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美しく、哀しいおとぎ話。
ねこ助先生の挿し絵も、落ち着いた薄暗い配色で、おとぎ話調の哀しい物語を美しく彩っている。
登場人物の衣装がとてもかわいらしいのも素敵素敵。
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「けれども、花の鎖は引いても引いても尽きないほど長う御座いました。
「水が濁るとよくないことがある」。そんな言い伝えのある湖のそばに住むルルとミミは、鐘造りの父が身を投げてから、二人きりで暮らしていた。
夢野久作の名作がイラストレーター・ねこ助によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。」
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読まねば、と思いつつ結局読み通せない夢野久作の「ドグラ・マグラ」と「少女地獄」なのだが、図書館でこの本を見つけて「これなら読み通せるかも?」と思ったので借りた。
「乙女の本棚シリーズ」というシリーズの中の1冊らしい。立東舎という出版社から出ている(知らない出版社)。太宰治や夢野久作、谷崎潤一郎などの作品に今風の挿絵がついて絵本になっている。
とても読みやすいし絵も素敵だが、薄い本なのに1980円と値段はお高め(フルカラーだし仕方ないとは思う)なので、本当にファンである作家さんの作品でないと自分で買うのはちょっと無理だ。
肝心な作品の方は初めて夢野久作の作品を完読した、という満足感はあったし、絵が作品の雰囲気に合っていて良かった。また図書館に同じシリーズがあったら是非借りようと思う。
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絵本にすることで手に取りやすく読みやすくなっていると感じる。
どこまでが夢でどこまでが現か。
曖昧な境界を明確にせず美しさに魅せられた兄のところへ妹は花の鎖を握ってゆく。
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幻想的
夢と現実の境目が曖昧で
美しく悲しい、おとぎ話✧*✧*
のように思えるが……
怖かった
“水晶のような水が一ぱいに光っている美しい湖
けれどもその湖の水が黒く濁って来ると、この村に何かしら悲しいことがあると云い伝えられておりました”
可愛らしい兄妹のルルとミミ
母亡き後、鐘造りの父は新しく造った鐘が鳴らなかったことを恥じ、湖へ身を投げる。
その後鐘造りになったルルも、同じ理由で身を投げる。
湖の底にある美しい御殿に暮らす女王様に呼ばれて……
これはまるで生贄?
ねこ助さんのイラストが美しすぎて。
より怖さが増す。
湖のほとりで花を摘み、長い長い花の鎖を作るミミ。
「あたし、この鎖をもっともっと長く作ると、それに掴まってお兄さんに会いにゆくのです」
あぁ、なんということ!
それにしても、ねこ助さんのイラストって本当に素敵ですね。
優しい色使いも好みで、ずっと眺めていたい。
そして、
最後の一文と、ルルとミミの抱き合った姿のイラストが美しすぎる!
だから、だから、悲しすぎて。
ぞっとするのです……
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夢野久作 × ねこ助さんコラボ作品
「ルルとミミ」を読みました。
こちらは童話ということで、どんな作品なのか
ドキドキしながら期待値マックスで手に取りました。
ねこ助さんのイラストはただ、ただ、もう
可愛らしく、綺麗で…惹きこまれてしまいます。
また、幻想的な独特の世界観をシックな色合いで…
儚さや哀しみを醸し出してもいるなと感じました。
童話であってもやっぱり夢野久作の作品。
なんともいえない読後感…に息をのみました…。
ある村に、水晶のような水が光る
美しい湖がありまして、
ルルとミミという可愛らしい兄妹の
みなしごが居りました…。
その湖が黒く濁ってくると、
この村に何かしら悲しいことがあると
云い伝えられておりました…。
このような文章から始まる物語は
美しい描写が様々な場面でも散りばめられてました。
月光の中、湖に咲いている睡蓮の花を摘んで
草の糸に長く長くつないだ鎖で湖の底に下りたり…。
月と星の光が差し込む湖の底の美しさといったら
想像もできない位の煌めく美しいところ…。
夢か現か曖昧な…美しい湖の底…。
少し前に読んだ…
「銀河鉄道の夜」を思い出しました。
宝石のように綺麗な銀河の星空のなかの…
死をテーマに扱ったとても悲し過ぎる、旅の物語。
美しい湖の底の描写が…似ているようでした…。
どちらの作品も美しい…でも…
胸がしめつけられてしまいます…。
そして考えさせられてしまうのです、
いろいろ…。
⸺可哀そうなルルとミミ……。
そんな描写がありますが…。
ふたりのしっかりと抱き合った姿の
イラストをみていると…
ふたり一緒でしあわせなのだと…
そう、どうしても、思いたくなります…
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乙女の本棚シリーズから、夢野久作さんとねこ助さんのコラボ作品「ルルとミミ」です。先日運よく1番に借りることができました!!もう~嬉しいっ!…ということで、なんとも表題もイラストも可愛い感じで、期待も高く読んでみることに…。
水が黒く濁るとよくないことが起る予兆だと恐れられている湖があった…。湖のふもとで、兄のルルと妹のミミのふたりで生活していた…。ふたりの父母はすでに他界しているが、亡き父のあとをついで鐘造りになったルル…新しい鐘を丹精込めて作ったが、その鐘は鳴らなかった…。心を痛めたルルは湖に身をなげる…。一人ぼっちになったミミは、ルルに会いたいと湖のほとりで涙を流すと、睡蓮の声が「…明日の夜までに、湖の底につくような長い花の鎖をつくりなさい…それにつかまって湖の底の真珠の御殿へいらっしゃい…」と…。
悲しいエンディングが待ち受けていました…。なんとも切ない…言葉を失ってしまうほど…。そして、静寂な澄んだ湖だけが何事もなかったかのようにそこにある情景…それがとっても美しくて、しかもねこ助さんのイラスト…キレイすぎて、読後の余韻を誘います。
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むかしむかし、ある国の美しい湖のふちにある村にルルとミミという兄妹の孤児がいた。
ルルは亡き父と同じ立派な鐘造りを目指す。
「湖の水が濁るとよくないことがある」
幻想的で悲しいお話だった。
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鐘作り失敗で湖に身を投げた兄ルルに会うため,妹ミミは花の鎖を握り湖の底へ沈んで行く。幻想的な物語。水死体浮上,虚しくやるせない読後感で久作らしさが滲み出る。
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福岡県生まれなんですね。
最寄りの図書館に夢野久作コーナーがあり、新作として見かけて借りました。
初出 九州日報1926年 名義「とだけん」だったとのこと。
水晶のような水が光る美しい湖の村に住む人たちと、ルルとミミという長髪の美しい兄妹のお話。黒基調の服で愁いを帯びた瞳と陶器のような肌が映える。ルルが懸命に作った銀色の見事な鐘の美しい音や、お太陽様の光りを受けて、まぶしく輝きながらユラリユラリと揺れる様子が描かれていたのに。
睡蓮の花とミミの姿が妖艶な美しさ。花の鎖が命綱の代わりで湖の底の世界へ行ったり、月の光の怪しさを頼りに海月の導きで陸に戻ったり。澄み渡る鐘の音が妖しく響く世界。ねこ助さんの挿絵で、湖の水が澄みきるために切ない運命となる兄妹の物語の世界観を深化させている。
ブグ友さんのレビューで再度読後感を楽しめました。ありがとうございます!
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儚く幻想的な世界観でとても心に残りました。彼が作った鐘の音が聞くことができるならば、聞いてみたいです。
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夢野久作初めて読んだけど世界観が綺麗でした。特に最後の池のシーンが幻想的だった。2人とも沼の中で幸せに過ごせているといいな。
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とてもきれいな文章と、美しいイラスト。
洋服とお寺の鐘がミスマッチできれい。
二人はかわいそうではないと思う。
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夢野久作、命日。享年47歳。
1926年 九州日報
残酷で美しい童話のような。
水晶のように光る湖。
鐘作りに失敗した父が沈む。兄が沈む。
花の鎖で兄の元へ。
夢想的な美しさと現実的な孤独感が湖に沈む。
美しいけれど寂しげな物語にねこ助のコラボがとても素敵でした。