紙の本
一歩を踏み出す勇気とは。
2006/12/05 16:48
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の住んでいる冴えない町をリスボンになぞらえ、空想に浸っているOLの本田小百合。
この町同様、冴えない自分自身の過去や現在に、苛立ちを感じながら過ごしている。
恋に恋している状態の小百合にとって、ハンサムな弟や、学生時代のかっこいい先輩の存在が、夢であり、希望であり、憧れであるそんな中で、煩悶の中にいる小百合の心模様が巧く描かれ、とてもリアルに伝わってきた。
また、会社の上司夫婦や学生時代の友人との微妙な関係も、小百合の心模様を伝える術として、大きな役割を果たしていたように思えた。
一歩が踏み出せない自分、勇気が出せない自分、平凡の中に埋もれたような自分、イマイチさえない自分、間違えたくない人生・・・数えればキリがないくらいに小百合と自分が重なり、痛いほど共感できた作品だった。
ラストでは、自分自身を吹っ切って、突き進んだ小百合の姿に思わず拍手を贈りたくなった。
心がスカッとするような、そんな爽快な読後感がいつまでも残った作品だった。
紙の本
私もそうです、と思った。
2006/02/11 11:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長編小説だけど、サブタイトルが細かく入っていて夜中に一気読みした。
主人公・小百合は実家に暮らすOLでありふれた街を、訪れたこともないリスボンの街になぞらえて暮らしている。
並外れてかっこいい弟と比べ、自分は華やかさとはかけ離れている…そんな世界がある日ひっくり返されるのだ。
憧れの先輩との再会、自慢の弟の彼女の出現、書店で出会った不思議な男…。
弟の彼女・めぐみに納得がいかなくて苛立ってしまう場面では少々大袈裟なのでは?と思ったりしたが、後にめぐみの口から語られる
『自己分析』で二人が似たもの同士だということが分かってくる。
かくいう私もいくつか頷ける箇所があった。
サブタイトルと自己分析がこんな風につながるなんて、思いもしなかった。
日常の描写にちりばめられたリスボンの地名が、時折居場所をわからなくする。
本当は飛び出してしまいたい。
冷静に自分を見つめる前に、心の向きに進んでしまえ!
小百合の恋がどうなるかは不明のまま最後のページになってしまうのだが、後味は良かった。
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自分という殻、決められたものを破ろうとする地方都市の20代の女性の姿を描いています。
目次の項目と弟の彼女の指針とするもの、とくに、地方にいる方で、新たな自分を求める方にいいかもしれませんね。
吉田修一らしさが無い、普通の小説の感じですね。(こっちほうがいいけど)
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FMで紹介したもの。急遽読んだから、話の流れが速いと感じたのはあたしだけかもしんない。平凡なOLをここまで1冊の本に仕立てるなんてすごいと思う。たまにはあんな出会い方したいよな。最後の辻褄の合い方には鳥肌立ちましたわ。
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吉田修一さんって、どうして女の子の気持ちがわかるんだろう、と思う。
もくじを見た時点で、うああーと落ち込みながら頷いた。
最後のぴたっとはまる感じは、さすがミステリも書ける人、というかんじで。
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自分の生まれた地方都市をポルトガルのリスボンと重ね合わせて、たとえば「丸山神社前」というバスの停留所を「ジェロニモス修道院前」、「岸壁沿いの県道」を「7月24日通り」と密かに言い換えて暮らす主人公のOL。12月24日にラジオドラマとして放送されることが決まっていたため、クリスマスイブに1人でラジオを聴く女性をイメージした、という吉田修一は相当底意地が悪い。嫌なんだけど主人公に感情移入できてしまう。
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どんな恋愛小説なのだろうかとページをめくり始めて、予想をはるかに超えた感想を持ちました。
作品は10項目の章に構成されていて、それは主人公の性格、内面を表すキーワードになります。そしてそれらにはちょっとした仕掛けがあって、物語全体を効果的に展開させています。なるほど、と思わせるニクイ演出。
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ただ単にタイトルが僕の誕生日と同じだから気になってるってだけ。結構面白そうなので今度買おうかなぁと思ってます。
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吉田修一には珍しく、女性が主人公の作品。
ただ読んでいると、いかにも男性が書いた女性心理という感じが付きまとう。
感情移入が難しい。
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ぐっと見せる魅力はないけど、主人公の1シーズンを丁寧に追ってる。輝いていた人が東京に出て行った途端、普通になりその栄光に囚われる事についての心理が入ってる。地方出身者としては共感出来た。憧れと失念と。映画化されるみたい?
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吉田修一だから読んだ。吉田修一らしい作品だった。なのにパレードで感じたほどの・・・・・というか他の作品で感じたような静かな衝動を感じうることはなかった。リアルなようでリアルでなかった。
感情移入が難しい。どうしてだろう。
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私も弟がいて、それもかなり仲がいい。この主人公ほどでもないけど、この主人公の気持ちが痛いほどよくわかる。
まぁ、うちの弟はかなりの面食いなんで嫁はかなり美人ですが。。。
気持ちが共感できすぎて、よんでて少し辛かった。
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長崎の街をリスボンの街になぞらえる若い女性の淡い恋話。
なんか、ほんわかしてきます。
今度映画にもなるんで、そちらも期待!
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ジャケ借り。認めたくないけど、この主人公みたいなとこあるなーと。最後に目次見てなるほどー
この作者女か?ってくらい良く分かってると思う。
間違ったことができない。でも変わりたい。
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この人は何気ない女心かくのがうまい気がする。なんとも人事とは思えない女子力のなさ(笑)映画だと中谷美紀だし、ちょっと綺麗過ぎる気がする。。。でも好きだ。こういう雰囲気・