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辺境の小さな国の王女として生まれ、幸せな結婚をし、息子を授かった環璃。だが、その幸せな暮らしは突如終わりを迎え、広大な大陸を統べる燦帝国の次期皇帝を選ぶ「皇后星」に選ばれ、環璃の国は滅ぼされてしまう。
産まれたばかりの息子は人質に取られ、旦那さんは殺されて、次期皇帝候補の子供を妊娠する為だけに大陸を渡り歩かなくてはならない過酷な旅。そんな中、男に触れただけで塵となる力を持つチユギと出会う事で環璃の運命は大きく変わって行く…
中々ヘビーな展開で、どんよりした気分でしたが、希望を捨てない環璃の強い意識が格好良かったです。
息子も殺されてはいないかヒヤヒヤでしたが、最後まで生き延びていてくれたのは救いでした。
神と共存した環璃の長い年月の先に、また次の物語があるんですよね。次はどんな人に繋がれるのか知りたいです。
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長い!
環璃の理不尽な運命を描くには、大事なんだろうと思うけど長いなぁ。
女性であるために、決められた運命にどう抗い、受け入れるかに尽きるんだと思った。
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女性として生まれたことの苦しみと力を手にしたときの葛藤、全てを変えようなんて思っていない、ただ誰にも侵されず自分が自分として生きていきたい、誰にも搾取されたくない、支配されたくない、それだけがなんと難しいことか。
世界に翻弄されながらも、力強く生きようとしている彼女に心を揺さぶられる。
どんな形の世界、社会が平和と呼ぶのか、男にとって都合のいい世界、女にとって都合のいい世界、どちらでもないそんな世界はあるのかな。
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ファンタジーテイストは得意ではないので、読み進めるのに集中を欠くことはあったが、現代の世の中に照らして考えさせられることも多々あった。
理不尽と無力感、ほんの一時爽快感のはざまで揺れ動いた。
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ファンタジーかしら、などと軽い気持ちで読み始めたら歴史大河エンターテイメントで尚かつジェンダー問題を深く突き詰めて考えさせられる本でした。
かといって、立ち上がれ女性たちよ、という内容でもなく長きに渡る人類史、カミとヒトと獣のこれまでとこれからとも。
獣のような男達が一瞬で消え失せる場面に快い胸の高鳴りを感じたのは私だけではないでしょう。
母となり狂う性と呼ばれる女の身で、子どもの事を我が命よりも守りたいと思う女の多いのには納得。
ある意味、歴史書としての楽しみ方も出来たし。ゆっくりこの本を読む時間、大切でした。
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世界観は東洋の後宮に近いけれど、読んだ感想としてはSFのような感じ。
とても面白かった。
女が女であることをここまで突きつめた作品もないと思う。
虐げられ、奪われ、無力であることを強要される。
それでも、それを強いた男の子供を孕んでしか生きられない。
「なんのために生まれたのかわからないまま死ぬくらいなら、なにかに成ってから死ぬ」
選択についての考え方や支配についての思想が深い。
心理学でもあるし歴史書としての面白みもある。
チユギとワリの関係性が最後まで美しい。
純粋な心の通じ合いを感じました。
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この作品の伝えたいことってなんなんだろうなぁ。最初のうちはついていけたが最後の方、わからなくなってしまった。
物語としては結構面白かったのだけど
2023.7.10
111
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一般名詞も含めてカタカナ造語のルビが振られた単語が多く、その割に一部はそのままの読み方なので統一感がなく、始終ふんわり読む結果に。
(藩王はジョグルだけど帝はみかど、みたいな)
その中で情報提供もやや不親切なところがあるので完全に消化不良ですが、再び振り返りたいとは思えないのでしばらく積んでおきます。
書き出しや帯の文句だけを信じてファンタジーだと思って購入すると肩透かし気味かも。
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ファンタジーに苦手意思があるが、この世界の雰囲気は好みですっと入り込むことができた。面白い部分(果てや各藩の描写)も多かったけど、冗長。説明的な台詞が多くまどろっこしく感じた。
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面白いけど「女は奪われ虐げられる性」を強調しすぎててなんだかなー。
でも百合ですよね。
主人公と息子が結局再会せずに遠くから見守るのが良かった。
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世継ぎを生むためにいくつもの国を回る女性の話。
女性が虐げられている憤りを架空の国々での話として前面に表現しているようだった。
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2024.4.20 読了
この作家さん こんな話も書けるんだー。
思いっ切り ファンタジー(私の苦手な分野)でした(笑)
でも なかなか面白く読めました。
全部理解できたとは思えませんが。。。
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どうやら性差別をとりあげ、ガリバー旅行記みたいな装いの風刺小説かなと読み始めた。しかし男女のまぐわいを「犯す」ものと不快な設定。占いで選ばれた皇后星として、次代の帝候補である藩王の子を孕むことを目的に、孕むまで次々と4か国をめぐる。さっぱり理解の及ばぬ設定でしょう。主役の環璃が、その任務に対して喜びとまではいわずとも、それなりに誇りを抱いていればいいけど、愛する実子を人質にとられて従う無念のさだめ。最後はおそらく誰の予想にも違わず神(悪魔です)が憑依してめでたしめでたし。やれやれ。タイトルどおり忘れます。
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差別について考えるきっかけを与えてくれるファンタジー小説。
主人公の環璃が人質にされた子どもを取り返すために4つ国を廻る強制的に・・・
4つの国にはルールがあり、それが少し考え方によっては哲学的な気がしました。
ただ、女性への扱いが酷い。
過去(時代を遡る)の女性差別を考えると現在の女性の扱いは良くなっているけど、
それでも女性と男性と同じ人間なのに差があるように感じます。
近いうちに少しでもみんなの考え方が改まったらいいです。
今まで差別について深く考えたことがないですが、この小説を機会にいい経験ができました。
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男女で大きく感想が異なる作品だと思う。
昨今のフェミニズム運動が内包する怒りを、異世界ファンタジーという形に変えて爆発させたような物語。
主人公は夫を殺され、産まれたばかりの息子を人質に取られ、子を産むためだけに見知らぬ国々をまわる。人権が無い。
あまりにも酷い人々に酷い世界だと思ったが、その背後に「彼らは獣の末裔にすぎず、かつて主人であった人々の真似をしているだけ」という大きな皮肉があった。
貴志 祐介の「新世界より」を読んだときの衝撃を思い出した。
幕引きがさっぱりとしているので少し消化不良だが、新たに主人公が王として君臨するのではなくてよかったと思う。