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緩やかに話が進んでいくのに
読み進める事にググッと引き込まれる
歳とか
性別とか
普通とか
何か心に染み付いている擬かしいものが
清澄の言葉に周りが救われていくような、
流されて清らかになっていくような
清澄本人も周りによって流れて成長していくような
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周りの視線を気にして自分の好きな事を辞めなかった主人公の意志が、自分には無くて素敵だなと思った。
性別で判断されたくないし、自分が無意識に判断してしまいたくないと思いながらも、実際問題難しい部分もあるのかな〜ともやもやする。
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いつまでも思い煩っていたら日常生活が立ち行かなくなるので、腹の奥に呑み込んで忘れたふりをして過ごしている、様々な負の経験。
誰しもが抱えているそんな類の古い傷跡を潜在意識の底から浮かび上がらせ、絶妙に著している第四章がまず、強く心に残る。
読み進めるうちに、なるほど"水"で繋がる物語なんだな、とタイトルが腑に落ちていく構成が、最終章のまとめ方含め、美しい。
他人である黒田目線の章があるのに対し、血縁の家族である全が一人称で語るところだけが敢えて設けられていないということについても、読了した後に違和感は持たない。
また、昨今喧しいところのいわゆるジェンダーバイアスを重要な主題の一つとして採り入れているが、それも妙な押し付けや説教臭さを感じることがない良い塩梅で配合されている。
「明るいところで見ると、わたしの腕にはいくつもしみが浮いている。手の甲にも皺がいくつも刻まれている。
でも恥ずかしくはなかった。七十四年の歳月をともにしてきた、自分の身体。」
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裁縫や刺繍が好きな清澄。
男の子が裁縫なんて。と、認められない母親、さつ子。
そして、清澄が裁縫が好きになったきっかけを作ったさつ子の母親、文枝。
またさつ子の元夫、清澄と水青の父は裁縫を仕事としている。
そして、過去の経験から
かわいいことを受け入れられない清澄の姉、水青。
そんな姉のために、清澄が色々な人の手を借りながら、
ウエディングドレスを作る。
子ども(私の場合生徒)に先回りして失敗させないようにしてしまうことって、
なきにしもあらず。
でも「人生には失敗する権利がある」。
そう、失敗から成長することって大きい。
その失敗することを奪ってしまうのは成長を奪ってしまうことなのかも。
文枝は性別による差別に苦しめられない時代を願っているのに
「女の子なのに数学が得意なんてすごい」という言葉を無意識に言ってしまい
「女は男より劣る」という考えが、
全身を蝕んでいると思う。
私は学生時代は祖父母と一緒に過ごした。
祖父母はもろ、こういう考えの人たちだった。
それゆえに、私の両親もだいぶ柔らかくはなったものの、
まだ少しこういうところがある。
時代に考えを合わせられる人にならなければと
改めて思った。
とにかく、色々な話が詰まっていて
響く言葉もいっぱいあった。
また家族がそれぞれの考え方を理解し、歩み寄っていく過程が温かい。
初寺司はるなさんでした。
次は「川のほとりに立つ者は」を読んでみようと思います。
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設定が傑作を約束してる
もう少し長くても読みたいと思える
もっとみおちゃんやキヨくんのこと知りたくなる
健気で芯のあるキヨくんがすき
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題名に惹かれて手に取りました。
少し前に「正欲」を読んだせいか、とても体に染み渡りました。
男の子らしく、女の子らしく
表現としては皆の共通認識の範囲にあるものがそれぞれあるが、昨今はその言葉はNGワードになりつつある。
夢中になれるものがある、嫌だなと言えるという意志の強さがあることは、まずは受け止めたいなと思いました。
ステキなお話でした。
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家族小説
自分の好きを貫く人たちのお話
年齢も性別も関係ない
好きなことは好き
周囲の目は気にせず自分に素直に正直に!
チャレンジ精神を掻き立てられ 勇気をもらえる作品です!
読後 心身が若返った気分です
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本書を読んでいてジェンダーを軸に、人の好き勝手にできる範囲の自由が周囲の持つ普通像によって責められる理不尽さを思い出しました。
小さい頃、父親に内股歩きを注意されたときのことと、指人形でひとり遊びをしてて溜息をつかれたことを読みながら思い出した。正直歩き方なんて人の自由で誰に迷惑をかけるわけでもないのになぜ責められないといけないのか…指人形にシュワルツネッガーばりの役回りをさせて楽しんでいるのに女のコみたいな遊びをしてと言われ…とても泣き出したい気分になりました。
本書の登場人物は好きなものを好きなこととして味わうことを誰かの普通で批判される鬱陶しさと、それでも好きなことにのめり込む強かさが見て取れました。幼かったあの頃の自分が好きなものを好きでいられたら…そんなことを考え、これからの子供が自分のようなタラレバ沼に嵌らずに強かに好きな世界を突き詰めてほしいなと願ってしまいました。
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自分の中にも絶対にある
女だから、男だからってゆう考え方。私はそういう考え方に囚われてはないと思っていたけど。でもそうじゃなかったのかも。女だからって自分で自分を制限してたのかも。それを人に押し付けた事はない?もっと人間は自由でいていいって思えた。とっても好きな小説。
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場面が素早く切り替わるストーリーを欲する自分にはまだ良さがわからなかった
読書にもっと慣れたら再読したい。
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本屋さんで何気なく手に取った本。ずっとモヤモヤしてた事が少しスッキリしました。子供の頃からどちらかと言えば男の子が好むようなことに興味があり、かわいいよりかっこいいが好き。でも、女の子だからとか、こうありなさいと言う言葉がずっと引っかかっていた。なんでそんなこと言うんだろうと。けど、相手の意図はあまり考えてなかったのかもしれないと、この本を読んではっとしました。自分の気持ちをちゃんとぶつけたこともなかったし、相手の気持ちをちゃんと知ろうとしてなかったかもしれない。この本は私にとってとても大切な1冊になりそうです。
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周りの評価を気にせず、自分の好きなものを好きと言える強さ。好きなものを好きと言える強さをもつ人を支える人間力。人や物を偏った見方で判断して関わったらいかんなあって改めて思った。
個人的に、さつ子の「かけた手間≠愛情の大きさ」が一番共感できた。
また読み返したい。
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親となった自分にとって、第3章のおばあちゃんの言葉は、自分の胸に残しておきたいと思う。
それは、天気を例とした例え話の一コマ。
親が子供を心配すること自体は親の勝手。
だが、そこから先、子供がどういう行動を取るかは子供の勝手。
親がそれ以上口出しすることじゃない。
そこから先は、子供が決めること。
(濡れて風邪をひけば、次から雨を気にして出かけるだろうし、風邪をひいてみないと風邪の苦しみはわからないだろうし)
子供と向き合うには、自分の子供といえども、きちんと一人の人として、尊重して相手をしないといけないと思った。
この本が説いている多様性については、自分にとっては、目新しい内容ではないので、あんまし関心を引かなかった。
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☆4.5
「女性らしい」とか「男なのに」といった言葉や価値観が私たちを型に押し込んでいる。(解説より)
私の母親がそのような価値観や偏見を持っており、自分の考えを押し付けてくるような人なので…子供の頃から何度も傷付いたことを思い出しました。
子供の頃に洋服やおもちゃを買いに行っても「それ、男の子っぽいから別のにしたら?」と言われたり、進路や就職を決める時にも自分の意見を押し通そうとしてきて言い合いになったことが何度もあったなぁと…。
そんな母親は今でも実家に帰ると、私の息子に対しても「女の子みたいなことして」とか相変わらずの発言が多くて、孫にも言うのか…と呆れてしまいます。
本作でも「あるべき姿」や「○○らしさ」に苦しむ登場人物たちが描かれており、共感出来る部分や心に響く言葉がたくさんありました。
そして物語全体を通じて描かれている刺繍に、とても興味が湧きました❁⃘*.゚
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ジェンダーやら多様性やらの話題に敏感な世の中になってきている昨今、こういうお話が読みたかった。
ジェンダーのモヤモヤとか、手作りや手間暇かければ良い親なのか、結婚しない人は半人前なのか。各話の読み手たちそれぞれの抱えていることはどれも自分にも覚えのある感覚だ。
姉弟の名前の由来が語られる場面が凄く良い。刺繍が完成に向かい、初めてタイトルを思い出す。そういうことか。
世間との関わりの中で辛くなった時などに何度でも読みたくなると思う。