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四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200407170000/
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東北の小さな町の高校生の間で「ある噂」が広まった。噂の出所と真偽を確かめるべく「地歴研」のメンバー(その町にある4つの高校から編成されている)が各校でアンケートを実施する。ところが「噂」は「現実」となって―。
ファンタジーホラーとでもいうべきか。面白い。ホラーとして楽しめるのはもちろんだが、語り部は幾人もにわたり、高校生たちの内面、こまごまとした生活がしっかりと描かれている点がこの作品にずっしりとした厚みを持たせている。やっぱいいな、この人。
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じわじわとやってくる不気味さ。Mナイトシャマラン作品の予告編のよう(本編ではなく)。
金平糖がばらまかれた校庭はふえるわかめちゃんがばらまかれた校庭なみに不気味。(2002.8.23)
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中学、高校の年頃というのは、社会に身を置く自分の立場や価値観をこうも模索するものだろうか。この本の中の登場人物でいうと、私はみのりと久子の中間に位置するなあと思った。家が大好きで手の届く範囲で楽しみを見つけ満足できる反面、土地や環境そのものに執着もなく故郷というものを感じない、というか知らない私には彼らほど悩んだことがない。老いていくことで増えていく痛みやしがらみを憎み嫌悪する。……みんな悩むんだなあ。つくづく私は単純だと思った。
裁くというより、ただひとつの信頼を求めた彼の、最後の啓示は望みどおり果たされたのだろうか。物語は流れるまま収束を迎えることはなかった。
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恩田さんの学園物はやっぱりいい。登場人物がちゃんと生きている感じがする。この話はちょっと非現実的な部分もあるけれど、場面描写がすごくいい。「早くできるのにわざわざゆっくりゆっくり遅くしてるような町」「起きてるくせに寝たふりしてるような町」…なるほど、と思い当たる自分の故郷。
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四つの高校が居並ぶ東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーはその出所を追跡調査する。そして噂どおり、一人の女性とが姿を消した。
「学園モダンホラー」だそうで。
「土地」「伝統」を独特の視点で深く考えさせられるミステリ小説だと思う。
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恩田陸の真髄といった感じ。
ありそうでなさそうな、でもやはりありそうな話だからなんか怖い。この人は本当に言葉にするのがうまい人だなぁと思った。なんとなく漠然と気づいていないようでどこかで感じているようなことを、しかも思春期の学生の心情もちゃんと描けてるように思える。一見意味がわかりにくいけど、的確に捉えている(と思われる)表現方法がすばらしい。
話の内容は思ってたのとは違う展開で消化不良気味でもあるけど、それがまた本当にありそうな感じもした。
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恩田陸の学園ホラーのひとつ。
各章のタイトルが良かった。
それはきっと世界の秘密のようなもので。
なんか、最後がしっくり行かなかったけど。
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舞臺は東北地方の「周圍から獨立している」町。
如月山の麓および中腹にある2つの女子高と2つの男子高に在學する高校生達がメインキャラである。このあたり、第1作「6番目の小夜子」と通ずるところがある。
今囘はこれら4つの高校での噂話が現實のものになると云ふストーリーである。
日常生活と隣合せのところにある別世界、ちよつとしたきつかけでその存在に氣づくこと。
子供から大人へ脱皮しつつある高校生達の、その時期ならではの纖細な感覺とその別世界との關係を、さらりとした文體で描き出してゐる。
自分が他者と異り、現實の世界と適合できないのではないかと云ふ漠然とした不安。
これは高校生くらゐの時に誰もが感じたことでは無からうか?
「判るよ。あんたは大人になろうとしているんだ。自分が異物なのではないかと恐れたままね。(中略)あんたは異物なんかじゃない。異常なわけでもない。みんなそうなの、あんた位の子はみんなね」
ファンタジー的な味付をほどこした青春小説(こう書くと恥づかしいが)としても讀むことができる。
2003年5月4日讀了
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ホラーともミステリともつかない不思議な味わい。
谷津という町で広がる奇妙な噂。
噂の出所を探っていた地歴研のメンバー達はやがて谷津に隠された力の存在を感じとって行く。
「跳ぶ」という言葉に象徴される進化を誰が望んで誰が望まないのか・・・。
ラストは今一腑に落ちない感じ・・・。
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「高校3部作」の第2作目。
全体を覆う雰囲気は「サヨコ」と似た感じ。今回は舞台が街全体にまで広がっています。
街で広まる奇妙な噂、金平糖のおまじない、誰かに聞いた話。
キャラや話のインパクトはサヨコより薄いかもしれませんが、
甘酸っぱくてどこか後ろめたいような懐かしさに溢れた作品。
本文から引用された章のタイトルの響きが素敵。言葉の択び方がうまい人だなぁ、と思います。
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青春といわれたら青春なんだろうか?思春期といわれたらそうなんだろうか?らしいといわれたら そうだろうねとこたえてもええ ちょっとしりつぼみの話だなあ
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し、白の世界へ行ってしまえ…。金平糖見るとこれを思い出す…。そしてちょこっと怖くなります。うふふ。。。
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夏留が読書好きになるきっかけとなった本。
この本に出会ったのは中学生の、たしか3年の時だった。
友達がおもしろかったよと言ってた本に興味を持って著者名と作品名を教えてもらった。
まだ本をあまり読まないヒトだった夏留が、この本に興味を持った理由はまぁ置いておくとして。
まだおもしろいかもわからない本をわざわざ買って読んだ。
いや、まいりました。
本ってこんなにおもしろいもんだとは知らなかった。
読み始めて読み終わるまで本を片時も離さなかったように思う。
夕食の席にも持っていって食べ物を口一杯頬張って噛みながら読んでいた。
ページの耳にシミがついているのはそのせいである。ちなみにコロッケを落とした。
そこまで打ち込んだ本がどんなあらすじかと聞かれると今になっては説明できないのだが、
「日常の中の非日常」みたいな感じだったような気がする。
ちょっと悪く言うと、何をテーマにした話かよくわからなかった。
でもこの話の登場人物の年齢が夏留と近くて共感が持てる…というか、なんかそんな感じだった。
読み終わった後も、好きな場面のページをクセがつくくらい読み返した。
自分内読書ブームの到来であります。
そして夏留の受験生まっただ中に勉強もせず本を読みあさるという暴挙がココから始まったのであった。
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恩田陸らしい物語で、あっというまに読めた。推理小説のような感じだけど、物質的な解は無く、もっと広い力の話。現実の地続きにある、あの世界の話。人間は脳みそがあるんだから、アチラに位行けるようになりたい、私も。06-01-29