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セカンドシリーズ第14弾。
第一話(表題作)「町くらべ」、第二話「父の遺言」は江戸が舞台の信平サイドの話。
第三話「恋い焦がれ」は京で学問を学ぶ、信平の息子・信政サイドの話。
・・・と、中編三話構成となっております。
読売屋・〈会堂屋文秋〉が作成した「町の位」と題された街の番付が江戸の民の間で評判となります。
因みに、信平が拝領した鷹司町は五十番という順位。
鷹司町の旅籠〈休楽庵〉の女将は、信平や代官の佐吉に順位を上げる為、ある提案をしますが・・・。
今回は所謂“住みたい街ランキング”のような番付が民をザワつかせている状況の中、“悪いところは改めて良い町に”というように民度を上げるモチベーションにする信平達に対し、この番付に乗じて悪さをたくらむ輩が起こす騒動が描かれています。
土地をだまし取る為あくどい策を弄する者や、残酷な盗賊一味も、信平が安定の活躍できっちり成敗してくれるので安心です。
それにしても、信平の友人で与力の五味さんは本来治安を守る役なのに、危うく悪人を見逃しそうになったりとイマイチ頼りにならないんですよね・・味噌汁ばかり飲んでいないで、もうちょいしっかりしてほしいものです~。
一方、第三話では京にいる信平の息子・信政が学友の幼馴染の姫君を許婚から匿うことに。
その許婚が、京を荒らしていた宝刀狙いの盗賊だったという展開で信政も学問どころではなくなっていました。
(雑魚にちょっと苦戦したりと、もしかして信政、感覚鈍っている?と少し心配に・・)
で、件の姫君と恋仲になって江戸に赴いた絵師が“鷹司町”に住むことになったようで、彼らは今後再登場するのでしょうか。
〈会堂屋文秋〉の人となりも気になりますし、その辺も楽しみですね。
そして、前巻で信平と松姫に引き取られた女児の“朋”が元気そうだったのが何よりです。彼女が健やかに成長してくれるとよいな・・と願った次第です。