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黒いモヤモヤと闘い続けた母が失踪し「黒屋敷に行きなさい」という手紙が残された。冬乃ひなげしは母の手紙に従いそこを訪れる。そこには黒ずくめの鏡見夜狐がいた。
綾里けいし特有の残酷で残忍で救いのない展開、それでいてどこか美しさを感じる描写は相変わらずだ。異能もののバッドエンドやグロいものに抵抗がない人には合っている作品だと思う。
メインキャラの1人鏡見夜狐、時に少年のように無邪気で時に青年のように無関心でで時に老人のように達観した独特で毒々しい存在。現段階では彼がどういう存在なのかは明らかにされていないが、謎は謎のままでいいのだろうかと感じさせる人物だ。
もう1人のメインキャラの冬乃ひなげし、無自覚な聖なる存在。個人的にはこの作品の壊し屋の彼女を好きになれなかった。かわいらしい見た目、愛嬌のある性格、いざという時の度胸、守ってくれる唯一無二の存在。共通点がなさ過ぎた。
各話の流れは黒屋敷に依頼が来る、それを鏡見が解決するだが、そこにひなげしがいるか、いないかで展開が変わる。ノーマルエンドかバッドエンドかくらいの差がある。ひなげしがいると物語の黒い靄がかかった舞台が強制的に明るく照らされる印象だが私はその無理矢理感が好きではなかった。