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【白い人・黄色い人】 遠藤周作さん
遠藤周作さんの初期作品。
時代は1930年代後半から40年代
ナチスがポーランドへ侵攻しユダヤ人を迫害し
いま、まさにフランスに攻め入ろうとしている。
フランス人の父とドイツ人の母を持つプロテスタントの
家庭に生まれた主人公
自分の快楽しか顧みない父親と、その夫への反動から
清教徒として厳しい戒律を幼い息子に押しつけた母親
そして息子は母への反感から無神論者になる。
戦争が始まり、ドイツ軍がパリへ攻め込んだとき
彼はゲシュタポの手先となり、同胞を責めさいなむ道を選んだ。。
人の中の「悪」というものと、キリストを信じたくない
しかし、心のどこかでキリストに期待している彼の
ジレンマを感じました。
「黄色い人」もキリストを裏切った神父と友人を裏切り
しかも罪の意識を感じない青年の話が書かれていました。
この本を読むのは久しぶり(十年ぶり以上)です。
借りた本ではなく、自分で買った本。。
何度も読み返さないと、いまいちよく分からないのは
わたしが無神論者だからでしょうか?
(一応仏壇もお世話になっているお寺もあるのですが・・)
キリスト教の人、仏教の人、神や仏を信じる人が
読むと、また違った目線で読むことが出来るのかな。
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キリスト教圏で生きる白い人、無宗教で生きる黄色い人。なにかが決定的に違う。果たしてどちらが幸せなんだろう。
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祈っているよ、君、たとえ君が神を問題にしなくても、神は君をいつも問題にされているのだから。
人間世界が文明や進歩の仮面を剥いで、真実の面貌を曝け出す非がやってくる。
神はひとたび彼を裏切ったものは永遠に苦痛と責め苦とを味あわねばならい。祝福も希望も与えない。
なんだか読んでいてつらくなる。
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浦野所有。
遠藤周作の作品ってなんだかわかりにくい…。
『白い人・黄色い人』では、無神論者は無道徳で無気力ということがやたらに強調されています。「自分さえよければ他人のことは知ったことではない」という人間の行動は、信仰心の欠如がもたらすものなのでしょうか??
ちょっと納得のいかない部分もあって、素直に読めない作品でした。
(つか、キリスト教的な思考が、私の肌に合わないだけかも。三浦綾子著『塩狩峠』も素直に楽しめなかったし)。
ちなみに、「白い人」は芥川賞受賞作品です。
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…難しかった…
キリスト教の考え方とか、そもそも宗教というものに疎いため、おそらくほとんど自分は分かっていないと思います。。
遠藤周作を読む順序としたら、「白い人・黄色い人」「海と毒薬」「悲しみの歌」でしょうか。
この流れで来ると、最後に遠藤周作が何にたどりついたか…分かったような、分からなかったような(だめじゃん)
遠藤周作の初期の作品ということもあり、そして悲しみの歌を読んだ後だったということもあり、とても鋭くとんがったものを感じた作品だった。
何か正解を出したくて暴れているような…
私としては…「今ここに神はいない」なのかなぁとか…(硫黄島を経験した米海兵隊隊員の言葉ですが)
遠藤周作が、もし戦場に行き、内地における地獄とは別の地獄を見ていたらどんな神を見たのだろうか。
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キリスト教をテーマにした初期の作品2作。
作者が伝えたいこと、考えていることが小説から溢れ出ていて、作品自体の雰囲気を超えて瑞々しく、読ませる文章。
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『白い人』・・・フランス人とドイツ人とのハーフでありながら、第二次大戦中にナチの拷問の場に立ち会う主人公。
『黄色い人』・・・特攻隊である友人の許婚者と良心の仮借なく寝る日本青年と友人の神父を官憲に売った白人神父。
2つのストーリーとも私にはむつかし過ぎてわかりませんでした。何が言いたいのかも良くわかりませんでした。ただクリスチャンって色々と悩み事が多そう、なんて思ったけど。
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再読。
遠藤周作に出会ったのは、高校1年生の時。
海と毒薬で衝撃を受けた。
彼はキリスト教を小説に交えながら、
そこに存在する「事実」を突きつける。
まるで読者に答えを迫っているように。
海と毒薬のラストシーンはあまりにも衝撃的で
しばらく遠藤周作の本を欲しても、
わざと遠ざけていた。
でも、もう一度読んでみようと思う。
作品内に関西学院や聖母が出てきたので、
少し驚きました。
遠藤さんの言葉ではないけれど、
人間の成り立ちのところが印象深かった。
神が人を焼いた時、
焼けなかったのが白人。
焼きすぎて焦げたのが黒人。
ちょうどよく焼けたのが黄色人種。
人は決して外見や肌の色で判断してはいけないけれど、
どこか中途半端さが残る黄色人種の人間としては、
神の言葉の「何事もちょうどいいのがいい」という発言に
少し救われました。
この作品は、人種とは何かや
遠藤さんの最大のテーマである神は何かを問いかけている作品。
黄色い人では、神父が最後まで神を捨て切れなかったところが、
やはり日本人との違いである、と感じました。
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無神論者の西欧人成年が信仰心の厚い学生を追い詰める話と、日本人キリスト教徒の青年がキリスト教や神父への猜疑心を吐露する話の二部作。心理描写が素晴らしすぎる。そして、神は所詮白人であり、キリスト教の罪の考えは日本人には馴染まない、そもそも日本には無い考えであるという主張に心打たれた。
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読みやすかったけど、どこに重点を置いて楽しめばいいのかよく分からない。
なんで文学賞をとる作品って、キャラが変態だったり鬱だったりするのが多いんだろ?
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これは主題が盛りだくさん過ぎてちょっとわかりにくく、海と毒薬はまっすぐすぎた。やっぱり沈黙が私の中では一番だなぁと思いました。けだるい文体というか、スモーキーな文体が印象的です
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著者の「海と毒薬」が気に入って読んだけど、ちょっと期待はずれだったかなあ。自分が宗教がよくわかってないからかもしれない。
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神を信じ抜く者、神を裏切る者、傍観者、十字架、醜さ、美しさ、、、
こんなに短い物語の中で描かれているものの深さに驚かされました。
場面設定も、人物の描き方も、時代や風景や背景も出来事も、
計算し尽くされていて見事!
ストーリーとしても面白く、ぐんぐん惹き込まれまれていって、
予想外の結末に驚き、考えさせられました。
無宗教者にも(むしろそれだからこそ)考えさせられる部分の多い、
素晴らしい作品だと思います。
* * * * *
(カバーより)
『白い人』は、醜悪な主人公とパリサイ的な神学生との対立を、第二次大戦中のドイツ占領下リヨンでのナチ拷問の場に追いつめ、人間実存の根源に神を求める意志の必然性を見いだそうとした芥川賞受賞作。
『黄色い人』は、友人の許婚者をなんらの良心の呵責も感じずに犯す日本青年と、神父を官憲に売った破戒の白人僧を描いて、汎神論的風土における神の意味を追求する初期作品。
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どちらかといえば「白い人」の方が、話の展開に抑揚がありおもしろかった。「黄色い人」は高校2年で読んだ「沈黙」に近い雰囲気が一貫して流れている気がする。解説より「黄色い人」は「神を持たない日本人の精神的悲惨、あるいは醜悪を描く」とあり、確かにその通りであったと思う。しかし、カトリックであると同時に日本人でもある作者の遠藤氏は、本当にコレを批判的に描いたのだろうか、と考えると疑問が残る。遠藤氏が「白い人」と「黄色い人」のどちらの立場でこの小説を執筆したのかも興味深い。
ところで、これを読んでいた時、太宰治の「人間失格」における「もしドスト氏が、罪と罰をシノニムと考えず、アントニムとして置き並べたものだとしたら?」を思い出した。「白い人」は罪で「黄色い人」は罰であり、確かに「絶対に相通ぜざる者」らしい。同じ人間なのにこの違いはなんだろう。
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芥川賞受賞作の『白い人』はサディズム漂うフランス文学色の濃い読み味で、展開力の弱い『黄色い人』より物語として楽しめた。カトリック作家として晩年まで続くテーマの一貫性は、この初期2作品が出発点。