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以前出版された「隠居すごろく」の続編。
前作で巣鴨の糸問屋・嶋屋の隠居,徳兵衛が隠居家で始めた新しい商売組紐屋「五十六屋」,孫の千代太達が営む参詣案内の店「千代太屋」は好調で,手習い所に通う子どもたちも元気いっぱい。
それでも子どもたちを始め,その家族にまつわる厄介事には事欠かず,隠居したはずの徳兵衛もあれこれ始末に飛び回ることになっているのは変わらず。ところが今作では,そうしたことに加え遂に徳兵衛の身内に厄介事が発生してしまう。そして徳兵衛の生来の頑固さ意固地さが原因で話はこじれにこじれ,大騒動に発展する。
ネタバレとも言えるが,予め断っておくと,本作の最後ではすっきりと気持ちよくは解決しない。さらなる続編では皆がもっと幸せな状況で終わらせてほしい。
それにしても年寄の意固地は見苦しいな。自分でだめだと気づいていても止められないのは手に負えない。くれぐれも自分はああはならないように気をつけよう。
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還暦を機に楽隠居を決め込むつもりでいた老舗糸屋·嶋屋の隠居·徳兵衛は、孫やその仲間たちの持ち込むあれこれのお陰で、忙しい毎日を送っている。
隠居屋に集まる人々や嶋屋の人たちの日々の事々が、興味深い。徳兵衛に関わる人たちの情のやり取りもあたたかい。要らない意地は張らないに限る、を教訓にもしたくなる。
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隠居すごろくが面白かったので、楽しみにしていた続編。最初、忘れていた登場人物の整理に頭が混乱し、なかなか読み進められなかったけど、お楽さん登場のあたりからめちゃくちゃ面白くなった。商機の勘がはたらき時代の先を読む政二郎が私は好きだなぁ。基本みんな思慮深くて良いが、徳兵衛の頑固すぎるところはこうあっては見苦しいわ周りも手を焼くわで他山の石となる。いろんなところでそれぞれ問題抱えているけど地に足ついてる感じ。
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時代は違えど、現代人が抱える悩みと変わらないところに共感。西條先生が描く江戸っ子はイキイキしていて温かい。不動の安定感。正に人生は悶着が続くお手玉だと得心した。
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時代が変わっても恋と言うのは本当に厄介、大胆に変えてしまう。末娘のお楽の件で徳兵衛に知らせずお楽の幸せを考えたばかりに徳兵衛が傷つき、すっきりしない終わり方。
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これは続編があると思っていいんですよね!
というか、続きが読みたいです!
帯留とか組紐の話し、着物好きにとっては、もっと詳しく〜とおねだりしたい。
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ほんのりあったかいけど、これはご隠居さんがかわいそうだなと思う。なんていうか、わかるけど。周りの人のこともわかるけど…。
でもちょっとまっすぐハッピーエンドに向かうかなと思ったりもしたのですが、そうはいかないよね。続きを楽しみにしています。
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「隠居すごろく」の続編。
前作から間が空いたので詳細を忘れていたが、読んでいくうちに思い出した。
糸問屋〈嶋屋〉の主人だった徳兵衛は還暦を機に隠居。人生を双六に例えれば、『隠居は上がり』だと思っていた徳兵衛だったが『上がり』どころか新たな双六が始まってしまう。
その大元は孫の千代太。
今で言えば貧困家庭の子供たちを連れてきて徳兵衛に助けを乞い、結果千代太をリーダーにした参詣案内商売をさせている。
また千代太の拾い癖がきっかけで組紐屋〈五十六屋〉を始めることになるのだが、これまでの『苦行』と違って商売を楽しむようになった…というのが前作までの話。
今回の続編を大まかに表現すれば第一話のタイトル『めでたしの先』ということだろうか。
千代太が最初に『拾ってきた』親友・勘七の父親が三年ぶりに帰ってきて、家族が揃い家計も安定してめでたしめでたしかと思えばそうはならず…。
千代太の友人の一人・瓢吉の母親が、再縁した相手の理解もあり瓢吉・逸郎兄弟を引き取りたいと言ってきた。稼ぎをそっくり色街につぎ込む父親と離れられるし、母親の再婚相手も連れ子も優しいので母と暮らす方が良いに決まっているのだが…。
徳兵衛の末娘・お楽は夫と死別後、次々と男を変えて付き合っているが、ついに錺職人・秋吉という良い相手と巡り合った。だが徳兵衛が許すはずもなく更にお楽は妊娠が分かって…。
前作に比べると徳兵衛の四角四面さが少し取れてきたような。お付きの女中・おわさにも度々『ご隠居は変わりましたね』と言われている。
千代太の拾ってくる難題を嫌がりつつも一緒に考えたり、何より貧困家庭の子供たちのことを気にしてくれているのが嬉しい。
だが最後の最後にとんでもないことが。
残り少ないページ数でどう収めるのかとハラハラしながら読んだが、上手く収まったようなまだ先があるような。
他の子供たちの問題やおわさの息子で下男の善三の恋愛問題、秋治・お楽夫婦の今後や〈五十六屋〉の仕入れ先問題などまだ解決していないものもたくさんある。
もしかすると更に続編があるのだろうか。
身内の悶着を『お手玉』に例え、『慣れぬお手玉を、三つも四つも手にしているかのよう』と表した丸喜屋ご隠居のように『ずっしり重いお手玉を握らされている』徳兵衛の今後も見てみたいし、なにより子供たちの成長も見守りたい。
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すごろくを読んですぐに借りました。
こっちを読んでまたすごろくに戻りたくなる。
こういう物語調で読むと商いだったりの難しいことも興味深く感じられる。
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この人の本を読み始めてもう何冊にもなるけど、初めて結末にちょっと納得いかない感じがした。途中まで各家庭のごちゃごちゃがあって、大本に嶋屋の娘のゴタゴタがあってとても面白かったのに、最後がなー。そもそもこの娘が全部悪いんだから、もうちょっと長くしんどい想いをしてもらいたい。だってあんな仕打ちはご隠居があまりに可哀想。と、相変わらず登場人物に肩入れしてしまうほど面白い物語。
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「隠居すごろく」の続編。
すごろくの次はおてだま。人生なんてそんなに簡単に上手くいかないモノ。あっちに振られ、こっちに振られ、隠居後の生活を上手く表現しているなと思った。
前作で上手く収拾ついていたように思えたものが、次々ともうひと悶着あって、、、しかしながら、それらも何とか上手く収まりそうだったのに、最後の最後でお楽と錺職人の秋治のできちゃった婚でとんでもない展開に。いや、決してアンハッピーではないんだけれど、これは続きがないと嫌だー!っていうモヤモヤの残る終わり方。お願いだから、めでたしめでたしな結末を読むまではこのシリーズ終わらないで(哀願)
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図書館で偶然見つけて即行借りた、『隠居すごろく』に続くお話です。前作で始めた組紐商いも軌道にのったようで、さて今回は?と思いきや…ごごごご隠居ーっ!いいんですかっそれでーっ‼…というラストになり、正直めっちゃびっくりしました。まぁ、次の3作目でまたまぁるく収まりそうな気はしてますが…商家のメンツとかご隠居の頑固さとか、何でそこまでこじらせてしまうかなぁという気もしますが^^;