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ソウル駅近くのコンビニを舞台にしたヒューマンドラマ。独狐氏とコンビニのオーナーの運命的な出会いから始まり、最後は独狐氏視点でのストーリーの反芻、そして、自身の人生を再起動するまで、走馬灯のような展開が新鮮。
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初めての韓流ノベルに手を出してみました。「不便なコンビニ」ってタイトルに不穏を感じるこの響き、店員と会話することなく軽く頷くだけで買物できるのが便利なコンビニ。クレーマーや万引き少年のほうが積極的に店員と会話してる気がして、コミュニケーションって相手を攻撃したり不快をもたらすだけのツールになってやしないかと他山の石をみながら考えてました。
世知辛い世の中で孤独を感じている人の多いこと
そんななか、闇を抱えた店員が繰り広げる人間劇がたどたどしくも心地よい違和感を運んできてくれて暖かい気持ちになれました。
元教師のオーナーが経営するコンビニで、夜間働くことになった実直な記憶喪失のホームレス、二人までなら勝てるとか。夜勤って交代制じゃなく専属シフトなとこで働くってキツくないって思ったり、公務員を目指す親日派のアニメオタクの女子バイトに親しみ覚えたり、品揃えのパッとしない個人経営のコンビニの不自由さに飽きもせず訪れる人々。劇作家とか、冴えないサラリーマン等々。
おそらく笑いのツボがそこらかしこにあるんだろうと思いながらもツッコめない異国情緒に温度差を感じながらも結構溶け込めました。
後半すぎると面白さも増して、一つ一つのピースが埋まっていく毎に大切なものを取り戻していく思いがしました。
また、聡明に記憶を取り戻していく元ホームレスの店員、結構いいキャラ出してて親近感湧いてたのに。
最後の章で自分語りはじめて急にシリアスになり身バレしたときは人格まで変わってて、なんだかテンション下がってしまいました。
もう一度記憶をなくして欲しいって思ってしまった。
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記憶を失ったホームレスの店員とコンビニオーナーの女性、店員さんやお客さんとの心温まる物語。
本当に優しくて、温かくて、こんな風に誰かを助けたり救うことができたらいいなと思いました。
最高に素敵なお話でした。
「考えてみれば、家族も人生という旅で出会った、お互いの客ではないだろうか。貴賓であれ、招かれざる客であれ、客として接していれば、お互いに傷つけ合うことはないだろう。」
「結局、生きることは人間関係であり、人間関係とはすなわちコミュニケーションだった。幸せは遠くにあるのではなく、自分のそばにいる人たちと心を交わすところにあることを、いまになって理解したのだ。」