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倉知さんだわー。
当たり前でない事件の解決のために探偵を雇用するための部署ができるとは。
で、新人警官木島くんが、探偵の付き添い役随判官に任命されてしまう。
登場する探偵が3名とも個性的すぎる。
しょっぱなの勒恩寺からして、もう、どんだけぶっとんでるんだ。そして、古典的な密室への思い入れの強さときたら。ああいう探偵さん、大好きだわー。
振り回される木島くんはお気の毒だけど、ごめん、笑ってしまう。
表題作でもある、あやふやな予告状問題も、ああいう展開は実に私好み。
公務員探偵も腹黒少年もユニークで、いい。
ぜひシリーズ化して、今後も登場してほしい。
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せっかく頑張って試験に合格し、警察庁に入れたのに、呑気にデスクワークをする気満々だったのに、あろうことか、「特専課」なる部署でクセ強探偵のお守りをさせられることになってしまった木島くん。遭遇した事件は、なんかぴりっとしないものが3件。でも、自称名探偵・勒恩寺公親の推理は、ちゃんと本格で事件も解決したから、いいのかな?
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面白かった。
けど、この前に京極夏彦を読んでいたのでミステリーにしては物足りないなと思ってしまった。
多分、普通にさっと読めて、クスッと出来る本だと思う。
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ミステリ小説みたいな事件なんて、現実にはそうそう起きたりしない。
殺人事件の犯人はだいたい怪しい人間だし、犯行現場の指紋を偽装するヤツなんてめったにいない。世に起きる事件の98%は一般的な事件であり、優秀な日本の警察によって早急に解決されていく。
だが、しかし。
2%はそうではない。
この平和な日本でも起きるのだ。密室殺人が。怪盗による犯行予告が。
そうしたやっかいな事件は並の警察官では歯が立たない。いわゆる「名探偵」の力が必要だが、毎回民間人に協力を仰ぐのも警察の名折れである。それならば警察組織にしてしまえばいい!
こうして生まれたのが、警察庁特殊例外事案専従捜査課――略称「特専課」――通称「探偵課」。
探偵課に所属するのは民間の名探偵たち。名探偵の例にもれず全員クセがすごい、というか全員めんどくさい。事件が起きると召集され、ずかずかと現場に現れて華麗に解決する。なお報酬は歩合制である。
そんな愉快な探偵課に配属になったのは、警察庁に入庁したばかりの新人・木島。
中途半端な密室、あやふやな予告状、見立てっぽい殺人事件。次々と巻き起こるヘンテコな事件に天を仰ぎながら、クセツヨ探偵とともに今日も立ち向かう。
木島くんは、のんびり公務員として人生を謳歌?したかったのに、なんでかとんでもない部署に配属されてしまった可哀想な新人くん。
そして、クセつよな探偵。3章あるうち3人の探偵が出てきたが、1人が本当にクセが強い。今まで読んできた探偵よりも自分に自信があって、自分が1番の探偵だと思っているタイプ。
事件は密室事件が起きたり、変な怪盗もどきから予告状が来たり、中途半端な見立て殺人が起きたりした。ちょっと読むのに苦労した。たぶん、自分に自信がある探偵が、あまり好きではなかったからかもしれない。木島くんの顔を一瞬で忘れるくだり、あれもういいよって思ってしまった。
なんとなく次回作が出るような雰囲気醸し出してるかんじだった。だって、たくさんの探偵がいるらしいけど、3人しか出てこなかったし、全ての事件はなんやかんやで自信満々な探偵が解決してたしな。他の探偵が出てきても専業探偵の彼が結局解決しそう。
2023.6.2 読了
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今年2月に刊行された、倉知淳さんの最新刊である。昨年10月、今年2月、そして今年6月にも新刊が予定されており、なかなかのハイペースではないか。何だか長ったらしいタイトル。探偵役も、乙姫警部とは違う意味で癖が強い。
難関の試験を通過して警察庁に入庁した、本作の語り部・木島。入庁早々に、彼は「警察庁特殊例外事案専従捜査課」の「随伴官」に任ぜられる。要するに、本格ミステリのように名探偵に登場願う事件で、名探偵に付き添えという。警察庁の看板で円滑に進むように。というのが短い「file 0」で、さっさと本題に入る。
file 1、「古典的にして中途半端な密室」。古い邸宅内の書斎で、主人が殺害されていた。発見時、ドアはすんなり開いたが、密室トリックの仕掛けが使われないまま残されていた…。こんな古典的仕掛けをネタにしつつ、密室トリックの新たな可能性が提示された! というのは言いすぎか? 決してお世辞ではなく、唸らされた。
file 2、表題作「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状」。地元有力者の自宅に届いた、何だか曖昧な予告状。県警はいたずらと見なしたが、地元署が警備体制を敷くことに。そこに探偵と木島も呼ばれたが…。なるほど、あれやこれやは伏線だったのだ。事件の風景が変わる予想外の真相に、決してお世辞ではなく、唸らされた。
file 3、「手間暇かかった判りやすい見立て殺人」。被害者は脛から下を切断された状態で発見され、脛から下は湖畔に並べられていた。これは見立て殺人か? 被害者の別荘の構造はさて置き、file 2と同様に、事件の風景が大きく変わるのが読みどころ。予想外ではないのが予想外。決してお世辞ではなく、唸らされた。
構成の妙が光る全3編だが、探偵役の勒恩寺は、本格ミステリのような犯罪を見てみたいという変わり者。そんな犯罪、あるはずもなく…って、この本だって本格ミステリなのだけど。探偵のキャラクターはともかく、随伴官の木島がいる意味はあるのか? 空気のような語り部が気の毒。そもそもこんな部署を希望していない。
是非続編を読みたいシリーズだが、異動希望が叶わなかった木島を、せめてもう少し活躍させてはどうか。活躍するほど彼の異動は遠のきそうだが…。
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不可思議な事件を解き明かす警察庁特殊例外事案専従捜査課に、新人なのに配属されてしまった木島の目線で描かれる物語。
民間人の探偵たちが解決に力を貸すのだが、
その癖の強さは半端ない。しかもなぜか最後は自称名探偵の勒恩寺公親が真犯人を名指しするのである。いつも正解なので、本当に名探偵なのだろうが、どうにも胡散臭さが拭えない。
とはいえ、木島の続投も決まったことだし、新しいシリーズ誕生ということでいいだろうか。
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1話目はトリックが微妙、2作目は早めに察しがつく。
設定とキャラとベタなパターン化をさらっと楽しむなら。
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警察庁に入職ホヤホヤの主人公が配属されたのは、通常の事件とは思えない特殊な事件に探偵を送り込捜査をする部署『警察庁特殊例外事案専従捜査課』。
主人公の資質は「ワトソン役」で、本作の3つの事件すべての助手役をこなす役割となります。
実際の事件では密室なんてなければ、カモフラージュもなく犯人は普通にわかるものという前提で、以下、何故か緩い現場に遭遇します。
①中途半端な密室
犯行当日は密室だったのに、死体発見時には密室じゃなかった。それなのに、部屋には密室トリックを使おうとした?もしくは使ったあとが残っている。ホワイ?
②大雑把で曖昧な予告状
とある金持ちの家にある宝石を盗むという予告状が届くのですが、日が3日分指定されているのと、時間も幅がある状態。なんでそんな予告状を?
③手の込みすぎた見立て殺人
ある地方の伝説に見立てたと思われる殺人事件が起きる。ただ、なんで見立て殺人をあえて選んだのかさっぱりわからない状況。果たしてなんのために見立ては行われたのか。
上記3つの謎が提示された事件現場に挑むのは自称名探偵ですが、これまた緩めの登場人物でコメディチックなところがある作品。
ただ、凄く緩い上に謎も緩いのですが、各章の解決編は切れ味鋭く、謎自体の難易度もそこまで高くはないものの、なるほどなぁと思う仕上がりになっていて、本格ミステリーだと言っても良いのではないか?(多分言っても良いと思うのですが、なぜか抵抗があります)と思うくらい、よくできているミステリーだと思いました。
中途半端といえばそれまでかもしれませんが、その中途半端さが楽しいミステリー小説です。
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★5 密室、予告状、見立て殺人。しかしどれも微妙すぎる現場で… #大雑把かつあやふやな怪盗の予告状
人を小馬鹿にしたような、一風変わった条件が提示される本格ミステリー短編集。
しかしポップな装画や冗談のようなタイトルだと思って舐めていると、丁寧で重厚な論理にびっくりさせられる作品です。
まずテーマひとつひとつが魅力的すぎる。
密室、予告状、見立て殺人… しかし内容を読んでみると、どれも中途半端というか、未完成なんです。なんでなの…?
もちろんそこには理由があるんですが、雑っぽいところをフックに楽しく読ませてくれる。推理はすべての可能性をあげた上で、ありえない事象は排除していくという、めっちゃ丁寧でロジカルな解法。
全てが明らかになったときは、なるほど、そういうことかと膝を打つこと請け合いです。
そして倉知先生お得意の人を食ったようなキャラクターも最高。
なにより面白いのは、主人公も名探偵も、どこか中途半端なところ。成長するみたいな前向きな姿勢を全く持ち合わせておらず、いい意味でまるで人情味や熱さがない。でも謎解きに関してだけは、ど真ん中ストレートなんですよ。
往年の名作ミステリーを思い出させてくれる、素晴らしい本格ミステリーでした。
■古典的にして中途半端な密室
密室トリックが施されている現場であり、かつ微妙に密室ではない殺人事件。
普通は完全犯罪でも、ひとつくらい穴があってそこから推理を展開していくんですが、見えているもの全てが穴だらけ。なんじゃこれっ
謎解きは論理性はもちろん、想像力も必要で、なかなかどうして痺れました。
■大雑把かつあやふやな怪盗の予告状
怪盗ルパンよろしく宝石略奪の予告状が届くが、日時指定がやたら曖昧な内容で…
ストーリーが良くできてるな~
そして予告状自体が引きが強すぎ、理由がさっぱりわからん。
読んでいると真相はこういうことなんじゃないかな…と何となく予想はできるけど、おそらくは気が付かない。ひっかけが上手い、とだけ書いておきましょう。
■手間暇かかった判りやすい見立て殺人
足が切り落とされるという伝説になぞられた、やたら白々しい見立て殺人。
なぜこういう状態になっているか?
この事件の全体像、骨格が見えてきたとき、おもわずのけ反ってしまいました…そういうことか。まさに本格ミステリーの面白さがつまった作品です。
例によって素晴らしい緻密な推理ですが、特に唸ったのはスーツケースのくだり。単身赴任先と自宅を行き来していた私は、大変よく理解できる。
本格ミステリーを読んでると、頭痛くなってくるんだよね~という方に、是非おすすめしたい。単にロジックが詰め込まれているだけではない魅力がわかる作品です。
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ミステリー小説のように摩訶不思議なトリックは現実では起こらない。。
たしかに!笑
探偵が3人出てくるのですが、ほんと3人とも癖強です。
物語は3遍あり個人的には2編目の表題の作品が1番好きかなぁと。
キャラクターがしっかりしているので、アニメとかし易いんだろうなぁーと。
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【収録作品】file 0/file 1 古典的にして中途半端な密室/file 2 大雑把かつあやふやな怪盗の予告状/file 3 手間暇かかった判りやすい見立て殺人/file E
ミステリ小説っぽい事件がリアルに起きた時になんとかするため、警察組織に出来た特殊例外事案専従捜査課(通称探偵課)。そこへ警察庁に入庁したばかりの新人・木島壮介が随伴官として配属される。随伴官とは、探偵として臨時雇用の民間人と現場との橋渡し役。何もわからず、不本意なまま、呼び出しに応じて臨場する木島だが、そこに現れるマイペースな探偵たちに手こずる。
「ミステリ小説っぽい事件」という通り、肩すかしな現実で、面白さは微妙。
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並の警察官では解決できない特殊な事件を捜査するための「警察庁特殊例外事案専従捜査課」に配属された新人の木島は、名探偵とともに数々の事件に送り込まれることになる。その事件はミステリ小説に登場する奇怪な事件……っぽいのですが。どこかしらゆるい感じが魅力の連作ミステリです。
タイトルからしてゆるい。「古典的にして中途半端な密室」って、古典的はともかく中途半端ってどうなのかと思うし。「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状」もそのまんまだし。「手間暇かかった判りやすい見立て殺人」に至っては、そうだよね見立て殺人ってなんのためにそこまで手間暇かける必要が……という楽しくないことに気づいてしまったりしました。見て見ぬふりをしたほうが魅力的なこともあるんですよね、ミステリって。
でも謎解きはゆるくありません。特に三作目。見立て殺人の理由はそこだったのか! と膝を打つ気分でした。だけど、その謎ができてしまった原因は……かなりゆるいよね。
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読みやすく、最初と最後の事件の結末が上手く結びついている。色んなタイプの探偵がでてくるが事件を解決せずに帰っちゃったりするから、最初はその方々が犯人かと思った。
真ん中の事件の動機に驚き。
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ミステリ小説みたいな事件が起きたときに捜査する警察の部署、通称「探偵課」に所属するのは、癖の強い民間の嘱託探偵たちと、官僚になりたかったのに彼らに同行する随伴官に任命されてしまった警察庁の新人くん。そんな彼らが中途半端な密室、あやふやな怪盗の予告状、見立てっぽい殺人事件を捜査する中短編集。
タイトルや設定からとぼけたユーモアミステリと思ったら、確かにそうなんだけど意外にしっかりしたロジックだった。予告日時に妙に幅のある予告状や中途半端に見立てっぽくした死体など、なんじゃそりゃと思わせる冒頭の謎も面白い。シリーズ化に期待。
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念願の警察庁に入庁し、現場で汗を流さずデスクワークに邁進したかった木島は、なぜか入庁直後に警察庁特殊例外事案専従捜査課に配属される。なんのことはない、民間の推理力に長けた探偵を現場に随伴させる役目。そして、三ヶ月に一回くらい、変な事件が起こって探偵と現場へ。3つの事件も、三人出てくる探偵もすべてガバガバしてます。あ、でも謎解きはしっかりして…ます。密室と予告状ありの怪盗と見立て殺人。コナンの謎解き場面だけぎゅっと集めた感じのお話です。木島も異動できなかったし、シリーズ化するのかな?
殺人のグロい表現や動機に大人の事情あったりするので、中学生以上かと思います。