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図書館で借りた。村上春樹の作品って長編のイメージあるけどこれは短編集で1作も短いからサラッと読めた。昔自費出版した詩集にプレミアがついて高額になっていることに対して「もっと刷っておけば大金持ちになっていたのに。」とか書かれてたり(『ヤクルト・スワローズ詩集』)詩やレコードの話が多かったから途中読んでて「あれ?これってエッセイ?いや実体験を元にして書いてる?」って不思議になった。そんな中で日本のお伽噺っぽかった『品川猿の告白』が一番面白かった。好きな相手の名前を少しだけ盗んで愛でて恋心を満たす、って一見清廉潔白に思えるけどコレクションしてると思うと急に不純に思えた。『謝肉祭』は同じ曲で演奏者が違うものを沢山聴いてそれぞれ順位つけるっていうのがちょっと楽しそうでやってみたいと思った。全体的に女性の容姿について厳しいというかハッキリ書かれてた(ブスとかパッとしないとか)。登場人物の女性を想像しやすくなるから個人的には別にいいと思うけど評価は分かれそう。
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村上春樹はとても好きな作家だけど、この作品に関しては あまり印象に残らないのかな、という感じがする。文章の ハッとする度も今ひとつ、低めだった。
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さらっと読んでしまったけど、内容をちゃんと理解したのかというと…。
本当の話?空想?なんだかよくわからないまま。
誰かに解説をお願いしたい。
個人的には「謝肉祭」が好きだった。
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▼かなり以前に読み終わり、感想を書きそびれていたもので、だいぶ忘れてしまっていますが。
▼おもしろかったー、といちばん思ったのは「品川猿」。抱腹絶倒だった気がします。人語を喋る品川猿の思い出話。その他好みの凸凹はあれど、それなりに満足できました。ビートルズが好きだった女の子のはなしとか。あと、「謝肉祭」だったか、「不美人だけど魅力的な女性」とのお話。何かにつけて、村上さんもですが、「彼女は美人というのではなかったが、魅力的で・・・」という女性キャラが出てきますね。その十八番の切り返しとでも言うべき一編でした。どうして、「彼女は美人だった」ではあかんのでしょうかねえ。まあアカン気もしますが。
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8つの物語による短編集。すべて語り手は村上春樹自身(ときには確実に)と解釈ができたが、その現実味とファンタジーの曖昧な境に誘われた。本当のことも書かれているだろうし、全くの虚構もあるかもしれない、そして著者が真実だと信じる妄想も。それらすべてに通底していたのは、個人がもつ記憶の都合の良さと、事象の解釈の多様さに思う。事実と解釈、その記憶、そして自分と他者、ひとつの事柄でも完全に異なるものに姿を変えうるのだ。その面白さと恐ろしさを楽しんだと同時に、自身を省みる機会になった。
どれも甲乙つけ難いが、特に気に入ったのは『品川猿の告白』と『一人称単数』だった。
『一人称単数』に関して。僕が常々考える恐怖は、自分が知らぬところで他者を傷つけてしまうことだ。仮に自分が悪意を持って、あるいは不可抗力で相手をおとしめたのであれば、その人に嫌われても仕方ないだろう。しかし、なんらかの思い違いや、回避できたはずのことが理由で相手を不快にしてしまい、不当な悪意を向けられるのは些か心地が悪い。そんな僕の恐怖をこの短編では指摘してきているような気がして、なんだか背筋が冷えたものだ。
バーで女性が向けてきた敵意は、本当にただの思い違いかもしれないし、そうでなくても余計なお世話かもしれない。当事者の不在がその不穏さを掻き立て、慣れないスーツの違和と呼応する。最後のシーンで一気にファンタジーの眼鏡をかけることで、全体のシリアスさが打ち消されるようにも見えるが、逆に比喩的に罪の深刻さを表しているようにも取れる。
味わい深い一編であった。
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石のまくらに
"それでも、もし幸運に恵まれればということだが、ときとしていくつかの言葉が僕らのそばに残る"
たしかになぜかじぶんの中に残った言葉や記憶や思いってある。他の人は誰も覚えていないかもしれない事が。
意味や価値が分からなくてもきっと今の自分に何か関わっているから、幸運と思おう
クリーム
"説明もつかないし筋も通らない、しかし心だけは深くかき乱されるような出来事は。そんなときら何も思わず何も考えず、ただ目を閉じてやりすごしていくしかないんじゃないかな。"
"きみの頭はな、むずかしいことを考えるためにある。わからんことをわかるようにするためにある。それがそのまま人生のクリームになるんな。それ以外はな、みんなしょうもないつまらんことばっかりや。"
自分の人生のクリームはなんだろう?
ウィズ・ザ・ビートルズ
歳をとって奇妙に感じるのは自分が歳をとったことではなく、自分と同年代であった人がすっかり老人になってしまっていること。ずいぶん不思議な気がするし、ときとして悲しい気持ちにもなる。
…よく分かる。もう私の中のきらきらした記憶が過去のものだと印を押される気持ち。でもそれに負けないくらいいつでもきらきらしてたい
"ポップ・ソングがいちばん深く、じわじわと自然に心に染みこむ時代が、その人の人生で最も幸福な時期だと主張する人もいる。
…中略
ポップ・ソングは結局のところ、ポップ・ソングでしかないのかもしれない。そして僕らの人生なんて結局のところ、ただの粉飾された消耗品に過ぎないのかもしれない。"
"まぁ人生、負けることに慣れておくのも大事だから"
"人生の本当の知恵は「どのように相手に勝つか」よりはむしよ、「どのようにうまく負けるか」というところから育っていく"
"望遠鏡を逆からのぞいているような
不思議に透きとおった記憶。
とても遠く、とても近い。"
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8篇は舞台こそ異なるものの、登場人物(動物?)が直接語りかけるような文体はさすが村上春樹。短いながらも、気付けばその世界観に引き込まれていました。
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「なんでそうしようと思ったの?」と訊ねられても確固たる答えなんて何もなくて
「ただ、なんとなくそうしたかっただけ」という事がわりとしょっちゅうある
脊髄反射的に動く時もあれば、右か左かどちらにしようが大差ないと感じて、自分の手や足の赴くままにする事もある
意味や意図は、全くない
小説だって同じ事で、モチーフや作者の伝えたい意図や事柄がある作品も勿論多いが
ただなんとなく、あった事やありそうなことを綴った作品だって沢山あるに違いない
村上春樹の、ことに短編に関してはその傾向が強いと個人的には感じているし、この短編集にもそれは感じる
不思議な、辻褄の合わない、脈絡のない話って
実は身の回りにはごろごろと転がっていて、そこに意味はなくて、意味を見出すのは受け手側のこちらのさじ加減なのだろう
しかし…猿がお風呂で背中を流してくれて、風呂上がりに主人公と共に冷たい瓶ビールを酌み交わすシーンのリアリティよ
絶対ないのに、あるのかもしれないと思わせる雰囲気作りが小説家の底力なのかもしれない
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ぼくらの人生にはときとしてそういうことが持ち上がる。
説明もつかないし筋も通らない、
しかし心だけ深くかき乱される出来事が。
なんだか難しかった。
まだ共感できないだけで、凄そうではあった。
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短篇八篇。
村上春樹自作(と思う)の作中作短歌が読める『石のまくらに』が、1番マニア受けしそうな気がするが、自分はまだマニア手前なので、あくまで想像。
ビートルマニアとしては、「ウィズ•ザ•ビートルズ」が一番期待して読んだ。初めての彼女のお兄さんと人生で2回だけ会い、その間が二十年という奇跡的な偶然が面白い。
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素敵で、文学的な、村上春樹さんの短編集
フィクションとエッセイの狭間のような。
あれ、エッセイを読んでる?
これって作者にあった実体験?
ふとそんな錯覚に陥るような(幾らかは織り交ぜているのかもしれない)
ふと、太宰治の「富嶽百景」が思い出された。
確かに村上春樹さんの作品だけど、
比較的読みやすいから、
村上春樹さんの味ってどんなのだろうって人にも
取っ付きやすいかも、です。
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村上春樹を味わいたいけど長編だと重いと思って、さらっと読める短編集を手に取った。
まだ本作を含めて3作品しか読んでいないけど、今のところ心の琴線に触れる文章に必ず出会えるのがすごい。
私のこれまでの人生には——たいていの人の人生がおそらくそうであるように——いくつかの大事な分岐点があった。
右と左、どちらにでも行くことができた。そして私はそのたびに右を選んだり、左を選んだりした。そして私は今ここにいる。
「ぼくらの人生にはときとしてそういうことが持ち上がる。説明もつかないし筋も通らない、しかし心だけは深くかき乱されるような出来事が。そんなときは何も思わず何も考えず、ただ目を閉じてやり過ごしていくしかないんじゃないかな。大きな波の下をくぐり抜けるときのように」
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ライトで読みやすい短編集でしたが、やはりどれもハルキって感じの作品でしたね。品川猿の出自が知れたのがいちばん面白かったかなと。ヤクルト・スワローズ詩集も思わずクスクス笑いながら読みました。
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村上春樹さんの本はこれで3作目。
すごい読みにくいと耳にしていたから今まで避けてたけど今のところどれも割と読みやすかった。そろそろ代表作に手を出してみようかな
1番好きだったのは「石のまくらに」
ありきたりそうな状況の女の人だけど短歌が加わるとすごい彼女の心のうちが広がる感じがしてグッときた
男の冷静な観察眼の語りがとてもいい
「With the Beatles」「ヤクルトスワローズ詩集」「謝肉祭」はあまりにリアルすぎて本人の体験談なのかと調べてしまったくらい。実際ヤクルトスワローズは本当の話?
他は割とまさかね、みたいなことが起こるから物語(フィクション)として面白い
あり得ない事象が起こる話は苦手意識あったけど割と楽しんで読めた。語り手がいつも冷静なのが面白くて好き。
「品川猿の告白」は一見慎ましく真面目に好感の持てる猿だけど、一旦よく考えるとまぁまぁ迷惑ではないか?
猿の恋情の為に名前を奪われた女の人達は生活にさしたる支障は出てないけどアイデンティティに不具合きたしてるし、私が気持ち悪いな〜と思うのは自分の名前すごい好きだからそれを恋情を鎮めるため奪われたと考えるとすごいゾワゾワするからかな
猿の生い立ちとか恋愛対象とか考えると可哀想だしすごく腰の低い猿で良いやつそうだったから正面から非難はできないけどやっぱちょっとやばくね?と陰でヒソヒソ言いたくなる気持ちになる
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村上春樹の哲学性は、短編の方がより凝縮される。
長編であれば筋道を立てて組み立てられて提示されるものが、短編では素材に近い形で目の前に積まれる。
しかし、それはあくまでイメージであり、実際に長編と変わらぬ緻密さがある。
私小説を擬態した作品群である(と私は読んだ)本作の各編は、まるで実体験のようでいて、なのにあり得ないと思ってしまうにもかかわらず、どこかに起きていそうな“事実”の連なりである。
やれやれ、何を言っているんだ。