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悲惨な時代や環境だからこそ、愛が純粋培養され結晶となり、生きていくことの救いと成り得る。
と言うことで今僕が欲しているのは、愛だ?!
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キクのマリアへの叫びはまさに祈りの迸りだと言えよう。私たちよりよっぽど彼女の方がマリアに親しいとさえ思われる。
長崎巡礼の際に外海の遠藤周作記念館に立ち寄ったそこで買った本。その前に、出津協会、黒崎教会、ド・ロ神父の記念館及びその授産施設にも。前日の大浦天主堂で見たマリア像が目の裏にまざまざと蘇る。何故遠島から帰ってきたキリシタンたちが故郷で辛い目に遭ったのか。何故困窮の極みの中で暮らしたのか。その疑問を、この本は解き明かしてくれた。と、同時に拷問を加える側の苦悩、耐える信徒たちの姿、それらが明治の初めになってもまだ続いていたことに、胸が痛く、熱くなった。回心の姿と、哀れみの賛歌が重なった。
自分だったらどうするだろうか?と考えるのは傲慢なこと。総てはその時、必要になった時に与えられる賜物に寄って賄われる。だから、今、私だったら、と考えるのは必要では無い。それより寧ろ、その身を犠牲にして私たちへの道を開いてくださった総ての方々に感謝を禁じ得なかった。
イザヤ書53章より:彼は自らの苦しみの実りを見 それを知って満足する。
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長崎のキリシタンを愛してしまった少女キクの一生の話。なにゆえこの時代は貧しいのか、ひたむきに生きてきたキクはクロとして捕まった清吉を助けるためのついには自分を売る…。そしてその先には清吉との再会があるわけでもなく結核という病魔が。
遠藤周作の物語というのはだいたい同じテーマで進んで行きますから好きな人は好きでしょう。
僕はコルベ神父の記述がこの本にあると聞いたので読んでみたのですがなかったですね。
2部のほうにあるのかな。
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面白かった。江戸~開国の激動の時代における、キリシタンの扱い。その中でも愛を貫いて死んでいくキクの姿に感動。
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強いことが全てじゃないし、弱いことは悪いことだと思わないけど、自分の弱さのせいで他人に迷惑をかけたり不幸にするならそれは反省すべき改善点でしかないと思うのです。
伊藤はそのことを知っているのに同じことを繰り返す。それは反省する自分に酔ってるだけ。弱き者はつべこべ言わずに従えばいいのです。それもまた強さだと思うんですけどね。
でも伊藤はそれも出来ない。
清吉じゃないけど最後は本当にぶん殴りたくなりました。マリア像と対話するキクが健気で可愛いらしかっただけに余計にボコボコにしてやりたい気分でした。
あたしは善人でもキリスト教徒でもないので清吉と同じ心情にはなれませんでした。最後の最後まで伊藤という人間が好きになれず、キクの一生は無駄じゃなかったという清吉にもモヤモヤしました。無駄か無駄じゃないかはキクにしか判断できないことだと思います。
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幕末から明治維新に向かう日本で、禁教のキリスト教を隠れて信仰してきたキリシタンが、迫害され流刑される浦上四番崩れを描いた作品。
これは宗教の自由や信仰の自由を認める上で歴史上重大な出来事を、キリシタンの青年、清吉を想うキクの一生とともに書ききった名作と言える。
キリスト教を禁止にするには、日本古来の公序良俗が乱れるという恐怖感に始まるが、当時はそれを許容する度量は日本にはなかった。だから鎖国したのだが、その間200年にも渡って受け継がれた。逆に言えばそこまで続けば、棄教する方が難しいのか。
日本では今、性的少数者の権利を法的に認めるかどうかの議論をする土壌ができつつある。ほんの100数十年前にキリスト教が認められた時と似た状況でもある。なぜなら性的少数者を認めると日本の家族観が損なわれたり、男性と女性が結婚できるのは子ども作る権利を持つというデリカシーのないことを言う人もいるからだ。それは違うだろう。結婚という行為は、契約論だから。倫理観を保つことにはつながるし、人間の尊厳に関わる。
折しもキクは、汚れなき身体を、愛する清吉を助けるために、伊藤に捧げた。あの時にキクは清吉の妻にはなれないと覚悟し、白い泪を流した。これこそ人の愛であり、愛する気持ちがあれば性的少数者も関係ないはずだ。
そういう大義をキクの死ぬまで清らかな心が教えてくれる。
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幕末から明治維新の時代にかけての長崎・浦上崩れ(検挙・弾圧事件)を題材にした小説。
恋い慕うキリシタン青年が流刑になり、その彼のために、死に至るまで自分の身を汚してまでも愛し抜いたキク。
神を信じているのに、なぜ不条理とも言える苦難が振りかかるのか、、、神義論的な問いを突きつける。
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女性の尊厳を描くことで男性の尊厳を浮かび上がらせ、総じて人間の尊厳とは何か、を考えさせる。
長崎が舞台でとても読みやすい。ただ、やはり遠藤周作は重すぎて、1冊読むと食傷してしまう。
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内容
長崎の商家へ奉公に出てきた浦上の農家の娘キク。活発で切れながの眼の美しい少女が想いを寄せた清吉は、信仰を禁じられていた基督教の信者だった…。激動の嵐が吹きあれる幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹弾圧の史実にそいながら、信仰のために流刑になった若者にひたむきな想いを寄せる女の短くも清らかな一生を描き、キリスト教と日本の風土とのかかわりを鋭く追求する。
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2018.05.29再読しました。
前回この作品を読ませていただいた時は、お借りしていた本にもかかわらず、泪が止まらなくてページをぬらしてしまいました。まさに自分にとって人生の教科書になる作品だったので、今回は泣かないように再読を試みましたが…
ムリでした(TT)
浦上四番崩れ。
今からわずか145年前までこんなにも酷い事が行われてたんですね。
何回読んでもキクの美しい愛と心に感動します!
そして、「女の一生」、「沈黙」を読んだ時にも深く考えさせられる神の存在。
神は存在するのか?カタチはあるのか?と言う事。
わたくしの勝手な考えなのですが、神ってその人の人生なのではないか?と思うんです。その人がどうやって生きてきたか、によって神の存在を知る人、知らない人がいて、カタチを創る人創らない人もいて。
たぶん、その存在を信仰できる方たちはとてもステキな人生の持ち主なんだと思います。
キクもきっと人生という神様に出会えたのではないでしょうか。
決して汚れのない美しい人生だったと思います。
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幕末から明治にかけての長崎において、密かに信仰を保っていたキリスト教徒が弾圧された”浦上四番崩れ”という歴史的史実を、弾圧されたキリスト教徒に思いを寄せる非キリスト教徒の女性キクを主人公に描いた遠藤周作の1982年の作品。
『沈黙』でも描かれるようなキリスト教徒への迫害の様子のおぞましさはさることながら、主人公のキクとの出会いにょり最終的に改修する迫害する側の人間の心の弱さや、明治に入り諸外国との外交関係の観点から弾圧が次第に問題視されていく様子など、様々な主題が交差する。
それにしても、若干ステレオタイプな表現もあるにせよ、遠藤周作はこうした悲劇的な女性を描かせても巧い。通俗小説ではあるが個人的に強く印象に残っている『わたしが・棄てた・女』を思い出した。
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数年前に読んだ時は、キクと清吉に注目していたが、今回再読して、役人伊藤に感情移入した。自分も働くようになったからか。
名作だ。このようなことが史実としてあったのか、信仰とは何なのか。
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浦上四番崩れという明治初期のキリシタン迫害のことを題材にした内容。
様々な登場人物の心模様が描かれて、人というのは弱い者だと、そして、神様など信じたりする事で強くもなれ、相手を思いやることが出来るようにもなるのだと思う。
苦労をすることで、人々は繋がりをより強くし、相手をおもいやり、自分も成長していくものだと。
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キクは気が強くて頑固で後先考えずに行動するタイプで、最初あまり良い印象がなかったが、“愛する者のために自分を犠牲にする強さ“に最後ウルっときた。
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遠藤周作の本を読むといつもキリスト教の惨さを思う。どんなに祈ろうと、どんなに善行を積もうと、神は報いてくれない。それでもキリスト教信者は、神を信じ神に祈る。
多神教徒なら都合のいい時に都合のいい神様に神頼みをするのに…
でもだからこそ、心に滲みるのが遠藤周作の小説である。キクのような生き方こそ神様だよね。私は伊藤だ、熊蔵だよなぁって思いました。
女の一生2部はないのかなぁ