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教誨師と死刑宣告をされた受刑者に焦点を当てた内容でした。教誨師はこんなにも精神的に過酷な職業だったのか、と。刑の執行まで教誨師が受刑者の気持ちや罪の事を聞く場面が多々あるのですが、受刑者側の生い立ちや気持ちにのめり込み過ぎてしまい、残酷な目に遭った被害者や被害者遺族の事を忘れてしまう程でした。決して罪は消えないのですが、深く重く考えさせられました。
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被害者の遺族は、犯人に死刑判決が出ればそれで区切りになるかと思ったけど
そうじゃなかった。
有期刑なら出所後のことを呪い
死刑判決が出ても償いの言葉がないと終わらない。
どうなっても救われることなんてないんだ。
死刑判決が出てから執行まで長い。
だけどそれだけの時間は必要なんだと思った。
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内容重いけど、一気読み。
自分なら?許せるだろうか?ここまでの状況だと想像を絶するというか、本当にその立場にならないと分からない。
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実の娘を惨殺された教誨師が反省の色も見せない犯人と向き合う。
死刑執行に立ち会う拘置所の職員や教誨師の精神的負担は大変なものだと知った。
死刑執行という重いテーマに対し当てはめた究極の設定に対する作者の答えはこうなったか。
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筆者の作品、殆ど読了。
幾つか、涙が止まらないものも・・これも・・また滂沱の1冊になった。
保坂の略歴と、職種と類似の人はいるかいないか・・かなり稀有だと思わせられる。
だからこそ、小説のネタになるんだろうが。
そもそも教誨師という存在すら、私には身を切り刻む刻苦な務めだと思っていた。
作品前半で、保坂がかなり影響を受けた鷲尾がそう、して保坂自身も。いわば身を切り刻み、心をすり減らして「神の聖名の元に、罪びとに救いをいを垂れる」勤めが何と辛い事か‥作品では「死神の使い」という言葉が幾度も出てくるが。
キリスト教の国々でも死神が鎌を持つ姿をよく見てはいるものの・・教誨師が仏教であっても邪鬼などがその代わりになる例えもある。
真偽のほどは定かではないが、死して体は朽ちても、御霊は天に上り・・という考えでもない「その時を受け入れる」のに耐えられる生身の人がいないとは言えないけれど、余りにも酷であろうという考えで死刑確定の時間に寄り添うための制度がこの教誨師の立ち位置だろうと思ったが。
裁判官、検察官・・特に刑事関係は日常的な社会のつながりを持つことは戒められているが、教誨師も同様なニュアンスを持っているのではないだろうか(あくまでも推測)
自分の心に秤はないまでもいかに水平に保つか、その重さだけで心がつぶれそうになるだろうと思った。
願っていた「石原への教誨」が叶い、ラスト50頁は筆者の技巧の冴えわたる快走(言葉が違うかも)
文字通り頁ターナーと化し、手を止められなかった。
私も3人の子がおり、下2人の男は既にに40前後であるが「少年時代の笑顔」はまぶしすぎて見られないほど輝く宝石・・その表現が2度出てきた個所で涙が止まらなかった。
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読みながらどんどん辛く心が締め付けられていく
死刑囚にかかわる刑務官、死刑囚に教誨をし、最期のときに祈りを捧げる牧師。神経が壊れそうになっていく日々が苦しい。
凶悪犯罪を犯した死刑囚の石原は贖罪の気持ちもなく、死刑も恐れてないという。
せめて絶望させてから死刑にさせるのが復讐になると考えた
我が子をなぶり殺された牧師の葛藤が痛い程伝わってくる。
人を許すことの究極は子どもを殺された親が殺人犯を許すことではないだろか
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薬丸さん…またすごい作品を(꒪⌓︎꒪)
読んでいる間ずっと息苦しくて辛い。
登場人物全てが苦悩してます。
娘を殺された教誨師の苦しみがもう凄まじくて…
裁判の最中から一貫して、平然と残虐な殺人の事を語り死刑を望む言葉を繰り返していた石原。
石原への復讐の為に教誨師として関わる事に成功した保坂。
保坂と石原の教誨の回数が進むにつれて壊れそうになる保坂が辛い。゚(゚´ω`゚)゚。
保坂と石原を見つめ続ける刑務官の小泉の苦悩も辛い…辛い人ばかりでもう苦しい…けど読みたい…
死刑廃止論者ではないけど、執行のスイッチを押す三人の刑務官…下で待ち受ける二人の刑務官…
執行場面の描写がたまらなくて苦しかった。
薬丸さんらしい素晴らしい作品でした。
そして辛く苦しいけど読みやすかった…
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この作品を通じて、教誨師と刑務官に畏敬の念を持つとともに、日本の死刑制度も深く考える事になった。
犯罪者の生命を法の下で奪う事の重大性も理解できるし、死刑を望む被害者側の感情もよくわかるのだが…。世界の趨勢が死刑廃止だからと言って安直に答えを出せる問題でもないと思う。
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〈神の前ではどんな人も赦される〉
社会的な許しと、宗教的な赦しは少し違う。
牧師の宗佑は、その教えに自身が苦しめられる。
娘を殺されてしまったからだ。
犯人に生きる希望を与え死ぬ直前に地獄へ突き落とす。
宗佑は教誨をする。
牧師の娘が殺された。
(今回は、薬丸岳さんそうきたか・・・)
犯人に娘と同じ苦痛を与え地獄へ送る。
そのような思いを抱いたままで教誨師が務まるのか。
その揺れ動く気持ちが痛いほど伝わる。
また、死刑囚と向き合う刑務官の心理も生々しい。
いつも、薬丸岳さんから
「あなたならどうする」と問いかけられている気がする。
今回も簡単に答えは出ない。
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教誨師を務める牧師の男が、その娘(公には娘とされていない)を殺し反省の態度が全く見られない殺人犯と教誨師として向き合う物語。
かなり重いテーマだが、ぐいぐいと引き込まれた。実際に反省の色がまったくない凶悪殺人犯にこんな変化があるものなのかとは思うが、まさに人間ドラマだった。死刑執行に携わる刑務官や教誨師の職責の重さにも思いを馳せた。
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死臭が漂う殺人、そして、憤怒と復讐。主人公で教誨師の宗佑の娘が殺される。さらにお腹の子どもとともに。娘の命の懇願をも蹴散らした殺人者・石原。宗佑は自分の娘が殺されたことを隠し、教誨師として石原に近づき、死刑執行直前の教誨の際に石原を言葉で地獄に落とすことで復讐を計画する。石原との教誨により、考え方が変化する。石原が死の恐怖を抱く。死刑執行の直前、宗佑は石原と対峙し、死への恐怖を訴える石原。そこで宗佑の復讐が終了し、石原は視界から消える、1本の縄が揺れる。復讐とは、正義とは、何なのかを考えさせられた。⑤
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「最後の祈り」
読み終わって、本を閉じて、改めて表紙絵をながめながら、それぞれの最後の祈りは届いたのかと、また胸が苦しくなった。
プロローグから衝撃的で、考えさせられるテーマに、単なる一小説として読み進めるにはとても苦しかった。その分、すごく考えさせられた。
終わり方も、私はよかったと思った。
この小説は、本当に、読んでよかった。
次の本を読み始めたケド、ついつい、気付くと石原と宗佑のコトを考えてたりする。
しばらく引きずりそうだなぁ。。。
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とてもとても重く、難しいテーマに真正面から向き合った作品。
いったいどのような結末を迎えるんだろう?
このテーマに結論なんて出るんだろうか?
わたしならどう考え、どう行動するだろう?と自分なりに考えながら読んだ。
そして、受刑者たちにこんなふうに接して働いている方々がいるということ、そういった仕事についていることの大変さに改めて気付かされる。
死刑執行の場面に立ち会い、その執行に加わらなければならないなんて…いったいどれほどの精神的負担だろう。
最後の最後まで途切れない緊迫感。
長さを感じさせない作品だった。
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重い、重くて少しずつ読んだ。人間の本質を問う主題に寄り添う気持ちが切なくて、、
どの章も何で?と叫びたい場面ばかり。私は傍観者で良いのかな?皆んなに呼びかけたい作品
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殺人犯と、娘を殺された父
教誨師として対面する死刑囚が、娘を殺した犯人。
贖罪や反省の態度など微塵も窺わせないふてぶてしい態度の死刑囚が、どう変化して、どう死刑を迎えるか。
親子関係の設定やエピソードにわざとらしさは否定できないし、その辺の回収ができないまま終わるが、本筋のところの死刑囚の贖罪とか反省のところは、すごく重いし、収まりよいラストですごく良い。
一気読みできる読みやすさと没入感