以外の二人のことをとても思いやっていて、少し切なくなるけれど心温まる物語でした。
作品の中の自家製マヨネーズでのポテトサラダは美味しそうでした。
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家族のグダグダ系が好きな人には堪らないほっこりとずっしりがないまぜにされたような物語。表紙はまたいつもの料理にまつわる物語かと思いきやおにぎりの絵からは想像もつかない3人の訳ありな生い立ちが綴られる。
握ったご飯や形は一緒だけど具材が違う。血が違う。そして3人はお互いを知らない。表面だけを取り繕って過ごしてきたけど末っ子の進学を起点に問題が一気に弾け出す。
ストーリー重視の物語は読みごたえもあり面白くなりやすいのに対し、人物を重点に置いたものはどうしても重くなりやすい。心情がぐずぐず語られ、ああ女々しいと思いもするけどそういうのが好き。不揃いな家族の物語は今までにもいろいろあるけれど、この物語の3兄弟?も飽きさせず最後までじっくり読むことができた。アクセントの刑事さんがいい味出してる!
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複雑な事情を抱える三人が、家族の形を探しながら繋がっていく物語。
家庭環境には恵まれていないのに、三人とも優しくまっすぐ育っていて、無条件に応援したくなる。
でも、設定がやや強引というか、現実的にこういうことが起こるか?と思うところがちょこちょこ出てきて、物語に入り込むことが出来なかった。
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Amazonの紹介より
惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。
しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた――。
傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた三人が、
懸命に明日を紡いでいくための物語。
第11回ポプラ社小説新人賞受賞作。
あらすじを読まずにそのまま読んでいたので、あらゆる想像が膨らんで、個人的には色々楽しめました。
初めの段階では、この2人は夫婦?と思っていたら兄妹であり、ただ読み進むうちに本当の兄妹⁉︎と話の展開が次々と予想外の方へ進んでいきます。
もう一人の弟も登場し、仲睦まじい3兄弟がお店を経営し、ほっこりとした物語と思っていたので、明らかになっていく3人の事情が、まぁドロドロでした。
第三者からみれば、3兄妹の「親」はちょっと呆れてしまったのですが、3兄弟を知っていくうちに懸命に強く生きている姿が応援したくなりましたし、一つの「家族」の絆や周りの人達の温かさが伝わり、励まされました。
「親」にとって、「兄(姉)」にとって役目とは何なのか?「弟」に対する接し方が問われているようで、子供を育てることの難しさを感じました。
3兄弟を取り巻く周囲の登場人物も魅力的でした。近所に住む同級生や刑事など、温かく見守っている姿が印象的でした。刑事が登場した時には、一瞬ミステリーな展開⁉︎かと勘違いしていた自分がいました。
「親」と「子」との複雑な関係性があったもんだから、東野圭吾さんの「流星の絆」のような展開を一瞬期待していたのですが、そこは全然違っていたので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。
お金だけで全てを解決できるわけではなく、お金ではない買えないものもあります。愛情やコミュニケーションなど「親」とは違い、兄妹の愛情の深さが伝わってきて、感動的でした。
色々な事情を抱えようとも、3人の絆には、読者にとっては勇気を与えられたように感じました。
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いい話だった!
中学3年生の蒼の兄と姉は、2人で惣菜屋を営んでいる。
不思議な繋がりの3人兄弟。
お父さんに子供ができなくて、晴太は養子になる。優秀な子で後継として育てられるが、
お父さんの奥さんとは別の女の人の間に蒼が生まれて晴太はいらなくなった。
でも、そのすぐ後に本当の奥さんとの間に子どもができて、蒼もいらなくなった。
血の繋がっていない3人兄弟。
そしてヒロはなぜ?
会社の社長の財力あっての生活かもしれないけど、子どもだけでずっと生活してきたんだね。
晴太が優しくて立派。
抱えている悩みや不安は本人のもので、たとえ兄弟でも、わからないこともある。
それをわかろうとして、絆は強くなるのだと思った。
美味しいものを美味しそうに食べる2人が、とても良い。
いい話だった。
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なぜ親と同居せず、子供たちだけで?
ヒロ、春太、蒼の複雑な事情が読み進める
ことで色々と分かっていくにつれあれっ?
ほんわかグルメ本・・・じゃない?
ってことに気づき、ダークな内容で有り
ながらもすらすらと読めました。
ヒロがなぜそんなにも不器用で意思の疎通
なんかももどかしいのかと思っていたの
ですが性格的な事ではなくもっと根の深い話で
後から出てくる出来事に結びついていく話と
それに絡んでいく春太や蒼の考えや感情や
生い立ち等・・・もう設定が盛沢山すぎです。
血が繋がっていないだけにヒロだけではなく、
春太も蒼も自分がここに居ていい理由や
相手をつなぎ留めれる理由を見つけようと
もがく3人の姿が読んでて切なかった。
ただ、まわりで温かく適度な距離で
見守っていてくれる優子や花井さんが
よかった。特に優子はほんとに
いてくれれよかった・・・
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気になっていた本。
作家の寺地はるなさんがおすすめされていて、即購入しました。
家族とはなんだろう。
血縁がなくても家族でいたい、そんな3人の想いがひしひしと伝わってきて、一人一人が家族でいるために、他の二人を思いやる行動に出る。
生きるのに不器用そうだけど、実直で相手のことを思いあって、でもなかなか思いをうまく伝えることはできなくて。
素敵な三角関係。
読後、胸があたたかくなりました。
続きが気になります。
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血の繋がらない3人。家族であろうとする姿はつぎはきだけど、優しい。そして脆い。自分たちだけで完結しようとする世界にヒビを入れたのは一番下の弟。自分たち以外の世界を見るために、自分とはなにか、自分を知ることを突きつける。家族ってめんどくさくて愛おしい。そこに血の繋がりはきっと関係ない。依存して守られて守って。つぎはぎの家族でもきちんと家族だった。
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読み終わって、スッキリした気持ちにはなる…し、よかったなあと思えることもあるんだけど、この形の支え合いでどこまで生きていけるのだろうとなんとなく不安になってしまった。でも幸せでいてほしいなあ。