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紙の本
苦くて甘い
2020/04/30 23:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の恋愛小説集。
読みやすかった。
時代が古いのもあってなのか、なんだか昔の方が色々と時間がゆったりしていたり、想いが大人びている感じがして憧れる。
もちろん時代故の女性の生きづらさみたいなものもあって、男性をたてたり、結婚すべきとか固定観念のようなものは嫌だけれど。
じぶんが生きていない(キオクとして経験していない)自大って、なんだかいいなと思った。
紙の本
程よい長さ
2017/10/23 16:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々なコインワンシーンを描いた、という印象を受けた短編集。ひとつひとつが短めでさらっと読めました。もうちょっと深く読みたいと思うものもありました。
紙の本
成人女性向けの絵本集
2011/06/30 19:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤独な夜のココア 田辺聖子 新潮文庫
全部で12編ある短編集です。1篇は10分もあれば読める短さです。前半のものは創作、後半は作者の実体験ぽい。いずれの作品も女性の気持を文章にした内容となっています。登場する女性たちは、現在60歳前後となっている世代でしょう。彼女たちの20代から30代にかけての経験となっています。
22歳年上の男性を愛してしまったわたしが登場する「春つげ鳥」、ときおり作品に登場する「りちぎ」という言葉から伝わってくる可笑しさ(おかしさ)を伴うまじめさ。そのまじめさが、ラストシーンで、涙になったり、笑顔に変わったりするのが、この短編の手法であり特徴です。
男から見ると、男性心理の考察は、ちょっと違うと思わせる「雨の降ってた残業の夜」にあるようには、男は年上の女性を好きになれない。このパターンが引き続く「エープリルフール」では、年上女性が年下男性とつきあうときの年上女性の気持が記されています。この短編は逸品で、内容は女の「夢」です。
密(ひそ)やかな女の欲情を表現した「春と男のチョッキ」。昔のOL話です。(オフィスレディ)。
共働きの末、夫が女をつくって出て行ってしまう「おそすぎますか?」は、すべて、女性の責任ではない。作品全体をとおして、上品な薫り(かおり)がただよっています。標準的でないのは、男性相手が父親と同じような年齢であったり、逆に年下であったり、また、働かないヒモであったりします。それでも幸せというときもあるし、そうではないときもあります。各短編のオチは、あっけない終わり方をします。その瞬間、読み手は静かな気持になります。
胸を突かれるラストを迎えたのが「ひなげしの家」。絶品です。
学校の話は読みたくない。「愛の缶詰」。学校生活はほとんど楽しくなかった。今でも特殊な世界だったと思う。短編集の中盤から登場するのが大阪弁で、そのひとつが「ちさという女」です。総体的に、おとなの女性に読んでいただく成人女性向けの絵本集となっています。
ヒモ男を養う女性を描く「石のアイツ」、実話かなと思わせるのが、「怒りんぼ」、京都町家暮らしの維持推進を図ろうとする「中京区・押小路(おしこうじ)上ル」。全般的なこととして、小品がたくさんで、読むのに苦労しました。